産業革命とは、18世紀後半から19世紀にかけて起こった機械に導入した工場が登場した事による産業の変化と、それと同時期に起こった社会制度の変化をまとめた現象である。
つまり、どういうことか? 現代社会の原型が出来たと思えば、だいたいあっているんじゃないかな。
簡単な概要
産業革命はフランス革命のような市民革命とともに近代化の始まりともいわれる現象。最初にこれを達成したイギリスが19世紀においてトップを走り続けて19世紀の中頃には、大英帝国の最盛期としてぶいぶい言わせることとなる。
最初に産業革命が発生したイギリスを例にとって産業革命を見ていこう。
産業革命の発生条件
- 毛織物産業による工場制手工業の発達 → 機械があっても元となる工場が必要だよね!
- 農業生産の増加に人口増加 → 機械を導入しても労働者がいないといけないね!
- 広大な海外植民地 → 機械で大量生産しても売るところが無いんじゃ意味が無いよな!
というのも二つの項目は、他のヨーロッパ諸国でも多く見られた現象だった。例えば、イギリスのライバルのブルボン朝フランスでも工業制手工業や人口増加は見られた。むしろ、大陸側の欧州諸国のほうが発達している国も多々あった。
しかし、フランスは18世紀の植民地戦争でイギリスにフルボッコにされた結果、植民地をボッシュウトされちゃう。逆にイギリスはフランスから植民地、特に北米植民地(東海岸の13植民地はのちに独立戦争してくるけどな!)という巨大な市場を獲得することが出来た。スペイン?知らんな
産業革命で活躍したもの
紡績機&織機
1733年 飛び杼 織り機のスピードがアップ! → 糸が足りなくなるよ!紡績機を改良しよう!
1764年 ジェニー紡績機 通常の8倍の糸を紡ぐ紡績機だよ!でも大きい糸は作れないよ…
1769年 水力紡績機 文字通り水力で動く紡績機だよ!小さい糸が作れないよ… 水力とか労働者の敵だよ!
1779年 ミュール紡績機 ジェニーと水力紡績機のあいのこだよ!
1785年 力織機 蒸気機関で動く織り機だよ!
鉄鋼業
16世紀 鉄製品が足りないから増産しよう → 木材の乱獲
17世紀 やばい、乱獲で木材が足りないよ!!! → 木材と鉄をスウェーデンとロシアから輸入
18世紀 木炭じゃなくて石炭なら鋼鉄が作れるんじゃ → 火力アップで良質な鋼鉄が作れるようなったよ!
蒸気機関
石炭が重要になったので炭坑を掘るよ! → 地下水うぜぇぇぇぇ コイツをどうにかしないと採掘出来ねえよ…
1712年 ニューコメン「蒸気機関で排水ポンプ作ってみたよ!」 初の実用蒸気機関だけど掘った石炭の三分の一を使うほど効率が悪いよ…
1785年 ワット「ニューコメン型蒸気機関をピストン運動から円運動に改造したよ!」 → 効率がアップしたし、円運動になったから他のものにも使えるので、工場の動力源が水力から蒸気機関に変化したよ
移動手段の変化
1807年 フルトン「蒸気機関を積んだ船を作ってみたよ!」 ナポレオン「こんなの流行らないよ()」←大流行しました
スチーブンソン「蒸気機関車を改良して実用化したよ!」 → 1850年には9655kmもの鉄道網が敷かれるようになったよ!
で、産業革命は何をもたらしたの?
一文でまとめると「農業中心の社会から産業社会への転換」という現象である。
ざっくり言ってしまえば、今日の現代社会の原型を作り出したのが産業革命である。
- 経済的側面
資本主義が発達したのはこの時期で、投資可能なほどの資本を持つ資本家と不可能な労働者の中で所得差が起きるのと、同時に対立軸が生まれた結果として社会主義が出始める。賃金労働者などが増えたことで貨幣経済が発達する。ホワイトカラーって職種が大きく出始めるのもこの後すぐ。(株式会社のルーツ東インド会社とかは見ないこととする) - 社会的側面
都市に労働者が集まることによって都市化が急速に進んでいき、地方では過疎化が都市部では過密化が問題となる。都市化していく中で農村の共同体などが解体されていく中で、現代的な価値観が発達していく例としては専業主婦なんかが出てくるのもこのころから。(実際にはもう少し後だけど) - 文化的側面
機械化による大量生産が可能になったことで今までの循環的な社会から大量消費社会が生まれていくこと、都市化していく中で大衆社会が築かれていく。広告をバンバン打ち出した商売とかスポンサーなどが出てくるのもこの時期を過ぎてから。
産業革命なんて古い!最近のトレンドは工業化だよ!
さて、この産業革命という現象は、革命という表現はふさわしくないという意見が最近では出ている。
え?教科書には産業革命が載っていたよっていう人。いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府が1185年に変わったように、産業革命という言葉も教科書から抹殺されるかもしれません。
上にも書いてあるように産業革命とは18世紀後半から19世紀にかけて起こった現象で、最初に起こったとされるイギリスならば1760年代から1830年代にかけてのことである。およそ70年間もかけて変化していった現象を革命というのはおかしいというのがその主張である。
まあ、同じ時期のフランス革命でも大体10年くらいで終わっているし、産業革命は比べるとべらぼうに長い変化で、これでは革命というのは変化が長過ぎてちょっとおかしいから、工業化というほうが正しいという意見が出て来た。近頃では産業革命という言葉よりも工業化という言葉が使われて来ている。
まあ、それでもイギリスの工業化に関しては、世界で最初の工業化(ムー大陸やアトランティスやラピュタなどの過去の超古代文明を除く)であることから産業革命という言葉が使われており、今後も使われていくと思われる。実際のところ俺もよくわかんないんだよ
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