栗本チャレンジとは、元Game*spark編集部在籍ライター栗本氏(以下偉大な上位者栗本)に触発された者による、Bloodborneの縛りプレイである。
注意
この記事を読んでいる者の中に「Bloodborneをまだプレイしたことが無い」という方はいるだろうか?
だとすれば、君は正しく、そして好運だ。
君は一生に一回しかない「真の栗本チャレンジ」挑戦の機会を持っている。
まずはこの記事を読み進むことを止め、Bloodborneを入手し、一通り遊んでみて欲しい。
なあに何も心配する事はない。何があっても、悪い夢のようなものさね……
概要
Bloodborne発売開始から3週間ほどの時期、速いものはもうエンディングに到達し周回作業や縛りプレイを行い始めていた頃、Game*sparkに「【囲みレビュー】『Bloodborne』──過去作品との比較を含めて、本作の魅力を語り合う」という題名の記事が掲載された。
そこで上位者栗本が放った言葉がBloodborneプレイヤーに衝撃を与えた。
──残念だった点について教えてください。
栗本:説明不足かなと感じました。これは僕個人の感想なのですが、一番初めの狼が死にイベントになっていて、本来はそこで死んで拠点に戻ると武器を獲得できる──はずだったのですが、勝ってしまってそのまま手刀でボスまで行って倒してしまって、さすがにおかしいなと(笑)。~(以下略)
全体的にツッコミどころ上位者らしい発言の多い偉大な上位者栗本であったが上に引用した部分は殊更に取り上げられた。あまりにもそれが難しかったためである。
どこが難しいのか
まず素手ではただ殴っただけではダメージが1桁台でありまともにダメージを与えられない。上記の「一番初めの狼(罹患者の獣))」ですらHPが200以上あるので、数十発殴る必要がある。相手の背後からチャージ攻撃を当て「内臓攻撃(致命の一撃)」を使用すれば1コンボで倒せるものの、チャージ攻撃は隙が大きい上に狼のモーションは不規則で読みづらいため、初見で内臓攻撃を決めるのはかなり困難。対する狼の攻撃は、僅か3発程度でこちらを死に追いやる。
また、レベル上げも行うことはできない。死亡または休息で狩人の夢という場所に行くと買い物やレベル上げが行えるようになるのだが、ここで武器取得イベントが挟まれるためである。
そしてBloodborneの最初のボス、ガスコイン神父または聖職者の獣(聖職者の獣はスルーして後で倒せるボス)を倒した実績の取得率は現在Bloodborne総プレイヤー数の50%を切っている。プレイした者の半分は武器を持ちながら、レベル上げできる環境で倒せていない。それほどの強さを誇るボスである。
これらの難題を初見で行ったのである。
栗本チャレンジ
上の文を読んだとき誰もが感じたであろう。「実際に可能なのだろうか?」と…
そして何人もの啓蒙が高いBloodborne上級プレイヤー達が実際に挑戦し、その内容を動画に収めた。これら夢縛り初期ボス撃破挑戦動画は総じて偉大な上位者栗本の名にあやかり栗本チャレンジと呼ばれるようになったのだ。
聖職者の獣
ある時期までは偉大な上位者栗本が倒した最初のボスはガスコイン神父だと思われていた。なぜなら聖職者の獣に対しては、内臓攻撃を1度しか使用できないと考えられていたせいである(正確には「頭部部位破壊時に使用可能」であり、同じ部位を二回破壊する事は出来ないと認識されていた)。
「手刀で」、「ボスまで行って倒してしまった」(火炎瓶などを使わなかった)のが聖職者の獣と仮定すると1時間ほど攻撃を喰らわずに延々と殴り続ける必要があり、いくら上位者といえども途中で1度死亡してみるという選択肢が浮かぶはずだからである。
しかしとあるプレイヤーが聖職者の獣に対して内臓攻撃を複数回叩き込む方法を編み出した。これにより素手での撃破時間が1時間以上から24分にまで縮んだのだ。まさに秘匿は破られたと言える。
偉大な上位者栗本は初見で相手のモーションを見抜いて内臓攻撃を叩き込める。必然、内臓攻撃を複数回使用する方法を初見で見抜けてもおかしくはない。以上のことから聖職者の獣を倒したという説が息を吹き返し、上位者を目指すため栗本チャレンジ動画が増えてきている。
ガスコイン神父
一方、ガスコイン神父に対しては狼と同様、背後からチャージ攻撃を当てて内臓攻撃すれば8~9発ほどで倒せる為、比較的現実的な時間で撃破が可能ではある。
