ブラザー・ベア(原題:Brother Bear)とは、2004年3月13日(本国アメリカでは2003年10月20日、ニューアムステルダム劇場)に公開されたディズニーの長編アニメーション映画である。
配給はブエナ・ビスタ・ピクチャーズ。作中の歌は同社の映画『ターザン』の主題歌を歌いあげたフィル・コリンズや、「ロックンロールの女王」ことティナ・ターナーが手掛けている。
受賞は逃した[1]ものの、2003年のアカデミー賞・長編アニメ映画賞や、アニー賞・長編作品賞にノミネートされた。
所謂ディズニー暗黒期に該当する2000年代初頭に製作・公開されたためか、知名度が著しく低い。また、他ディズニー作品に比べてストーリーが重く、ヴィランらしいヴィランもいないという稀有な内容となっている。しかし、セル画時代のディズニーらしい雄大で美しい自然の描写、壮大で胸を打つ音楽、軽快なキャラクター同士のやり取りなどは他の名作に並んでも見劣りしないクオリティである。
それはまだ、人と動物とが共存していた時代、自然を司る精霊グレイト・スピリットの力が信じられていた時代の話。
狩猟民族イヌイットの三兄弟、シトゥカ・デナヒ・キナイは、末っ子であるキナイの成人の日を迎えていた。キナイは村のシャーマン・タナナから人生の道標となるトーテムを授かるものの、「愛」を象徴するクマだったことが気に食わない。デナヒに揶揄われたこともあり、ムキになったキナイは立派な大人の男になったことを示そうと魚を盗んだクマを追いかけていく。しかし見つけたクマに逆に追い詰められてしまったキナイ。彼を救うために犠牲となったのは、兄シトゥカだった……。悲しみと復讐の炎に焚きつけられるように仇のクマを探し出し、キナイは決死の思いでその命を奪う。
その直後、キナイを取り囲むように光が溢れ、グレイト・スピリットとその一部となったシトゥカによってキナイはクマの姿に変えられてしまう。
翌朝、自身がクマになったことを飲み込めず混乱するキナイに、シトゥカから全てを聞いたタナナはやるべきこと、行くべき場所のヒントを与えた。そんな矢先、母親を探しているという子グマのコーダと出会い、キナイとコーダは互いの目的地を目指し一緒に旅をすることになるのだった。
本作の主人公。成人の日を迎えるものの、授かったトーテムが嫌いなクマということとそれをデナヒから揶揄われたことも相まってムキになり、自分のミスで盗られてしまった魚とクマを追いかけてしまう。その結果シトゥカを喪い、その復讐のため仇のクマを殺した際にグレイト・スピリットとシトゥカによってクマに変えられてしまった。
人間に戻るため旅を続けるうちに、一緒に行動していた子グマのコーダとの絆が生まれていく。
母親とはぐれてしまった子グマ。人懐っこくお喋りで、最初はキナイから煙たがられていた。サケが沢山泳いでいる「サーモン・ラン」という川に向かえば母親と会えると言い、キナイと一緒に旅を始めた。そのサーモン・ラン近くの山に光が降り注ぐのを見た、という話をキナイに教え、道案内役も兼ねている。
一緒に旅をしていくうちに、キナイを本当の兄のように慕い始める。
ヘラジカのおとぼけ兄弟。クマになったキナイが最初に会話をした森の動物。本作のコメディ要素はほとんどこのヘラジカ兄弟が担っている。そして、本作の兄弟という概念を象徴するような存在でもある。喧嘩はするが仲直りもする、仲のいい兄弟。
兄のトゥークは若干体が大きく、毛の色が濃いのが特徴。弟との掛け合いは漫才のようで、どちらかというとボケ担当。弟に対して兄貴然とした振る舞いをするものの、わりと空回り気味。
弟のラットは兄より若干小さく、毛の色が薄いのが特徴。兄との掛け合いは漫才のようで、どちらかというとツッコミ担当。トゥークに振り回されることもしばしばだが、何やかんや慕っている。
キナイの2番目の兄。元々は楽天的でやや軽薄な性格だったが、兄のシトゥカを喪ったこと、そしてその矢先に弟のキナイまでもがクマに八つ裂きにされた(実はキナイがクマに変身した直後に現場にたどり着いており、散乱するキナイの服とその傍にいたクマ(キナイ)を見て勘違いした)ことで、クマへの復讐心に囚われてしまった。授かったトーテムは「知恵」を象徴する狼。
冒頭に登場する本作の語り部を担う老人がデナヒである。
キナイの1番目の兄。長男らしくしっかり者で頼りになる性格。その責任感故か、クマに襲われていたキナイやそれを助けようとしたデナヒを救うため、自らを犠牲にクマを仕留めようとした結果亡くなってしまう。死後の魂はグレイト・スピリットの一部となり、溢れ出た光の中に現れてキナイをクマの姿に変えた。作中では鷲の姿で度々現れ、弟たちを見守っていた。授かったトーテムは「導き」を象徴する鷲。
キナイたち三兄弟が暮らす村のシャーマン。グレイト・スピリットや死者たちとの交信や、成人した人間へトーテムを授ける役割を担っている。クマに変えられたキナイに行くべき場所などのヒントを与えた。どうやらシトゥカから全てを聞いたようだ。
サーモン・ランにいるクマの中でひときわ大きく、まとめ役でもあるオスのクマ。コーダやその母親とは以前からの知り合いのようで、コーダが連れてきたキナイをすぐに歓迎した大らかな性格である。
本作の主題歌。
歌唱:ティナ・ターナー(吹替版ー天童 よしみ)/歌唱:フィル・コリンズverもある
作詞・作曲:フィル・コリンズ(歌詞はフィル・コリンズが歌唱したものをイヌイットの言葉に翻訳したもの)
歌唱:ブルガリアン女性合唱団(歌唱:フィル・コリンズverもある)
歌唱:The Blind Boys of Alabama(ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ)/フィル・コリンズ
劇中で流れる際、日本語吹替版でもフィル・コリンズが日本語で歌唱している。
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掲示板
1 ななしのよっしん
2023/09/09(土) 01:54:35 ID: PGGFc7Mzm7
初めて記事作ってみた
なんか間違ってたらすんません
2 ななしのよっしん
2023/12/08(金) 18:37:17 ID: cg2DC42UXg
キナイが人間の姿に戻ったことで、コーダが熊のうなり声にしか聞こえなくなってしまう場面が本当切ない。人間に戻れてめでたしめでたしじゃなくて、コーダと言葉が通じなくなってしまったのを見て、やっぱり熊の姿に戻ってこれからは熊として生きる道を選ぶラストは、当時のディズニーとしてはかなり斬新な終わり方だったと思う(ヘラクレスでも似たラストだったけど)
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最終更新:2024/05/01(水) 08:00
最終更新:2024/05/01(水) 08:00
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