ai sp@ce(アイスペース)とは、かつてドワンゴが行っていたオンラインコミュニケーションサービスである。
ドワンゴと言うよりもai sp@ce製作チームによると、以下のように記載していた。
「ai sp@ce(アイスペース)」とは、人気美少女コンテンツ「CLANNAD」「SHUFFLE!」「D.C.II ~ダ・カーポII~」の各世界・キャラクターを、ハイクオリティな3Dでオンライン上に再現した、まったく新しいコミュニケーションサービスです。(公式より)
概要
サービス正式開始は2008年10月15日。当初は「メタバース」としていた。ゲームクライアントを通じてプレイヤーはアバターを操作でき、NPCのキャラドルと共に、ai sp@ce上に構築された仮想世界で他のプレイヤーとのコミュニケーションを楽しむことができた。
アカウントはニコニコ動画と共通である。
サービス開始当初は参加人数の制限が行なわれ、ai sp@ceの公式サイトで入国の申し込み受付を行い、入国申し込み順で参加出来た。また、ニコニコポイント購入者は優先されて参加可能となっていた。
この参加制限は2008年11月11日に解除され、ニコニコ動画アカウントさえ持っていれば誰でもログイン可能であった。
また、仮想世界内に設置されているモニターではランダムにニコニコ動画のコンテンツが上映されていた(ただしニコニコ動画から直接引っ張って来る性質上、履歴が残る仕様となっていた為、後から見ようと思っていた動画の履歴が流れ、履歴がそれ系の動画で埋め尽くされていたと言うケースが多かった)。
「ai sp@ce」は運営限定タグのためユーザーは付加できない。そのためユーザーは「アイスペ」の使用が推奨される。また「アイスペ」タグの付いた動画が権利をクリアしていた場合、ai sp@ce内のモニタで表示される場合があった。
後述のコンセプトの様に3Dで萌え系を体現させるようなコンセプトから当初は良くも悪くも注目を集めた。しかし基本プレイ料金無料を謳いながら、8割方のアイテムがニコニコポイントにおける課金であった。更に6割方aiポンと呼ばれるガチャで回すアイテムで、注目される新商品はほぼ殆どがこのガチャを回す必要があり、仕様上ダブりも相当多く、1回500ポイントと言うボッタクリの様な価格であった事など、現在から見ても驚異的な拝金主義だった事から頗る評判が悪かった(トレードに関してはRMT回避目的と言う理由で正式サービス開始から2年後にやっと実装されたが、1日1回という制限があった上にフレンド登録1ヶ月以上と言う条件だった)。また、3Dが殆どを占める特性上、快適にプレイするには(当時としては)相当のPCスペックが要る事も敬遠される要因ともなった。
更に運営がチームやサポートの対応があまりにもおざなりだった上、何をどう血迷ったのか当初のメタバース路線から「脱がせただけ強くなる」と言う脱衣麻雀の様なコンセプトの脱衣系水鉄砲シューティングを実装し、それまで構想として存在した原作の学校校舎内などを再現すると言ったロードマップが事実上無かった事扱いされた(そもそもチャットシステムにフィルターが一切無いと言う時点である意味凄いのだが…)。
その水鉄砲ですらバランスが悪く、性能を変えることが出来るコスプレを行うには、この水鉄砲を廃プレイするか、大金を注ぎ込んで課金するかの2つの選択を強いられていた(しかも後者においては下着まで揃えないといけないキャラすらいた)。その他、ガチャ以外で購入出来るキャラがいたものの、一式2000円~5000円と異常に高額であった。そのため、末期には唯一誰でも無料で簡単に手に入れることのできたチルノのコスプレを使用するユーザーが多くを占める結果となった。
挙句オンラインの根幹部分であるサポートがあまりにも不親切で、
など、運営のほぼすべての面において中途半端な面が露呈する事となった(元々ドワンゴ≒ニワンゴの応対部署があってない様なものであり、殿様商売だからと言うのもあるのだろうが)。その結果、徐々にアクティブユーザーが減少、最終的に閑散としてしまった。