しかし、攻撃が大振りで回避しやすい聖職者の獣に比べ、ガスコイン神父は攻撃動作が素早いうえに回避困難な散弾銃を多用するなど、純粋に強く厄介なボスである。そのうえ残りHPが6割になると武器を変形、3割になると獣化して攻撃パターンを大きく変化させる特性を持つ。特に獣化後の猛攻から逃れる事は難しく、多くのプレイヤーが葬られ、心折られてきたことで有名である。
栗本はこの強敵の攻撃をあっさりと見切り、上位者の赤子の手を捻るように狩ったとでも言うのだろうか。だとすればマジェスティック!と言わざるを得ない(賞賛のジェスチャー)。
ヤーナムの影
Bloodborne発売から5年後、ゲーム開始直後には本来通れない扉を通行し、中盤のステージ「禁域の森」に侵入するグリッチ、通称「Clicic Skip」が発見された。そして、栗本チャレンジに挑む「RTA走者」たちの気づきは突然に訪れたという。すなわち、上位者栗本が倒したボスは聖職者の獣でもガスコイン神父でもなく、禁域の森のボスであるヤーナムの影だったのではないか?という疑問である。
普通に戦えばガスコイン神父以上の無理ゲーとなるはずだが、ボス部屋に侵入するグリッチを併用する事でヤーナムの影は行動不能の棒立ち状態となり、内臓攻撃が当て放題の的と化す。これなら素手でも現実的な時間で撃破が可能となるうえ、「さすがにおかしいなと(笑)」感じたのも当然と言える。
超越的な操作技能を必要としないこの考察を否定する者もいるが、常人が5年を要して発見したグリッチを発売直後に初見で発見したとすれば、栗本は人として上位者に伍したと言っても差し支えないだろう。
ストーリー考察
bloodborneの舞台設定、ストーリーは、soulborne(Demon's Souls、Dark soulsシリーズ、bloodborne)の中でもトップクラスに複雑難解であり、いまだにストーリー考察がされているほどであるが、偉大な上位者栗本は「ストーリーも分かりやすくて良かったですね」とその思索のレベルが高次元に到達している事を伺わせるコメントを残している。
脳に瞳を宿しているに相違ない。
余談
長年、沈黙を貫いていたGame*spark側だが、2021年にこのような声明文を発表している。
Q:栗本チャレンジについて見解をお聞きしたいです
A:記事掲載時、自分も社内の別媒体を担当しており、当時と全て入れ替わってしまった現編集部のメンバーも誰一人としてこの記事がどのように編集され公開されたかを把握されているかは分からないというのが実情です。だんまりを決め込んだということだけは理解しています。
自分は2017年5月から担当していますが、それまでの長年Game*Sparkを仕切っていた前任の編集長にどうするんだと話をしたことがありますが、もう終わったことだからいいと一蹴されましたし、退職したあとの本人にも話をしたことはありますが、同様の反応でした。既に他の企業に行っている以上、当人達に断られれば打つ手はありません。
自分としては、削除することもできますが、結局真相は闇の中ということで、調べられない以上はこのまま負の遺産として残しておくべきだろうと思いました。自分としては記事をどうするか以前に、ちゃんと説明をする必要はあったと思います。
なにか読者から説明を求められた時に、以前のようにだんまりだけはやめようというのが自分の思いですし、間違いはどこを間違ったかちゃんと伝えよう、どうぶつの森のフェイク動画に騙されたなら、隠さずちゃんと騙されたと言おう、それで信頼がなくなっても、コソコソ隠れたり取り繕ったりするよりはマシと話をしています。今回もそういう思いから極力どういう質問に対しても答えようと思っています。
どうやら現在のGame*spark編集部は、偉大な上位者栗本の発言に対して懐疑的な見解を抱いているようだ。だが、ここまで記事を閲覧した読者諸氏はご存じの通り、栗本チャレンジは理論上実現可能であり、上位者栗本自身は未だにこの発言に対する否定は行っていない。
困難だからと言って安易にエアプだと決めつけるのは思考の次元が低すぎる。もっと瞳が必要なのだ。
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関連項目
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