California Gurlsとは、2010年に発売されたケイティ・ペリーの1枚目のシングルである。
なお、ガールズは「Girls」ではない。詳細は下記。
楽曲情報
- 作曲:Katy Perry, Lukasz Gottwald, Max Martin, Benjamin Levin, Bonnie McKee, Calvin Broadus
- プロデューサー:Dr. Luke Benny Blanco Max Martin
概要
ケイティ・ペリー3枚目のスタジオアルバム『Teenage Dream』のリードシングルとして、2010年5月7日に発売された。ただし、もともとは5月25日リリース予定だったのだが、ネットに流出したため仕方なく早められた。
前年に発売されたジェイ・Zとアリシア・キーズのニューヨークを讃える「Empire State of Mind」に対するアンサーソングらしく、西海岸も負けていないとカリフォルニアをちょっとセクシーに讃えるようなアゲアゲの曲である。
発売されると直ちに夏のアンセムとして、ビルボードを筆頭にした各国のランキングを総なめにし、6月15日に公開された架空の「キャンディフォルニア」を舞台にしたPVも合わせて、様々な賞を獲得した。
なお、当初はガールズの綴りは普通にGirlsの予定だったのだが、バンド「ビッグスター」の「September Gurls」にちなんで、Gurlsとなった。なお、「California Girls」という楽曲のあるビーチボーイズ側とは少し悶着があった模様。
ミームについて
で、そんなパリピな洋楽がなぜニコニコ大百科に記事があるかというと、「Chads Dancing To California Gurls In Friday the 13th: The Game」というミームのためである。
この曲がリリースされてから遥か後世である2022年5月26日に、TikTokerのrelaxedwindowgamingが、『Friday the 13th: The Game』というホラーゲームで次のような動画を投稿した。この曲をバックに、ジェイソン・ボーヒーズというキャラの前でチャド・ケンジントンというキャラが、DLCにあったShake itというダンスで踊るものである。
これが2か月で100万回以上再生されるほどバズったことに気をよくした本人が、2022年6月11日に倒れたジェイソン・ボーヒーズの前で2人のチャド・ケンジントンが踊る動画をアップ。これが1か月で1000万回以上再生されるレベルでバズったのである。
この2022年6月になると、実写ですらとりあえず何かやる動画に猫も杓子も「California Gurls」を流す事態となり、6月23日にTeam Fortress 2で踊る動画がYouTubeに投稿されたことで、ついにTikTok外に進出。7月6日にはTwitter(当時)でDeltaruneのキャラクターを踊らせる動画が2週間で数十万回再生され、なんか普通にどの層にもウケている状態になったのである。
とはいえ、これはもう2022年中ごろの話であり、既に過去の物語である。
ニコニコ動画におけるCalifornia Gurls
ぶっちゃけこの曲自体かなり人気だったので、リリース当時の時点で関連動画はあったものの、ほぼまるあげうpとかなのでここでは触れない。
とりあえず、上記ミームが始まった時点で、最初に取り上げたのは、淫夢界隈である。もうおおよそ各サイトに伝播しきった2022年7月31日に動画が投稿されている。
それからしばらく経ち、10月にはMMD動画が投稿されている。
で、ここからが本題なのだが、ニコニコ動画でこのミームにある程度作用している、スマートフォン用ゲーム「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」の浅黄ムツキが踊っていたり顔のでかい絵がサムネだったりする類の動画についてである。
浅黄ムツキが踊る「California Gurls」の前提
「California Gurls」ミームの一環としてのムツキダンス
2022年9月14日に、浅黄ムツキに「California Gurls」を踊らせたMMD動画を、インドネシア人のJenova JeremyがYouTubeにアップしたことから、全ては始まる。
当初はそれほどではなかったものの、徐々にウケていった結果、9月20日に本人がGB素材化し、共有化されたのである。
そして、このネタが2022年11月4日にニコニコ動画にも流れ着いたのである。
「Tikus JGN MSK」ミーム
で、これとは別に、インドネシアで2022年9月7日以降「Tikus JGN MSK(Tikusはねずみ、JGNはjanganの略語で~してはいけない、MSKはmasukの略語で入ってくる、つまり「ねずみ入ってくるな」)」 という、顔がでかくゆがんだ笑顔の画像の浅黄ムツキのミームが流行った(なぜムツキかは、MSKがムツキの略語と言えなくもなかったから)。
