アストレイノワールとは (アストレイノワールとは) [単語記事]

アストレイノワールとは、小説『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY B』に登場するMSである。

概要

AST RAY NOIR アストレイノワール
型番	MBF-P0X
全高	17.53m
重量	90.51t
搭乗者	ダンテ・ゴルディジャーニ
装甲	発泡金属装甲
武器	75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 M8F-SB93 ソードピストル×2 EQS1358 アンカーランチャー×6 MR-Q10 フラガラッハ3ビームブレイド×2 MAU-M3E4 2連装リニアガン×2

エース用カスタム機開発計画「アクタイオンプロジェクト」の一環として、かつてコロニー・ヘリオポリスで作られた「プロトアストレイ」を再製造した機体。
ただしそれは建前上の事。実際はダンテ・ゴルディジャーニがある目的からサーペントテール叢雲劾との“私闘”のために用意させた機体であった。

プロトアストレイシリーズは本来なら製造計画に組み込まれていない。そうした意味で本機も異端、つまり名に違わず“道を外れた者（アストレイ）”とでも言えよう。

プロトアストレイ5機と比較すると性能・形状共に大きく異なる。アストレイ系の頭部ブレード・センサーは4本に増設、機体色は全体を黒、マニピュレーター部分のみ赤にペイントされた。
機体色はダンテのファッションを機体に反映したと考えられる（実際ダンテは黒のスーツに赤の手袋である）。

さらに背部モジュールはストライクE用の新装備「ノワールストライカー」を新たに装備しており、機動力や火力も大幅に向上している。ノワールストライカーはI.W.S.Pを発展させた次世代統合兵装パックで、既に火力・機動力はモビルスーツ最初期に開発された技術検証機であるプロトアストレイの比ではない。
またこの機体は、両腰部に「ソードピストル」と呼ばれる抜き身の銃剣を2本装備している。この銃剣は実体剣の日本刀とビームライフルの複合兵装で、通常銃剣は銃口と切っ先を相手に向けるのに対し、銃と剣が十字架のようにクロスするという特異な形状を持つ。
ただしこれはさらに扱い辛くさせる事に他ならない（ダンテは使いこなせている）。

刀身は左程良質ではなく（いわくナマクラ）、内1本はエルザのグフクラッシャーとの模擬戦で折れてしまう。ダンテは完全な形でのソードピストルを求め、紆余曲折経て『ライブラリアン』の蘊・奥に刀鍛冶を依頼する。この際組織のプレア・レヴェリーから鍛冶に条件が付けられリリー・ザヴァリーを一人預かる事になった。
ライブラリアンの技術で作られた新たなソードピストルは高い完成度を誇り、完成度から名刀「菊一文字（ガーベラストレート）」と「虎徹（タイガーピアス）」の名が刻まれた。

アストレイノワールD

型式番号：MBF-P0XD　パイロットはエルザ・ヴァイス。
ブルーフレームDとの一騎打ち後、残されたアストレイノワールを『一族』が回収し、改装を加えた機体。新たに「デスティニーRシルエット」を装着している。機体名のDはデスティニーを指す。

デスティニーRシルエットは同時展開していた『DESTINY AST RAY R』に登場する新シルエットである。
シルエットに関しては「デスティニーインパルスガンダムR」を参照。

肩部パーソナルマークにエルザを示すEが新たに加えられ、各部の新調によって機動力は向上している。ビームピストルはそのままだが背部モジュール・パイロットの違いから戦術は大きく変わった。ノワールストライカーは外されているが、機体色は由来となった黒（つまりノワール）のままであるため名称は変更していない。

回収したアストレイにはダンテは乗っておらず行方不明になっていた。『一族』の情報によると劾は生存しており、この機体が無傷で残されていたという。ここから考えられる事はダンテの敗北であったが…？

真相（ネタバレ反転）

劾との戦闘の際にダンテはノワールストライカーをパージし、戦闘の末敗北した。
ダンテの目的は戦闘用コーディネイターとして生まれ、力の使い方を知らずダンテの指示ありきの生活を送っていたエルザを自立させる事である。ダンテとエルザは親と子ほどに年が離れすぎていたため、ダンテは必ずエルザを一人残す形で早く死ぬだろうと思っていた。
勝負の結果、ダンテ自身がどうなろうと、彼女が自分に目を向ける最良の選択を用意する手筈であった（劾へ託す形となるが、これもひとえにダンテが劾を高くかっていると分かる描写である）。