RBライプツィヒ(RB Leipzig、正式名称: RasenBallsport Leipzig e.V.)とは、ドイツ・ブンデスリーガに所属するサッカークラブである。
本拠地はザクセン州・ライプツィヒ。ホームスタジアムはレッドブル・アレーナ。クラブの所有者はレッドブル社。
概要
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2009年に当時5部のSSVマルクランシュタットのライセンスをオーストリアの飲料メーカであるレッドブル社(Red Bull GmbH)が買収し、新たに発足したクラブである。ラーゼンボールシュポルト・ライプツィヒ社(RasenBallsport Leipzig GmbH)によって運営されており、レッドブル社の資金力をバックに近年急成長を遂げているクラブである。当時レッドブルはザルツブルク、ニューヨーク及びカンピーナスにおいてもサッカークラブを運営しており、レッドブルのサポートするサッカークラブとしては4チーム目に当たる。
ドイツでは規定によってクラブ名にスポンサー名を付けることは禁止されており、Red Bullと頭文字が同じとなる造語のRasenBallsport(直訳すれば「芝生球技」)をクラブ名とすることにより、普段使用される略称「RBライプツィヒ」においてはレッドブルの略称「RB」を事実上クラブ名に示しつつ、規則抵触を回避している。また、レッドブルはクラブのオーナーではなく保有権を一部持つスポンサーの形を取っている。 クラブ創設から10年以内に1部にあたるブンデスリーガへの参戦を目指し、8年で達成。選手の健康管理と若手育成のために約42億円をかけてトレーニングセンターを新設し、2012年には「教授」の異名を持つラルフ・ラングニックをスポーツ・ディレクターに招聘。「ボール奪取から8秒以内にシュートに持ち込まなければならない」という「8秒ルール」や「タレントに投資してさらに高く売る」という移籍戦略、「エクストリーム・プレッシング」と呼ばれるプレッシング戦術などラングニックの哲学をクラブの文化として徹底させる一貫した強化戦略を敢行。これによってブンデスリーガに昇格してすぐにドイツ屈指の強豪の一角にまでのし上がり、2020年にはUEFAチャンピオンズリーグベスト4など成果を収めている。
一方、伝統を重んじるドイツでは企業色を前面に出し、伝統を踏みにじってでも成り上がろうとするレッドブルのやり方に反発する声は大きく、他クラブのサポーターから嫌悪感を示されることが多い。ブンデスリーガ昇格以降はドイツ国内でもっともアンチが多いクラブとなっている。
同じくレッドブルが買収したオーストリアのFCレッドブル・ザルツブルクとはお互いの選手の移籍など提携を結んでいるのに近い状態にあり、2019年から過去7年間で18名の選手をザルツブルクから獲得している。また、両クラブが同時に欧州の大会に参加した場合、両クラブ間の利益相反の問題が浮上したが、UEFAは両クラブのCL出場は規約に抵触しないとして出場を認めている。
歴史
2006年ごろからドイツ国内で提携するクラブを探していたレッドブル社が当時5部リーグに在籍していたSSVマルクランシュテットと提携。そして、2009年5月9日にレッドブル社によってクラブの買収が成立し、 RasenBallsport Leipzig e.V.が新たに設立。こうして、オーストリアのFCレッドブル・ザルツブルク、アメリカのニューヨーク・レッドブルズ、ブラジルのレッドブル・ブラジル、ガーナのレッドブル・ガーナに続き、レッドブルのスポーツポートフォリオにおける5番目のサッカーチームとなった。
2009年7月10日、SVバンネヴィッツとの親善試合で最初の試合を行う。最初のシーズンである2009-10シーズンには5部にあたるNOFVオーバーリーガで第25節の時点でリーグ優勝を確定させ、レギオナルリーガに昇格。
2012年7月にラルフ・ラングニックがスポーツ・ディレクターに就任。監督にはラングニックの門下生ともいえるアレクサンダー・ツォルニガーが就任。この頃から後に「レッドブル・スタイル」とも呼ばれる「エクストリーム・プレッシング」と名付けられたラングニック式の戦術が浸透していき、2012-13シーズンは4部にあたるレギオナルリーガで優勝。2013-14シーズンにはブンデスリーガ3部で2位に入り2年連続で昇格を果たす。3部リーグ導入以来、わずか1シーズンで2部リーグへの昇格を果たした初のチームとなった。ラングニックが自ら監督に就任した2015-16シーズンにはマルセル・ザビッツァー、エミル・フォルスベリ、ユスフ・ポウルセン、ヴィリ・オルバンが主力として台頭し、ブンデスリーガ2部で2位となり、クラブ創設からわずか8年目でのブンデスリーガ1部昇格を果たす。
