古代守とは宇宙戦艦ヤマトシリーズの架空の登場人物で、同作品の主人公、古代進の実兄である。担当CVは初代からゲーム版までは広川太一郎、宇宙戦艦ヤマト2199では宮本充である。
概要(初代~ヤマトよ永遠に)
遊星爆弾でほぼ全ての肉親を亡くした古代進にとって、唯一血の繋がった親族である。突撃宇宙駆逐艦「ゆきかぜ」艦長として冥王星沖海戦に参加。同作戦で防衛艦隊は旗艦と「ゆきかぜ」を残し壊滅。
「男なら一人でも多くの敵をやっつけて、死ぬべきじゃないんですか」と単艦ガミラス艦隊に突入。空間魚雷を用いて数隻を道連れにしつつも、ガミラス艦隊の集中砲火を浴びて「ゆきかぜ」は撃沈。その後、奇跡的にイスカンダルのスターシアに救助され、同星に来訪したヤマト・沖田十三艦長・そして弟の古代進との再会を果たす。
一時は地球へ戻ることを決心するが、スターシアとの間に芽生えた愛情に従いイスカンダルに残留。守とスターシアは夫婦となり、後に一人娘のサーシアをもうけている。
「新たなる旅立ち」ではデザリアム帝国の侵略を受け、イスカンダリウム略奪の危機に瀕した際、ともに脱出するかと思われた女王スターシアを残し、娘とともにヤマトに救助される。その後、イスカンダルはデザリアム軍を巻き添えに、イスカンダリウムの戦争利用を防ぐため、スターシアの意思で自爆・散華した。
更に酷なことにそれから一年と置かず、デザリアム軍は重核子爆弾の投下と並行して、地球への侵略・全面降伏を突きつけてくる。この際、地球防衛軍に復帰していた古代守は、侵略軍司令カザンにより処刑されることとなった藤堂平九郎長官を救うべく、敵兵の手榴弾を用いて自爆。程なくして娘も後を追い、ここにイスカンダルの血筋は途絶えた…。
初代はともかく、それ以降の古代守・スターシア・サーシアの扱いは「メインキャラを殺せば視聴者から受ける」と言わんばかりの安直な展開で、事実、担当声優の広川太一郎氏は「ただ死ぬためだけに出てきたようなものだ」と、不快感をにじませた発言を残している。
概要(PS/PS2ゲーム版)
昭和の旧作・原作の脚本を大幅に修正したのが、2000~2004年に発売されたゲーム版である。こちらではイスカンダルに辿り着いた経緯も、ガミラスの捕虜となった末に遭難・重傷を負ったところを救助されるなど、それなりの整合性を持たされている。初代にあたる部分の流れは変わらないが、真田志郎との同期の仲はより深く描写された。
最大のターニングポイントは「新たなる旅立ち」「ヤマトよ永遠に」相当のPS2版である。
合計4作が発売されたPS2版ではヤマト以下の地球防衛艦隊・デスラー総統率いるガミラス軍の尽力により、デザリアム軍は退けられ、イスカンダルは辛うじて難を免れたため、守・スターシアとも無事に生き残ることに成功する。
その後に防衛軍に復帰するところは同じだが、地球の司令部勤務ではなく、戦艦「しゅんらん」を旗艦とする防衛軍第7艦隊の参謀長としてデザリアム軍と交戦中、救援に駆けつけたヤマトおよび「ゆきかぜ・改」と合流。山南司令の「ヤマトには君の助力が必要だ」という計らいから、なんとヤマト艦長に就任する。
加えてこの期の展開はプレイヤーの選択次第では、デザリアム本星に残ったサーシアを救助の上、無事に親子ともどもイスカンダルへ帰還するという、当時の視聴者が一度は望んだであろうハッピーエンドを迎える。このシリーズは非常に良質な脚本で、「もうこれが公式でいいよ」と言われるほどである。
因みにゲームシリーズのキャラデザイナーを担当した増永計介氏は松本零士作品の大ファンであり、当時のヤマトは未だ共同原作扱いであったこともあり、非常に松本風のデザインが強く反映されている。シリーズが進むごとに目元・髪型などがワイルドになっていき、最終章のデザインメモには「ハーロック一歩手前」と記されている。
概要(宇宙戦艦ヤマト2199)
そして他の多くのキャラクターと同様、根底からリビルドされたのが2199である。年齢・出身地、そして本来であればヤマト戦術長となるはずだった立場など、練達の船乗りであったことが序盤から明かされている。外観も旧作と比較すると、より若々しい印象となっている。劇中の磯風型突撃宇宙駆逐艦「ユキカゼ」艦長というスタンスは同じ。
但し冥王星沖海戦…2199では艦隊を陽動としたメ号作戦の終わりから、旧作とは大きな違いを見せている。
初代においては部下乗員のことも考えずに単艦特攻を果たし、一種の自己満足のような形になってしまっていた。対して、ヤマト計画やメ号作戦の秘匿情報は知らずとも、沖田十三という人物が地球防衛のためには必要であることを自覚して殿を務め、理にかなった死兵故に乗員も「銀河航路」を唱和し、古代守に付いて行く描写が為された。
「ユキカゼ」は奮戦及ばず撃沈し、土星の衛星エンケラドゥスに漂着。この段階でヤマト乗員達からは、同艦乗員24名は全員戦死したものと見做された。
但し本人ではないが、ミレーネル・リンケの精神攻撃を受けた時の古代進の内面や、あるいは中央司令部勤務の立場故に、親友である古代守にメ号作戦の真相を話せなかった真田志郎の苦悩吐露など、様々な回想シーンで登場する。防衛大学校時代から遠慮のない気さくな人格で、中原中也の詩集を好み、新見薫と恋仲であったことも明らかにされた。
現段階では生死は不明であり、旧作同様にイスカンダルでヤマトを待っているのかは…
(以下、未放送のため反転-TV放映終了につき公開)
旧作同様、ガミラスの捕虜となった末に、生体サンプルとして護送される際、護送船が事故を起こしてイスカンダルに不時着。その段階で古代守を除き「ユキカゼ」乗員生存者は全員死亡。守その人も助からぬ重傷を負ってしまい、幾ばくかの日々を生き延び、ヤマト到来を待ち侘びたものの、傷は深くその日を待たずに世を去ってしまっていた。
但しイスカンダルの技術によるメッセージカプセルに、沖田十三艦長と、弟である古代進への遺言を残しており、更には旧作のコスモクリーナーに相当するコスモリバースシステムのコアとなっていた。厳密な意味で古代守本人といえるか微妙だが、その記憶は間違いなく、コスモリバースの中枢に遺されていたのだ。
そして地球への帰りを急ぐ途中、デスラーの襲撃を受けヤマトは多数の死傷者を出し、その中には森雪も含まれていた。ようやく自らの森雪への思いに素直になった矢先、彼女が重傷昏睡の末に死亡するという事態を受けて悲嘆にくれる弟の姿を前にし「俺にしてやれるのはこれくらいだ」と、コスモリバースを起動させ雪を蘇生。
それだけでなく、何かを感じ取ったのか「艦をお返しします、沖田さん」と思念体が消え去る前に、コスモリバースを沖田十三に託すことで、古代守の魂と記憶は、弟とその伴侶、そして地球を救うこととなった…
なお、これは沖田艦長と徳川機関長の会話で明らかになったことだが、国連宇宙軍が唯一ガミラス艦隊との戦闘に勝利した第二次火星沖海戦当時は、戦艦「キリシマ」の砲雷長を務めていた模様である。
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