元々は小説家になろうで連載・完結しており、連載当時はメル名義で連載していた。
概要
騎士を目指す落ちこぼれの平民の少年が、幼馴染である勇者の少女と再会したことで、大きく運命の歯車が動き出す。
なろう版と製本版では開始直後の展開が異なっており、なろう版ではウィンとレティの過去の出会いから始まるのに対し、製本版では幼少期にウィンたちが冒険者として活動していたときに起きた、とある出来事から始まる。
主な登場人物
ウィン・バード
本作の主人公。
生まれつき魔力が極端に低く、最低限以外の魔法が使えない。このことで騎士学校の卒業試験に3度落ちるも、幼いころに見た騎士の勇士と幼馴染のレティとの約束もあって騎士を目指すことをあきらめなかった。
特技は剣術。幼いころに冒険者から剣の基礎を習っただけで基本的にはほぼ我流だが、基礎をひたすら積み重ねたことに加え、天才ともいえるレティを(全く意識しないで)指導してきたこともあって魔力を使わない状態での実力は神技の域に達しているが、実際には身体強化魔法がかかった状態での戦闘が作中世界ではメインのため、物語開始直後の時間軸では剣士としての実力は中の上~上の下程度。ただし魔力が極端に低い代わりに通常は一般人にすら無条件で抵抗されて効果が減衰する補助魔法をほぼ素通しで受けられるという利点があり、基本的に他人にかける実用性が低いはずの補助魔法による支援を受けることで、一時的に身体能力を大幅に上げることが可能。
両親を幼少時に失い、その友人であったランデルに引き取られており、その経営する『渡り鳥の宿木亭』でその妻であるハンナに雑用同然に扱われるも擦れることがなく、また冒険者の客が多かったためか相手を身分や出自で接し方を変えることもしないため、身分にこだわる貴族以外からの受けは良い。
幼馴染のレティを妹同然に見ており大切にしているほか、異性としても意識しており両想いと言ってもいい状態だが、身分の差もあり普段は表に出すことはない。また騎士学校で出会ったコーネリアとも互いに惹かれていくことになる。
レティ
本作のヒロインにして、女神の信託を受けた勇者。
本作の時間軸では魔王は彼女のPTによって滅ぼされており、
彼女のPTが魔王討伐から帰還したところから物語が始まる。
公爵家の三女でもあり、本名はレティシア・ヴァン・メイヴィスという、れっきとした公爵令嬢。
生まれつき規格外の才覚と魔力を持っていたため、逆に一般的な教育では才覚を磨くことができず、その才覚を知られることがないまま一風変わった落ちこぼれ娘として家族の中でも浮いてしまっていたところで、相手を色目で見ないウィンと出会い、即座になつく。
ウィンの剣に興味を持ち、彼に師事することで才能が開花。互いに磨きあうことで既に幼少時から規格外の片りんを見せており、一緒に冒険者をやっていたりしていた。ウィンと同じ剣技を使うが、基本的には模倣であるため純粋な剣の腕では僅かに劣るものの、圧倒的魔力による身体能力の強化もあって剣技における実力は世界最高であり、当代の剣聖を一蹴したことで『勇者』の称号以外にも『剣の神姫』という異名を持つ。また一度見た魔法を模倣することもできる。
ウィンにとにかく懐いており、大好きな兄であると同時に恋人としても愛されたいと思っているが、自身がたった一人で一国を凌ぐ能力を持つ勇者であるためなかなか一線を踏み出せない状態にある。コーネリアに対しては多少嫉妬している面もあるが、基本的にウィンそのものを好いてくれることから自身にとっても大切な人として認識している。
コーネリア
本作のもう一人のヒロイン。
レムルシル帝国の第一皇女で、本名コーネリア・ラウ・コール・レムルシル。
皇位継承権では第2位の地位にある。
騎士学校でウィンと出会い、互いに浮いていたことで友人同士となる。
得意とするのは補助や回復といった魔法で一流の域にある。剣もなかなかの腕前なのだが、実戦では恐怖で固まってしまい振るうことができなかっため、基本的には守られ系といったところ。……皇女なのである意味で正しいのだが。
元々ウィンとは出会った当初から大切な友人と認識していたが、上記の実戦の際にウィンに庇われたことではっきりと異性として意識するようになる。ただし自身が皇女であることやレティに対する引け目もあって、一歩引いた位置にいることが多い。
ロック
主人公の親友。
大きな商家であるマリーン家の次男坊で、家を継げない立場から騎士学校に入り、次席で卒業して準騎士となった。
実はウィンのひた向きさに惹かれることで、まじめに騎士になるために打ち込んだという経緯がある。次席になったことからもわかるとおり、ウィンともある程度打ち合える実力がある。
ウィンが物語が進む中で次々と有名人とコネクションを取得していき、それに伴う騒動に巻き込まれるようになったため、中盤以降は胃痛&ツッコミ&常識人枠になることが多い。
重要ワード
剣聖/剣匠/剣神
作中時間の500年前にある3人の卓越した英雄が、その武功を称えられてそう呼ばれるようになった。その後、称号の継承者は慣例的に金印を所持している。
剣神継承者は作中未登場。
剣聖継承者はレティシアのパーティメンバーであったラウル・オルト・リヨン。それ以外の継承者や元候補者についても触れられている。
剣匠継承者は作中開始時間ではあるドワーフが所持。後にとある人物が金印を受け継ぎ、称号を継承する。
勇者/魔王(魔族)
本作で勇者と魔王は対に当たる存在であり、勇者のみが魔王を倒せる唯一の存在である。その理由としては魔王自体が隔絶した力を持っていることもあるが、それ以上に規格外の瘴気を纏っているため、創世の女神アナスタシアの加護を受けた勇者以外ではまともに近づくことすらできないという事実が大きい。
その魔王に直接生み出されたとされるのが魔族であり、魔力によって具現化されるまでは肉体を持たない。それぞれが実力に応じて爵位を持ち、伯爵級以上は名前を持つだけでなく国の総力を上げなければ撃退は不可能だとされる。4体しかいない公爵級ともなると人間の身で対抗することはできず(500年以上前に作中舞台の大陸を支配し、軍事力も突出していた国が1体の公爵級の前に僅か1週間で滅ぼされたとされる)、魔王と同様に人間では勇者以外だと太刀打ちできないほどの力を持つ。
関連静画
ゼファー氏による公式のコミカライズ。ゼファー氏はPixivで艦これのファンコミックである駆逐艦の運命を連載しており、公式のコミカライズ担当としてデビューしたことに驚いた人もいた模様。
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関連項目
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