この記事では、『ストライクウィッチーズ』をはじめとする「ワールドウィッチーズ」世界における大和型戦艦について記述する。
扶桑皇国海軍が保有・運用する戦艦。<大和>、<武蔵>の二隻が建造されている。
対怪異戦闘に向けた切り札として、超長距離から地上の怪異を撃滅する“高速浮き砲台”となるべく設計・建造された、当時世界最大を誇る超弩級戦艦。建造中に欧州で発生したネウロイの侵攻によって得られた戦訓に基づき、航空ネウロイ対策として防空能力を強化して就役した。
基準排水量65,000t、満載排水量72,809t、全長263.0mにおよぶ超弩級戦艦。
カールスラントから技術導入した高圧タービンの搭載によって機関出力は192,000shpに達し、公試成績29.7ノットという快速を誇る。すぐれた速力だけでなく、航続距離も巡航16ktで11,000海里に及んでいる。装甲の削減と引き換えに34ktを発揮させる案もあったものの、主力空母への随伴に十分な速力が得られたことから、あくまで砲戦能力と防御力を優先した性能となった。
主兵装は45口径46cm三連装砲3基。かつて紀伊型戦艦の設計時に主砲として要求されるも、当時研究途上で結局は搭載に至らなかった50口径46cm三連装砲塔を45口径で実用化したものである。他に60口径15.5cm三連装砲を前後に1基ずつ2基、46口径12.7cm連装高角砲12基、25mm3連装機銃35基、同単装25基、13mm連装機銃2基を装備している。
装甲は舷側410mm、主砲防盾650mmに達する。これらの装甲は怪異や初期のネウロイが使用した実体弾に対する抗湛を前提としたものだが、ネウロイ侵攻開始後の戦訓を反映し、新たな防御方式として水密区画にゴムと木材を充填する処置が追加されている。
艦載機は6機で、搭載機種は零式水上観測機など(<大和>欧州派遣当時)射出用のカタパルトは<大和>建造時には一式一一型射出機(火薬式)を搭載したが、のちにリベリオン合衆国との技術交流によって二式三号一型(油圧式)に換装された。航空ウィッチの射出を前提に、ストライカーユニットに対応した2本の牽引用作業索が装備されており、対応する射出部も扶桑海軍技術本部とリベリオン、ブリタニア連邦との技術交流によって開発されたものである。
艦内は欧州派遣を前提として高い居住性が与えられ、司令部を乗せるに十分以上の旗艦設備、総数3,332名におよぶ乗員のほぼ全員に足りるだけのベッド、食料備蓄庫、ラムネ製造器、アイスクリーム製造器(高雄型重巡洋艦にてリベリオンより導入され、好評を博したことから扶桑海軍大型艦の標準装備となったもの)などの設備が揃っている。
建造費用1億3780万円(当時)。建造時には対怪異戦闘の切り札として広く喧伝され、1942年(昭羽17年)の特別大演習観艦式にて御召艦を務める。
1945年(昭羽20年)夏のオペレーション・マルスに際し、ブリタニアより入手した魔導ダイナモ(コアコントロールシステム)を載せる空間の余裕がある戦艦が大和型のみだったことから搭載艦に選定され、欧州支援作戦(援三号作戦)に投入。出撃にあたり、ロマーニャ派遣中の宮藤芳佳軍曹がテスト予定の新型ストライカーユニットJ7W1「震電」試作一号機を積載している。
ロマーニャへの到着直前、医務室で爆発事故が発生し多数の重傷者を出すも、第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>から派遣された宮藤軍曹とリネット・ビショップ曹長により全員治療され、死者もなかった。しかし直後に大型ネウロイの襲撃を受け、戦力維持を優先しやむなく避退。この時、単身しんがりを務めたビショップ曹長を「震電」で緊急発進した宮藤軍曹が追い、彼女の窮地を救っている。
同年7月のオペレーション・マルスでは、魔導ダイナモによりネウロイ化して飛行し、圧倒的な火力と再生能力で小型ネウロイの迎撃網を突破する。しかし全力射撃でネウロイの巣を撃滅しようとしたところ、魔導ダイナモに想定外の出力低下が発生。護衛戦闘にあたった501JFWの坂本美緒少佐の尽力で射撃と巣の破壊に成功したものの、直後に出現した超大型ネウロイコアの破壊は宮藤軍曹に委ねられる結果となった。