それでもガチャの類を2011年4月あたりまで出していたが、2011年5月24日のアップデートにおいて、1ヶ月後の6月30日をもってサービスを終了すると突如発表され、新規登録不可となった上、課金システム終了に伴い、ガチャは10デレで一回プレイ可能となった。いきなりの発表であった上に牧瀬紅莉栖のコスプレ投入直後だったこともあって、大金を注ぎ込んで助手を迎え入れたユーザーは怒りと悲しみに嘆きながらシャドウソルちゃんを脱がし続けたという。
2011年6月30日20時30分を持ってサービスを終了。現在、公式サイトだったhttp://aisp.jp/は、有志が作成した非公認跡地サイトとなっている。
なお余談であるが、サービス終了から11ヵ月後、当のai sp@ceやGREE、モバゲーなどで行われていたコンプガチャ商法が、消費者庁の通達(景品表示法)で禁止となった。
このことやPCスペックの問題などにより、時代を先取りしすぎたゲームであったと評し、(まともな仕様で)復活を望む元ユーザーも少なからずいる。また、モブキャラも含めて3Dモデルの出来は非常に良く、この点については高評価だった。軍服娘を脱がしたら地味かわいい下着とか狙いすぎ。
キーワード
- アバター
- プレイヤーが操作するキャラクター。性別は男女どちらでも選択可能。また、誕生日、血液型、顔、髪型、髪の色、身長を設定できる。ただし男性用の服が少なく、コスプレの共用もできないことから、女性アバターを選択する男性ユーザーも多くいた模様。アキハバラの半分は男の娘だ。
- キャラドル
- プレイヤーと行動を供にするNPC。美少女コンテンツ(『CLANNAD』、『SHUFFLE!』、『D.C.II ~ダ・カーポII~』)に登場するキャラクターをイメージしたデザインとなっている(キャラクターそのものではない)。また、後述の「aiちゅーん」で行動を制御することができた。
- aiちゅーん
- キャラドルはAI(人工知能)で行動が制御されており、最初から用意されているスクリプトである程度の受け答えができるが、プレイヤーが新たにスクリプトを組み上げることでAIを変更することが可能である。また、スクリプトはショップを通して、他のプレイヤーに配布できた。
- マイルーム
- ai sp@ce開始後にプレイヤーが移住する島(後述)を選択でき、そこにプレイヤー専用の部屋が1つ与えられる。家具を自由に配置することが出来る。部屋は有料で拡張が可能(なんらかの条件で1~2段階無料で拡張してもらえる。条件不明。プレイ日数かプレイ時間かと思われる)。他のプレイヤーが訪問できるように設定することも可能であった。
- ニコニコ動画との連携
- 仮想世界内のモニターではニコニコ動画がランダムに上映されている。またプレイ動画を録画し、ai sp@ce外からではあるがアップロードすることも可能であった。
- 世界観
- 仮想世界は、秋葉原を模した「アキハバラ島」を中心に、各作品の舞台がそれぞれ「島」として存在する。各作品の島にはそれぞれの作品に登場する学校を再現したエリアがあった。ちなみにアキハバラ島の外観は現実の秋葉原そっくりだが、これは秋葉原駅前商店街振興組合の協力を得ていたためである。逆にJRの協力は得ていなかったため、JR秋葉原駅は架空の社名と架空の制服を着た駅員で再現されていた。
- 通貨
- ai sp@ce内の通貨には2種類ある。しかし通貨的価値は圧倒的にPの方が高い
- デレ(D)
- aisp@ce内で使われる一般的な通貨
- 毎日支給される物(俗に年金、生活給付金とも)のほかにaiばいとなどのイベントに参加すると貰える
- 服(制服などガチャ以外)や修飾品などの大部分はD
- 最終的に全てのガチャが10デレで開放されることとなり、ほぼ回し放題となった。コンプガチャの恐ろしさを身
- をもって知れる良い機会でもあっただろう
- ニコポイント(NP)
- こちらはリアルマネーを使った方の通貨
- 名前の通りニコポイントがそのまま使える
- aiポンや主要な物はほぼすべてNP。しかもめっちゃくちゃ高い
- 本当に”基本だけ無料”だった。
関連動画
関連項目
外部リンク
- 10
- 0pt