要するに、FacebookでAhh Von Miawといったインドネシア人たちが、ねずみ対策にデカ顔の浅黄ムツキの画像と彼女の笑い声が使えるとし、実際にねずみが家に入ってこない動画などをアップしてバズったのである(ただし、Xを見る限り9月5日時点で既に観測報告があるため、その直前の別のミームがインドネシアに流れ着いて流行った、もしくはredditなどでもっと前からムーブメントとしてあった可能性はある)。
この顔の元ネタは2021年に開催された、東京マルイとコラボした時のVRステージに居たSDの浅黄ムツキを接写した時の顔である。
なお、このミームは、見たまんまのものがウケていた初出時と、微妙に政治的文脈の乗った後々の展開の二段階ある。つまり、2022年7月22日以降のインドネシアのインターネット規制に関して、抜け穴をつくようなインドネシアのハッカー層を筆頭に、反発するギークやナード層が「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」をやっているような層だったのが影響する。
要するに、検索エンジンやSNS、ゲームプラットフォームに至るまで、ビッグテッククラスの国外有力サイトへのアクセスを規制するような政府のねずみたちを、ネット上で煽る意味でも徐々に使われていったようである。
両ミームの関係
この、浅黄ムツキのダンスとTikus JGN MSKはたまたま両方インドネシア発祥だが、最初浅黄ムツキを踊らせたのと、浅黄ムツキをネズミ対策に使ったのは、Jenova Jeremy曰く完全にたまたまだったらしい。
が、上記Jenova Jeremyの動画が流行ったきっかけというのが、この後しばらくしてネズミの周りを浅黄ムツキが「California Gurls」を踊る動画だったので、「Tikus JGN MSK」は「California Gurls」を踊る浅黄ムツキのMMDモデルがフリ素化する原因ではある。
なお、補足すると、実はJenova Jeremyは浅黄ムツキと全く同時に陸八魔アルのMMDモデルも作っている。ここで前提として、彼(?)は陸八魔アルが好きだったので、「California Gurls」を浅黄ムツキに踊らせたのは、おそらく便利屋68の二次創作の一環程度の感覚と思われる。
後年語った彼の動機によると、最初に浅黄ムツキが「California Gurls」を陸八魔アルの周りで踊っている動画の作成意図は、完全にただのノリだったようである。よって初出時は、たまたま作り立てのモデルに、たまたま当時流行ってたミームを組み合わせた結果、バタフライエフェクトが徐々に起きていくことになる(後述)。
ただし、本人曰く、Jenova Jeremyは「Tikus JGN MSK」などを内輪で共有する、インドネシアでネット規制を行う政府に当時反発していた、ギークやナードの一派に所属していたらしい。よって、「Tikus JGN MSK」の動画を投稿したのは、当然「Tikus JGN MSK」サイドの身内だったためである。また、浅黄ムツキの「California Gurls」をGB素材化させたのは、完全に「Tikus JGN MSK」サイドの仲間からフリー素材化を依頼されたからである。
なお、彼自身は本来陸八魔アルをメインにしたYouTubeチャンネルを目指していたので、浅黄ムツキでバズったのは想定外だったと後年語っている。
ニコニコ動画上で、浅黄ムツキが踊る「California Gurls」動画とは、つまり何か
この両者を合わせ、2022年11月以降外湯によって、ニコニコ動画でデカ顔の浅黄ムツキが踊っているMAD動画が大量に投稿された結果、なんか「California Gurls」=デカ顔の浅黄ムツキというイメージがニコニコ動画では定着してしまったのである。
なお、外湯はコメントを見て後からデカ顔の浅黄ムツキの元ネタを知ったので、無自覚にやったようである。
つまり、ニコニコ動画の浅黄ムツキの「California Gurls」ミームは、韓国系企業が運営し、中国系企業が販促を行うゲームに対して、かなり前に流行ったアメリカの歌を使った欧米のミームと、インドネシア人の間で流行っていた別のミームを取り入れ、日本人が悪魔合体させた結果の動画ということである。
上記ミームをニコニコ動画外ではどう受け止められているのか
実は、上記外湯の作ったMAD群は、Jenova Jeremy当人も把握している。下記解説動画の9:50~21:34が、この動画投稿者のinoe7が本人に行ったインタビューとなっている(なお、inoe7は外湯にもインタビューしたかったが、日本語が全くできないのであきらめたとのこと)。
Jenova Jeremy本人は、どう考えても繰り返すとマンネリ化で飽きられるような単調な題材を、拡張してしまった外湯のことを天才視している。ムツキング、かりふぉっふぉ、ガリレオ、悟ったムツキの4ネタについてはかなりバカウケしていた模様。
本来の「California Gurls」ミームの動画
ただし、ニコニコ動画で元のミームが流行って以降の過半数の動画は浅黄ムツキではないMMD動画だったりする。
ので、上記海外ミームと浅黄ムツキのミームの2つが、ここニコニコ動画では並走している、というのが正しい状況である。
関連静画
関連項目
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