札幌市営地下鉄東豊線とは、札幌市交通局が保有・運行する地下鉄路線である。
概要
東豊線 | |
栄町駅 - 福住駅 | |
基本情報 | |
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運行事業者 | 札幌市交通局 |
総路線距離 | 13.6km |
総駅数 | 14駅 |
路線記号 | H |
軌間 | ナシ |
電化方式 | 1500V |
架空電車線方式 | |
使用車両 | 9000形 |
最高速度 | 70km/h |
部分開業日 | 1988年12月2日 (栄町駅-豊水すすきの駅) |
全線開業日 | 1994年10月14日 |
路線テンプレート |
札幌市営地下鉄で3番目に建設された路線で、札幌市東区の栄町駅から豊平区の福住駅までを結ぶ。路線記号はH、ラインカラーはスカイブルー。
1988年にまず栄町駅~豊水すすきの駅間が開業したが、当初の想定程利用者数が延びず、多くの赤字を出すこととなった。
その後1994年に福住駅まで延伸開業すると、沿線の人口増加が著しかった豊平区中部地域の重要な交通手段となり、さらに2001年の札幌ドーム開業後(特に、2004年の北海道日本ハムファイターズ移転後)はアクセス路線として最寄り駅である福住駅の利用も増えるなど、赤字額も年々減少している。
路線・車両の規格は東西線に準じており、当初は東豊線にも東西線用6000形を改良の上導入する想定であった。さらに東豊線では車両基地の建設が見送られ、開業以来東西線西車両基地を間借りし続けている。ホームレイアウトは他の2路線と異なり島式の割合が高い。相対式を採用しているのは新道東駅、環状通東駅、北13条東駅、大通駅の4駅で、豊水すすきの駅以南は全駅島式である。これは建設費節減要請があったためで、トンネル断面・ホーム長・階段等を削ってコスト削減を図っている。
2012年度中に南北線全駅にホームドアが設置されるのを受け、2012年3月25日に3000形が営業運転を終了したため,東豊線は札幌市営地下鉄最新の路線にして走行する車両は最も古いという状態が起こっていたが、2015年5月から9000形が運用開始され、2016年までに7000形を置き換えた。さらにこの置き換え後から順次ホームドアの設置が進められ、2017年3月までに全駅への設置を完了するとともに、他路線同様にATO(自動列車運転装置)の運用とワンマン運転が実施されている。
使用車両
料金[1]
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 接続路線/乗継指定バス路線 | 所在地 |
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H01 | 栄町駅 | 北海道中央バス | 東区 |
H02 | 新道東駅 | 北海道中央バス | |
H03 | 元町駅 | 北海道中央バス | |
H04 | 環状通東駅 | 北海道中央バス | |
H05 | 東区役所前駅 | 北海道中央バス | |
H06 | 北13条東駅 | ||
H07 | さっぽろ駅 | 札幌市営地下鉄:南北線 JR北海道:函館本線(札幌駅) JR北海道バス、じょうてつバス、北海道中央バス |
中央区 |
H08 | 大通駅 | 札幌市営地下鉄:南北線、東西線 札幌市電:一条線(西4丁目停留所) JR北海道バス、じょうてつバス、北海道中央バス[2] |
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H09 | 豊水すすきの駅 | 札幌市電:山鼻線(すすきの停留所) じょうてつバス |
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H10 | 学園前駅 | じょうてつバス | 豊平区 |
H11 | 豊平公園駅 | ||
H12 | 美園駅 | 北海道中央バス | |
H13 | 月寒中央駅 | 北海道中央バス | |
H14 | 福住駅 | 北海道中央バス |
追記
東区民にとっての東豊線
東区は札幌都心に近く人口も増えていたが、市電も国鉄も通らない鉄道空白地帯であった。とりわけ東区のうち東部(丘珠・伏古・札苗等)の住民は、長年時間のかかるバスでの移動を余儀なくされていた。逆に西部(北光・元町等)の住民は南北線開業の恩恵を享け、利便性が増したが、南北線のさらなる混雑悪化に多少の不満があった。そこで東区選出の市議が中心となって「東区民のための新たな路線(及び南北線のバイパス路線)」の建設を請願し、ついに計画立案・建設に至ったのである。
ただ、決定ルートは人口の多い西部と面積が広い上交通事情の良くない東部との綱引きの結果、折衷的に決まったと推測される集客に課題のあるルートであった。さらに泥炭地由来の軟弱な地質のため、工事は当初から難航が想定されていた。おりしもバブル経済期で元々高かった建設費が更に上昇し(加えて建設債は高金利)、長く東豊線ひいては札幌市の重荷となってしまった。そしていざ開業すると、前述の通り集客に苦戦することになったが、一方で同線開業により沿線や丘珠・東苗穂などの開発は後押しされたといえる。
丘珠空港の滑走路延長やジェット旅客機の発着を増加させるのと併せ、栄町駅から丘珠空港への延伸を求める声がある。但し線形上は結構無理があるけど…。
清田区民にとっての東豊線
1997年に豊平区から分区した清田区は、札幌市内の10区の中で唯一鉄道が通っていない。区民から見れば「福住駅」という終点は非常に中途半端な立地で、「多少無理してでもせめて今の区役所あたりまで作ってくれれば…」と言いたくなるのも無理はない。国道36号線や羊ヶ丘通りは渋滞が多く、福住駅に出るのにも時間がかかるし、隣接する北広島市の大曲・輪厚地区も開発が進み、潜在的需要が見込まれる…ということで区民の一部からは延伸を望む声や運動が起こされている。
ちなみに、かつては区内北野方面への延伸が計画されていたが、現在のルートとは異なるものであり、すでに白紙撤回されている。新たな延伸構想については、慢性的な赤字と想定される膨大な建設費のため、さらには札幌市電の環状化計画が優先されているため、立案すらされていない。もっとも、清田区ひいては札幌市(あと北広島市)の人口増加ペースは鈍化しており、建設費を償還できる利用者が見込めるかは見通しが難しい。
関連動画
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関連項目
脚注
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