スポルティングCPことスポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル(Sporting Clube de Portugal)とは、ポルトガル・プリメイラ・リーガに所属するポルトガルのサッカークラブである。
なお、長らく日本も含めた国外ではスポルティング・リスボンというチーム名で知られていたが、クラブ側はこの名称は単なる誤解であり、正したいという方針を述べている。
本拠地はリスボン。本拠地はエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ。
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1906年に創設。SLベンフィカ、FCポルトと共にトレス・グランデスと呼ばれるポルトガル3強と呼ばれる名門クラブである。これまでプリメイラ・リーガを19回、タッサ・デ・ポルトガルを17回、タッサ・ダ・リーガを4回制している。
とはいえ、ポルトガル3強の中では実績で劣ることは否めず、UEFAチャンピオンズリーグを2度制した実績のあるベンフィカとポルトに対し、スポルティングが獲得した国際タイトルは1964年のUEFAカップウィナーズカップ優勝のみである。また、リーグ優勝の半分は1940年代から1950年代の黄金期に成し遂げたもので、21世紀に入ってからは2度しか優勝していない。人気やチームとしてのブランド力でもベンフィカ、ポルトを下回っている。
一方、世界的な育成の名門として有名であり、ユースアカデミーからはルイス・フィーゴ、クリスティアーノ・ロナウドというポルトガル人のバロンドーラーを2人輩出した実績があり、他にもパウロ・フットレ、シモン・サブローサ、リカルド・クアレスマ、ナニ、ウィリアム・カルヴァーリョといった名選手がアカデミーから巣立っている。もっとも彼らのほとんどが長くクラブに在籍することなく、他チームへ移籍し、そこで大きな成功を収めている。
最大のライバルは同じリスボンを本拠地とするベンフィカであり、この2チームの対戦はオ・デルビー・デ・リスボア(リスボン・ダービー)と言われ、クラシコと見なされている。またポルトガルの3強の一角を占めるFCポルトともライバル関係にある。
日本人選手では2014年から2016年まで田中順也が在籍していた。2022年より守田英正が所属している。
1902年に上流階級の人々によってスポート・クラブ・デ・ベーラス (Sport Club de Belas) が創設。このクラブは1試合をおこなった後に休眠状態となるが、リスボンに帰ったメンバー達は1904年にカンポ・グランデ地区でカンポ・グランデ・フットボール・クラブ (Campo Grande Football Club) を改めて創設。しかし、1906年にクラブで内部分裂が起き、その際の脱退者らが創設したクラブがスポルティングCPである。上流階級によって作られたクラブだけあって、創設初期にはテニスや乗馬の他に、社交パーティやピクニックなども行われていた。
1934年にプリメイラ・リーガが創設されると、1940-41シーズンに初優勝を達成。またこのシーズンにタッサ・デ・ポルトガルでも初優勝を果たし、国内二冠を達成している。その後、1940年代から1950年代にかけてクラブは黄金期を迎えることになる。この頃チームのエースだったのが6度の得点王を獲得し、187試合331得点という脅威の得点率を記録したフェルナンド・ペイロテオだった。このペイロテオを中心に構成された攻撃陣は、「5人のヴァイオリン弾き」と称され、この20年間で10回の優勝を果たしている。
1963-64シーズンにはUEFAカップウィナーズカップ決勝まで進出し、再試合までもつれ込んだMTKブタペストとの激闘を制し、クラブ史上初の国際タイトルを獲得。現在に至るまで、このときのタイトルがクラブにとっての唯一の欧州でのタイトルとなっている。
1960年代以降も何度かリーグ優勝を経験してはいるものの、エウゼビオの時代に多くの栄光を獲得したっベンフィカや1980年代以降力を付けてきたFCポルトの勢いに押されるようになり、「ポルトガル第3のクラブ」の座に甘んじるようになっていく。
1981-82シーズンにリーグ優勝を果たして以降は、長らくタイトルから遠ざかるようになり、ルイス・フィーゴが登場するようになった1994-95シーズンにタッサ・デ・ポルトガルを優勝するまでの13年間無冠の時代が続いていた。フィーゴやパウロ・ソウザ、クラシミール・バラコフといった主力は国外へと引き抜かれてしまうが、1999-2000シーズンにはFCポルトの6連覇を阻止し、18年ぶりのプリメイラ・リーガ優勝を果たしている。2001-02シーズンは、ジャルデウ、ジョアン・ピントを擁した強力な攻撃陣を形成し、プリメイラ・リーガとタッサ・デ・ポルトガルの国内二冠を達成。特にジャルデウはリーグ戦42ゴールという驚異的な得点力を発揮している。
2002-03シーズンには、当時18歳だったクリスティアーノ・ロナウドがデビューしているが、シーズン終了後にはマンチェスター・ユナイテッドに移籍している。2004-05シーズンには、リエジソンの活躍によってUEFAカップ決勝に進出。決勝の会場がホームスタジアムのエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデだったこともあり久々の欧州でのタイトルに期待が高まったが、CSKAモスクワに敗れ準優勝に終わっている。その後もリエジソンが二度の得点王に輝く活躍を見せるが、2006年と2007年のタッサ・デ・ポルトガルに連覇したのみとなった。
