エクセレブレーション(Excelebration)とは、フランケル被害者の会会長2008年生まれのアイルランド生産・イギリス→アイルランド調教の競走馬である。
ヨーロッパでも指折りの名マイラーなのだが、とある怪物と同期になった故に脇役に追いやられた産まれる時代を間違えた競走馬。
父Exceed and Excel、母Sun Shower、母の父Indian Ridgeという血統。父はオーストラリアで短距離G1・2勝を含む6勝を挙げてイギリスで種牡馬入りし、母の父はGI未勝利ながらも種牡馬として数々の活躍馬を輩出した。曾祖母Sarah Siddonsは1976年のアイリッシュ1000ギニーとヨークシャーオークスを勝利した活躍馬である。
5月18日のノッティンガム競馬場の未勝利戦でデビューして4着に敗れるも、6月4日のドンカスター競馬場の未勝利戦で初勝利を挙げる。さらに7月23日のニューマーケット競馬場の条件戦も勝利して連勝。2歳時はこの3戦のみで終えることとなった
4月16日の2000ギニーステークスの前哨戦グリーナムステークス(G3)で始動することとなった。だが、そこに奴はいた。6頭中5番人気の低評価だったが残り3ハロンからスパートを開始し、残り2ハロンでもたついていた前の馬に並びかけた。が、立て直した前の馬に一気に突き放され4馬身差の2着。前年の2歳王者Frankelの前に成すすべなく完敗した。
一応3着馬には6馬身差をつける5番人気の低評価とは思えない走りをしているのだが、それでもFrankelには全く及ばないのも事実であった。陣営は2000ギニーステークスへの出走を諦めて、ドイツのメールミュルヘンスレネンへの出走を決めた。
メールミュルヘンスレネン(G2)では1番人気に支持された。中団後方に付け4コーナーを回りながら進出を開始。直線の真ん中を堂々と突き抜け、残り200mで先頭に立つとあっという間に後続を突き放して、2着に7馬身差の圧勝を果たした。
その後はイギリスに戻ってセントジェームズパレスステークス(G1)に出走。2000ギニーステークスを6馬身差で圧勝したFrankelが圧倒的な1番人気に推され、本馬は2番人気に推された。発馬で出遅れてしまい馬群の中団に付けることとなったが、レース中盤に突如としてFrankelが飛ばして大逃げしている自分の陣営が用意したペースメーカーを捉えに行く暴走狂気のロングスパートを始める。こうなってはさすがのFrankelも体力を消耗して失速し、徐々に本馬らが追いつくも捉え切れずにFrankelは押し切り勝ち。本馬はZoffanyに差されて3着に敗れた。
一間隔明けて8月のハンガーフォードステークス(G2)に1番人気で出走。既に先頭に立っていた残り1ハロン地点で右に寄れてしまい後続に追いつかれかけるも、体勢を立て直すと瞬く間に引き離して6馬身差をつけて圧勝した。このレースの後、クールモアグループに所有権の一部がトレードされた。
続いてフランスに渡ってムーラン・ド・ロンシャン賞(G1)に出走すると今までの走りが評価されてG1未勝利ながらも1番人気に推される。レースでは3番手を進み、残り400m地点から進出を開始し、粘る逃げ馬を1馬身半差の2着に抑えてG1初制覇を果たした。
その後はクイーンエリザベス2世ステークス(G1)に出走。サセックスステークスで古馬を相手に完封した無敗の怪物Frankelが断然の1番人気で、本馬が2番人気、ジャック・ル・マロワ賞など3連勝中のImmortal Verseが3番人気となった。レースは好位で運ぶFrankelをマークしながら進み、中盤から仕掛けるもFrankelには追いつけず、3着Immortal Verseには3馬身半差を付けるもFrankelには4馬身半差を付けられる完敗だった。
この年は6戦3勝で、FrankelとZoffany以外には後れを取ることがなかった。
エイダン・オブライエン厩舎に移った4歳シーズンはグラッドネスステークス(G3)で始動。圧倒的な1番人気に応えて2着に3馬身1/4差を付ける完勝を収めた。
続いてロッキンジステークス(G1)に出走。ここが始動戦の無敵の怪物Frankelが圧倒的1番人気で、本馬は2番に支持された。2番手で進めるFrankelを見るように3番手に付けるが、残り2ハロン地点で先頭に立つと徐々に差を広げられ5馬身差の2着。本馬も3着に4馬身差を付けているのだが、同期の怪物には到底及ばなかった。
そしてクイーンアンステークス(G1)に出走。Frankelが単勝1.1倍の1番人気で、本馬が2番人気と前走と同様の人気順であった。レースでは2番手をFrankelと並んで進み、残り200m地点でFrankelが先頭に立つと本馬も加速して2頭で叩き合いが始まった。が、それは一瞬でFrankelはドンドン差を広げながら加速していく。本馬は後続に抜かれないように粘るのが精一杯で、最終的に11馬身差というマイルG1とは思えない着差で大圧勝したFrankelの2着に敗れた。これで対Frankel戦では5連敗。陣営もFrankelには勝てないと悟ったのか、これが最後の対決となった。
