注:この記事は『魔獣戦線 THE COMPLETE』(双葉社)を元にして書かれています。
概要
『ゲッターロボ・サーガ』『虚無戦記』『極道兵器』と並ぶ作者の代表作の一つ。永井豪の『デビルマン』に大きく影響されている。吸収・進化・復讐・神などのテーマやモチーフはこれ以降の作者の漫画にも多く見られるものである。
漫画本編以外の展開ではOVAやアニメ版、続編の『真説 魔獣戦線』がある。
あらすじ
来留間源三博士ら13人の学者(使徒)は「神の目覚め」のために新人間(ニューマン)を作り出そうとし、その実験のモルモットとして来留間博士の息子・慎一を使った。
しかし、慎一はまだ子供すぎた。手術のおもみに体が耐えられなかったのだ。実験が失敗と分かった使徒達はあらたな「材料」として来留間博士の妻である静江を使う。果たして手術は成功し、静江は鷹・ヘビ・ライオン・熊などの動物と融合した新人間となったのだ。
目覚めた慎一は彼らの目的・自分をモルモットにした実験の失敗・母もまた実験に使われたことを知り、激しく怒る。それに対し、来留間博士は非情にも「自分の人間性を断ち切るため」といい、慎一を殺そうとする。ところが、新人間となった静江が突如狂ったように暴れ、周辺を破壊しはじめた。激しい戦闘の末、シャフト博士がニードルガンで頭部を撃ち抜き、直後の落雷によって研究所は爆発。13人の学者は脱出したものの慎一と静江の行方は分からず、そのまま死んでしまったものと思われた。
それから5年、使徒らは行方をくらませ、慎一を見たものもいなかったが……
登場人物
- 来留間慎一(くるま しんいち)
- 主人公。動物と心を通わせることのできる小学生だった。来留間博士は最初からモルモットにするために育てていたと言っている。
- 新人間=魔獣と化した後は、復讐鬼となり十三使徒の行方を追う。鷹・ライオン・熊を体内に持っている。
- 天外真理阿(てんがい まりあ)
- 一応ヒロイン。東北の山奥に隠れ住んでいる予知一族の一人で、未完成ながら予知能力がある。父親と母親が殺されたために祖父と富三郎と共に村を脱出した。十三使徒と何らかの因縁があるらしい。
- 聖母マリアであるらしく、彼女が強いショックを受けると神が目覚めるらしい。
- 天外富三郎(てんがい とみさぶろう)
- 真理阿の兄弟。金の事しか頭にない。予知能力自体は覚醒していないが敵の攻撃を予測して攻撃を避ける(本能的に避けるという記述もある)という能力がある。予知が覚醒しないのは金という邪念が入るためとか。
- 真理阿と富三郎の祖父
- 名前は作中に出てこなかった。予知一族はキリストの子孫である・ノストラダムスと同様に世界の破滅を予知した・1999 10の月に人類が滅びる・そのとき慎一が神と戦うなど一族の言い伝えや予知などを慎一達に語るが刺客に襲われて死亡。
13人の学者
使徒(十三使徒)とも。「神のしもべ」を自称しており全員が優秀な学者である。人工的に進化させた人間である新人間(ニューマン)を作り出し、来るべき神の目覚めに備えていた。粒子砲(ミサイル)や、戦闘艇、巨大ロボット、アパッチなどの近代的兵器はもちろん、月の軌道を変え引力により津波を起こすといった超自然を利用した災害を 起こす兵器等も持っていた。
13人いるはずなのだが、どのコマにも最大で12人しかおらず、真説・魔獣戦線まで通して探しても13人いるという確証がない。しかもその中で、名前がわかっている者は6名ほどである。これには作者の画力、画風の変化、掲載誌の廃刊、物語が完結してしまったことなど、様々な原因がある。
以下、名前の判明している使徒を挙げる。順番は名前が出てきた順である。
- 来留間源三(くるま げんぞう)
- 主人公の父親。彼自身も強力な魔獣である。ワニ・熊・蛇・ライオンなどの動物を体に持っている。連載されていた雑誌が廃刊になったため、魔獣慎一との直接対決は続編『真説 魔獣戦線』まで持ち越しとなる。
- ユダ
- 自分の息子達を慎一のようにモルモットにした結果、実験は失敗。彼らを「霧のような細胞の化物」にしてしまう。その後、名前通りに神と13人の学者を裏切った。シャフトの起こした津波に流されるがどうやら生きているらしい。
- シャフト
- 肌が黒くて唇が分厚くてサングラスをかけている。体の中にボディーガードとして30人の息子を持っている。『魔獣戦線』時点では死亡した描写は無いが、彼の息子が真理阿を殺してしまった以上、彼は二度とこの世に生を受けられない体になってしまうと思われる。
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関連項目
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