ブンデスリーガ昇格1年目の2016-17シーズン、ラングニックはSDの職務に専念し、ラルフ・ハーゼンヒュットルが監督に就任。第2節で強豪ボルシア・ドルトムントを1-0で破り、開幕13試合無敗など、1年目ながらリーグ前半はバイエルン・ミュンヘンに続いて2位に入り、1年目とは思えない成績を残す。2部リーグを戦った若い選手をベースに2列目の2人をより中央に寄せて配置した4-2-2-2フォーメーションを使用。加えて新加入のティモ・ヴェルナーがゴールを量産したことで1部でも屈指の攻撃力を有するチームとなっていた。最終的にはリーグ2位でフィニッシュ。クラブ史上初のCL出場権を得る。レッドブル・ザルツブルクとライプツィヒの親会社が同じであるため、CLの出場が危ぶまれたが出場が可能となった。初のCLではグループステージ3位となってUEFAヨーロッパリーグへと回り、ベスト8まで進出する。
2019-20シーズンからユリアン・ナーゲルスマンが監督に就任。ナーゲルスマンはTSG1899ホッフェンハイム時代に採用していた3-1-4-2と従来の4-2-2-2を併用し、柔軟かつよりシステマチックなサッカーを披露。ブンデスリーガでは前半戦を首位で折り返すなど躍進し、最終的に3位で終える。また、CLではグループステージを首位で終え、クラブ史上初の決勝ラウンド進出を果たす。さらに、ラウンド16ではトッテナム・ホットスパーを合計4-0で圧勝、準々決勝でもアトレティコ・マドリードを破り、ベスト4に進出。準決勝でパリ・サンジェルマンに敗れたものの、クラブの歴史にとって大きな意味を持つシーズンとなった。2020-21シーズンもブンデスリーガでは優勝争いを演じ、CLでも2年連続で決勝ラウンドまで進出している。
2020年夏にラングニックがレッドブル・グループから離れ、2021年夏にはナーゲルスマン監督がバイエルン・ミュンヘンに移籍。クラブは転換期を迎えるが、2021年12月に途中就任したドメニコ・テデスコが低迷していた成績を挽回してCL出場権の獲得に成功。DFBポカール決勝ではSCフライブルクとのPK戦で4-2で勝利し、クラブ史上初の主要タイトルを獲得。
2022-23シーズンには開幕ダッシュに失敗したことでテデスコ監督が解任されるが、後任のマルコ・ローゼ監督のもとリーグ3位に引き上げ、決勝でアイントラハト・フランクフルトに2-0で勝利し、2年連続でDFBポカールのタイトルを獲得。2023年8月13日にはバイエルン・ミュンヘンを3-0で破り、初のDFLスーパーカップを優勝を果たす。
タイトル
現在所属する選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | マルコ・ローゼ | 1976.9.11 | 2022 | ドルトムント | |
1 | GK | グラーチ・ペーテル | 1990.5.6 | 2015 | ザルツブルク | |
3 | DF | ルチャレル・ヘルトライダ | 2000.7.18 | 2024 | フェイエノールト | |
4 | DK | ヴィリ・オルバン(C) | 1992.11.3 | 2015 | カイザースラウテルン | |
6 | MF | エリフ・エルマス | 1999.9.24 | 2024 | SSCナポリ | |
7 | MF | アントニオ・ヌサ | 2005.2.24 | 2024 | クラブ・ブルージュ | |
8 | MF | アマドゥ・ハイダラ | 1998.1.31 | 2019 | ザルツブルク | |
9 | FW | ユスフ・ポウルセン | 1994.6.15 | 2013 | リンビーBK | |
10 | MF | シャビ・シモンズ | 2003.4.21 | 2023 | パリ・サンジェルマン | |
11 | FW | ロイス・オペンダ | 2000.2.16 | 2023 | RCランス | |
13 | MF | ニコラス・ザイヴァルト | 2001.5.4 | 2023 | ザルツブルク | |