その後Frankelがサセックスステークス連覇に向けて駒を進め、本馬はフランスのジャック・ル・マロワ賞(G1)に出走することとなった。が、みんな考えることは同じだったようで、モーリス・ド・ゲスト賞を連覇したMoonlight Cloud、セントジェームズパレスステークスの勝ち馬Most Improved、仏牝馬二冠馬Golden LilacなどFrankelから逃げたマイルの強豪馬が集結、約90年間の歴史を誇るジャック・ル・マロワ賞史上最高と言っても過言ではないほどの顔ぶれとなった。そんな強豪揃いのメンバーのなかで1番人気に支持されたのはFrankelに喰らい続けた本馬であった。レースは先行して競馬を進め、残り200m付近で抜け出して2着に1馬身1/4差を付けて勝利。強豪相手にG1・2勝目をもぎ取った。
その後はクイーンエリザベス2世ステークス(G1)に出走。Frankelが中距離路線を歩んだこともあり、圧倒的な1番人気に推された。馬群の真ん中4番手につけて残り200mで仕掛けようとするも前が壁となり、抜け出すことが困難な状況だった。しかし、鞍上のジョセフ・オブライエン騎手は冷静に状況を把握し、馬群の隙間を見つけるとそこに突っ込み、残り1ハロンで仕掛けると重馬場とは思えない末脚で他馬を置き去りにし、2着に3馬身差をつけて勝利した。余談ではあるがFrankelは重馬場ではパフォーマンスを落とす傾向にあり、対して本馬は重馬場で4戦全勝と得意としており、Frankelがチャンピオンステークスではなくこちらに出走していたら面白い勝負となったかもしれない。それでもFrankelが勝ちそうだが。
その後ブリーダーズカップ・マイル(GI)に出走するも、アメリカ特有の急なコーナーを回るのに苦労し、今度はGI・3勝を挙げていたアメリカの現役最強芝マイラーWise Danらに敗れ4着。このレースを最後に現役生活を終えた。通算成績15戦8勝、G1・3勝。
現役引退後はクールモアスタッドで種牡馬入りした。初年度産駒から2017年のセントジェームズパレスステークスを優勝したBarney Royが誕生し、Frankelに先んじて後継種牡馬を輩出した。が、受胎率に問題があり種牡馬引退。現役復帰後にバーデン大賞などG1・3勝したのはせめてもの救いだろう。
Barney Royの他に重賞馬を散発的に送り出しているがG1馬は出せておらず、種牡馬として数々な活躍馬を送り出しているFrankelとは圧倒的に差を付けられているのが現状で、2019年にはモロッコに輸出されている。自身の能力を受け継いだ産駒を出し、復権を果たせるかに注目したいところである。
| Exceed And Excel 2000 鹿毛 |
*デインヒル 1986 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
| Pas de Nom | |||
| Razyana | His Majesty | ||
| Spring Adieu | |||
| Patrona 1994 栗毛 |
Lomond | Northern Dancer | |
| My Charmer | |||
| Gladiolus | Watch Your Step | ||
| Back Britches | |||
| Sun Shower 2001 青鹿毛 FNo.9 |
Indian Ridge 1985 栗毛 |
Ahonoora | Lorenzaccio |
| Helen Nichols | |||
| Hillbrow | Swing Easy | ||
| Golden City | |||
| Miss Kemble 1994 鹿毛 |
*ウォーニング | Known Fact | |
| Slightly Dangerous | |||
| Sarah Siddons | Le Levanstell | ||
| Mariel | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Northern Dancer 4×4(12.50%)、Natalma 5×5×5(9.38%)
掲示板
4 ななしのよっしん
2022/08/20(土) 15:52:02 ID: BeAaj5G0Ho
実際のところバーイードは中距離馬と呼ぶにふさわしい存在だった可能性が出てきたが……いちおう暫定レーティングのマイル部門ではエクセレブレーションの方が格上にはなるっぽいな、年度末の見直しによって並ばれるくらいまでは行くかもしれんが
5 ななしのよっしん
2023/01/18(水) 21:07:21 ID: EQ4zmG95lP
ときたまコイツさえいなけりゃ最強なのに!とか実は強かったのでは?とか言いたくなる馬はいるが
エクセレブレーションはその中でも最強クラスかもしれないな
6 ななしのよっしん
2023/01/21(土) 12:11:51 ID: BeAaj5G0Ho
最終的にバーイードのクイーンアン勝利(暫定128)に対する評価が2ポンド分底上げされて確定したから、ちょうどエクセレブレーションとバーイードが「マイラーとしては同等」という扱いになったなー
公式ハンデキャッパーがこういった序列をどこまで意識して決定したのかは分からないけど、ゴルディコヴァ=エクセレブレーション=ジャスタウェイ=マイルのバーイード=マイルのフライトライン=130って並びはなかなかいい塩梅ではないかと思う
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最終更新:2025/12/06(土) 02:00
最終更新:2025/12/06(土) 01:00
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