2009年から2014年までの5年間は無冠の時代が続き、2012-13シーズンに至っては7位に低迷してしまう。2017-18シーズンは新加入のブルーノ・フェルナンデスが活躍するも3位に終わる。すると、UEFAヨーロッパリーグ準々決勝・アトレティコ・マドリード戦での敗戦によりブルーノ・デ・カルバリョ会長がFacebook上で個々の選手を批判する内容の投稿。これに選手が反論し、選手とフロントの対立が一時問題になる。さらにその1か月後にはチームがCL出場権を逃したことに激怒したフーリガン50人が練習場を襲撃し、選手・スタッフが負傷するという最悪の事件が起きてしまう。この二つの事件の影響によりチーム生え抜きの主力であったルイ・パトリシオやウィリアム・カルヴァーリョが移籍してしまうという事態に発展する。
2019-20シーズンは国内カップ戦二冠を達成。2020年には有望な若手監督と評されていたルベン・アモリムを高額な違約金を支払ってSCブラガから獲得。2020-21シーズンはペドロ・ゴンサウヴェスが得点王に輝く活躍を見せたこともあり、19年ぶり19回目のリーグ優勝を果たす。2021-22シーズンは前年と同じ勝ち点85ポイントを獲得しながらもリーグ2位に甘んじたが、タッサ・ダ・リーガを2連覇。2023-24シーズンはペドロ・ゴンサウヴェス、守田英正、モルテン・ヒュルマンドと戦術理解力の高い選手が中盤に揃ったことでアモリム監督の戦術はさらに完成度を増し、新加入のヴィクトル・ギェケレシュが新たな得点源としてゴールを量産。開幕10試合を9勝1分というスタートを切り、1度も連敗なしの安定した戦いぶりを続け、3シーズンぶり20回目の優勝を果たす。
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | ルベン・アモリム | 1985.2.27 | 2020 | ブラガ | |
1 | GK | アントニオ・アダン | 1987.5.13 | 2020 | アトレティコ・マドリード | |
2 | DF | マテウス・レイス | 1995.2.18 | 2021 | リオ・アヴェ | |
3 | DF | ジェリー・シン・ジュステ | 1996.10.19 | 2022 | マインツ | |
4 | DF | セバスティアン・コアテス(C) | 1990.10.7 | 2016 | サンダーランド | |
5 | MF | 守田英正 | 1995.5.10 | 2022 | サンタ・クララ | |
8 | MF | ペドロ・ゴンサウヴェス | 1998.6.28 | 2020 | ファマリカン | |
9 | FW | ヴィクトル・ギェケレシュ | 1998.6.4 | 2023 | コヴェントリー | |
10 | FW | マーカス・エドワース | 1998.12.2 | 2022 | ギマラインス | |
11 | FW | ヌーノ・サントス | 1995.2.13 | 2020 | リオ・アヴェ | |
12 | GK | フランコ・イスラエル | 2000.4.22 | 2022 | U-22ユヴェントス | |
13 | DF | ルイス・ネト | 1988.5.26 | 2018 | ゼニト | |
17 | FW | フランシスコ・トリンコン | 1999.12.29 | 2022 | ウォルバーハンプトン | |
20 | FW | パウリーニョ | 1992.11.9 | 2021 | ブラガ | |
21 | FW | ジェニー・カタモ | 2001.1.26 | 2021 | マルティモ | |
22 | DF | イバン・フレスネダ | 2004.9.28 | 2023 | バリャドリード | |
23 | MF | ダニエウ・ブラカンサ | 1999.3.27 | 2018 | エストリル | |
25 | DF | ゴンサロ・イナシオ | 2001.8.25 | 2020 | スポルティングユース | |
26 | DF | ウスマン・ディオマンド | 2003.12.4 | 2023 | マフラ | |
42 | DF | モルテン・ヒュルマンド | 1999.6.25 | 2023 | レッチェ | |
45 | DF | ラファエル・ポンテロ | 2003.1.22 | 2024 | レイションイス | |
47 | MF | リカルド・エスガイオ | 1993.5.16 | 2021 | ブラガ | |
72 | FW | エドゥアルド・クアレスマ | 2002.3.2 | 2023 | ホッフェンハイム | |
80 | DF | コバ・コインドレディ | 2001.10.27 | 2024 | エストリル |
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最終更新:2024/06/03(月) 21:00
最終更新:2024/06/03(月) 21:00
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