14 | MF | クリストフ・バウムガルトナー | 1999.8.1 | 2023 | ホッフェンハイム | |
16 | DF | ルーカス・クロスターマン | 1996.6.3 | 2014 | ボーフム | |
18 | MF | アルトゥール・フェルメーレン | 2005.2.7 | 2024 | アトレティコ・マドリード | |
19 | FW | アンドレ・シウバ | 1995.11.6 | 2021 | レアル・ソシエダ | |
20 | MF | アサン・ウエドラオゴ | 2006.5.9 | 2024 | シャルケ | |
22 | DF | ダヴィド・ラウム | 1998.4.22 | 2022 | ホッフェンハイム | |
23 | DF | カステロ・ルケバ | 2002.12.17 | 2023 | リヨン | |
24 | MF | ザヴェル・シュラーガー | 1997.9.28 | 2022 | VfLヴォルフスブルク | |
25 | GK | レオポルド・ツィンゲルレ | 1994.4.10 | 2023 | パーダーボルン | |
26 | GK | マーティン・ファンデフート | 2002.2.26 | 2019 | ヘンク | |
30 | FW | ベンヤミン・シェシュコ | 2003.5.31 | 2023 | ザルツブルク | |
39 | DF | ベンヤミン・ヘンリヒス | 1997.2.23 | 2020 | ASモナコ | |
44 | FW | ケヴィン・カンプル | 1990.9.19 | 2017 | レヴァークーゼン |
過去に所属したおもな選手
- インゴ・ヘルチュ(2009-2011)
- ダニエル・フラーン(2010-2015)
- ティム・セバスチャン(2010-2016)
- ファビオ・コルトルティ(2012-2018)
- ドミニク・カイザー(2012-2018)
- ヨシュア・キミッヒ(2013-2015)
- アンテ・レビッチ(2014-2015)
- マーヴィン・コンパー(2014-2017)
- ラニ・ケディラ(2014-2017)
- ディエゴ・デンメ(2014-2020)
- マルセル・ザビッツァー(2014-2021)
- ダヴィー・ゼルケ(2015-2017)
- シュテファン・イルザンカー(2015-2020)
- マルツェル・ハルステンベルク(2015-2023)
- エミル・フォルスベリ(2015-2023)
- ナビ・ケイタ(2016-2018)
- コンラート・ライマー(2017-2023)
- クリストファー・エンクンク(2019-2023)
歴代監督
- ティノ・フォーゲル(2009.7-2010.6)
- トーマス・オラル(2010.7-2011.6)
- ペーター・パクルト(2011.7-2012.6)
- アレクサンダー・ツォルニガー(2012.7-2015.2)
- アヒム・バイアーロルツァー(2015.2-2015.6)
- ラルフ・ラングニック(2015.7-2016.6)
- ラルフ・ハーゼンヒュットル(2016.7-2018.5)
- ラルフ・ラングニック (2018.7-2019.6)
- ユリアン・ナーゲルスマン(2019.7-2021.6)
- ジェシー・マーシュ(2021.7-2021.12)
- アヒム・バイアーロルツァー(2021.12)※暫定
- ドメニコ・テデスコ(2021.12-2022.9)
- マルコ・ローゼ(2022.9- )
関連動画
関連項目
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- アイントラハト・フランクフルト
- 1.FCケルン
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- バイエルン・ミュンヘン
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- ボルシア・ドルトムント
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- ヴェルダー・ブレーメン
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