brainrotとは、2020年代以降に発生したある種のインターネット・ミーム、あるいはそれらを好む若者を指す言葉である。スペース付きで"brain rot"とも。
オックスフォード大学出版局が選定する流行語大賞「Oxford Word of the Year」にて、2024年度の最優秀賞として選出された(ソース
)。その際に示された、辞書的定義は以下の通り。
The supposed deterioration of a person’s mental or intellectual state, especially viewed as the result of overconsumption of material (now particularly online content) considered to be trivial or unchallenging. Also: something characterized as likely to lead to such deterioration.
凡庸で取るに足らないオンラインコンテンツを過剰に消費することによる、精神的・知的水準の悪化。また、それにつながる可能性が高いと特徴づけられるもの。
概要
直訳すれば「脳腐れ」となる。この言葉自体は新しいものではなく、用例は19世紀の書物「ウォールデン 森の生活」にまで遡れ、その時点で一種の病気としての知能の低下という意味合いを持って使われている。ネットスラングとしても2000年代にはすでに使われていたようだが、2023年になってから急速に、ネットミーム漬けのZ世代(90~00年代生まれ)やα世代(10年代~生まれ)を批判する意味合いとしての用例が急増したという。
2020年代はインターネットコンテンツの中でも特にTikTokやYouTube Shortsなどのショート動画やSNSに代表される、短く、刺激的で、そして急速に消費されるコンテンツの発達が目覚ましい時代である。そういったプラットフォームに小学生、もしくは未就学児の時期から接して育った世代が、現実でもネットスラングを多用することによる語彙力の低下を懸念する声が上がるようになった。
Brainrotミームの特徴は、既存のミームが持つ文脈を希薄にしたうえで乱用する点にある。例えば2023年にはYouTubeで「Skibidi Toilet」が人気を博したが、この動画内で使用された楽曲内の「Skibidi」という特に意味のないスキャットが、いつのまに「最高!」的な意味を持つ新語として流行するようになった。とはいえこの例はまだ健全な方で、グンマー的な地域dis成分を含む「Only in Ohio」や、極右性向を持つanon中心に広められた「Sigma Male」など、後ろめたい背景を持つミームも取り込むのみならず「What's the Sigma!」などとナンセンスに変質させ連呼するという点が、上の世代から反感を抱かれる要因となっている。
日本人の感覚で言えば、小中学生が「イキスギィ!」とか「やりますねぇ!」といった淫夢語録を会話に混ぜ込み、元ネタが18禁かつ性的少数者向けの作品であるという背景を理解せずに連呼している光景…に近いのだろうか。
現実世界への影響として、アメリカ各地の学校でこういったスラングを禁止する張り紙が見られるようになっている。しかし一覧を見た大人からは「ちょっと何言ってるか分からない」が先に出るようである。(参考
)この他にも、2024年9月にオーストラリアの上院議員が真面目な演説の場で若者へのアピールのためにネットスラングをねじ込んだ結果、ターゲットだったアルファ世代からもbrainrotの烙印を押される結果になった。(ソース
)
brainrotとされる単語・ミームの例
基本的には前述のように元となったミームがあるのだが、brainrotに取り込まれた時点で元の意味など失われているので各個の解説は割愛する。
- skibidi
- sigma
- alpha
- rizz
- gyatt
- Ohio
- sus
- mewing
- mogging
- pmo
- sybau
- Fanum tax
- Oiiaioooooiai
- Gegagedigedagedago
- Jonkler
- Chicken Jockey
Italian Brainrot
2025年3月ごろから流行したミーム。元々brainrotミームの一つとして認識されていたが、あまりにコンテンツが広がり過ぎてほぼ独立した流行になってしまっている。
フォーマットとしては、midjourneyなどの画像生成AIを用いて奇っ怪なクリーチャーを作り、イタリア語の名前を付けてイタリア人の合成音声に解説をさせるというものである。brainrotの中でも分かりやすくぶっ飛んだシュールさに加え、AIの活用による参入障壁の低さによって対戦物など派生コンテンツが多数作られたことが流行に繋がった。
ちなみに名前に反してインドネシアなど東南アジア産の作品が多い。そして反イスラムの気が強い。
主なキャラクター
- Tralalero Tralala
- ナイキのスニーカーを履いた3本足のサメ。最初に作られ、ミームの震源地となったクリーチャー。
そのこともあって基本的に強キャラとして描写される。
なお、名前と外見は全く関係がないし、なんだったら解説自体も何の意味もない卑猥な文章である。
そのためほとんどの設定は後付けである。 - Bombardiro Crocodilo
- 身体が爆撃機になっているワニ。趣味はパレスチナとガザ地区を爆撃すること。
Tralalaのライバルとして描かれることが多く、実力はほぼ拮抗している。一方でSahurには負けることが多く、接近戦は苦手らしい。 - Tung Tung Tung Tung Tung Tung Tung Tung Tung Tung Sahur
- バットを持つ手足と機関車トーマスみたいな顔がくっついた丸太みたいな、名状しがたい奴。
サフール(断食前の食事)の時間になると家に来て、3回以内に応じなければ撲殺される(こいつの名前を3回呼ばないと殺しに来る、と誤解されることも多い)。 - 後に巨人に変身出来たり瞬間移動が出来たりと最強クラスの存在として設定されるようになった。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ゲイリーにありがとうと言って
- It's Media
- IndiHome Paket Phoenix
- 音割れホラーマン
- Oiiaioooooiai
- カエルのペペ
- Kitchen Gun
- Sad Cat Dance
- There's A Monkey In My Bathroom
- 死神が並んだドアをノックしていく画像
- シュレックは愛、シュレックは人生
- senpai(海外ミーム)
- Social Credit
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