戦闘の結果、最終的には超大型コアの破壊とともに<大和>も落下・沈没したが、直後に近隣の砂州に座礁しているところを発見された。ネウロイ化の影響で深刻な損傷も無いことが判明し、すぐさまサルベージが決定。遣欧艦隊附特命全権武官として<大和>に関する全権限を与えられた坂本少佐の指揮下で復旧が進められた。サルベージには明石型工作艦2番艦<三原>、リベリオン海軍の工作艦<ヴァルカン>および浮きドックABSD-2が動員され、修理はブリタニアのポーツマスで実施された。
同年9月、突貫工事によって最大戦速発揮こそ不可能ながら砲戦能力と航行能力を復旧させ、バルト海で浮き砲台として活用すべくポーツマスを出撃。北海への航行中、501JFWのサーニャ・V・リトヴャク中尉、エイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉に遭遇し、ガリア方面で宮藤芳佳少尉に危険が迫っているとの予知情報を受けて急遽予定を変更、フロートを装備してライン川を遡行する。その結果、ネウロイの大攻勢に直面することとなり、宮藤少尉と随行員の服部静夏軍曹をネウロイの包囲下から救出した上、501JFWによる超大型地中移動型ネウロイ母艦の破壊にも主砲射撃で貢献する活躍をみせた。
ネウロイの大攻勢迎撃後はポーツマスに戻り、扶桑帰国に備えた修理・点検を実施。この時には<大和>艦上の坂本少佐のもとを竹井醇子大尉(当時504JFW所属ロマーニャ駐留)、雁淵孝美中尉(当時<翔鶴>乗組)、宮藤少尉、服部軍曹が訪問している。
援三号作戦発動時の艦長は杉田淳三郎大佐(元<赤城>艦長、前職海軍兵学校勤務)、副長は樽宮敬喜中佐(元<赤城>副長、前職海軍省軍務局勤務。欧州到着後、海軍軍令部付きで連合軍総司令部転属)、航海長は高木悟郎中佐。杉田艦長は<愛宕>で負傷した総司令官から艦隊指揮を委譲され、オペレーション・マルス実行時には空母<天城>で指揮をとった。サルベージ後にも杉田大佐が艦長を務める。
1942年頃に竣工。竣工直後、<大和>とともに特別大演習観艦式に参加する。
<大和>より高度な旗艦設備が搭載されたため、オペレーション・マルスに際しては魔導ダイナモ搭載艦に選ばれず、扶桑本国に残された。
アニメでは『ストライクウィッチーズ2』以降<大和>が登場。そのものずばり「戦艦大和」と題する劇伴曲も作られている。
『ストライクウィッチーズ2』ではOPから出演しており、1話より横須賀軍港に停泊しているシーンが描かれ、山川美千子がスペックを諳んじているシーンがある。この時点で欧州遠征の報道が出ているが、8話でアドリア海に到着し大型ネウロイと交戦した。11~12話で描かれたオペレーション・マルスでの戦いではネウロイ化のうえ飛行して視聴者の度肝を抜き、12話ラストカットでは浜辺に漂着している<大和>の姿を見ることができる。
『ストライクウィッチーズ劇場版』では、クライマックスにて両舷にフロートをつけた姿で河川を遡上する衝撃の再登場を果たす。登場早々に対空砲火で無数のネウロイ子機群を殲滅、エイラ、サーニャがストライカーユニットで、坂本が零観でそれぞれ飛び立ち、さらに主砲射撃でネウロイ母艦の装甲を貫徹しコアを露出させるなど大活躍となった。ちなみに、ライン川遡上にあたっては河幅に問題がないことを確認し、喫水対策にフロートを付け、橋はすべて落橋している設定としたことがコンプリートファイル所収の対談企画で語られている。
作中時系列上は上記2作の間となる『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』はブリタニアでの修理中にあたるが、OPで登場したほか、Vol.3「アルンヘムの橋」Cパートにて修理中の姿が描かれている。このカットは砲を1門だけ上げた第三砲塔を艦尾方向から眺める構図となっており、有名な日本海軍戦艦<大和>最終艤装時の写真のオマージュとなっている。
CD『ワールドウィッチーズ 10周年記念 秘め歌コレクション特別版 Vol.4 扶桑皇国海軍篇』収録の「秘め歌ドラマ」は『劇場版』直後のストーリーとなっており、全編がポーツマスで入渠中の<大和>艦内で展開される。
コミック『ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち』でもわずかに登場し、1ページ半に及ぶ大コマで描かれたほか、504JFWの諏訪天姫が扶桑から欧州に戻るにあたりジブラルタルまで便乗したことが語られた。
艦艇の詳細設定は『ストライクウィッチーズ2』BD/DVD第6巻特典『全記録弐 第六集』に収録。『ストライクウィッチーズ劇場版 オフィシャルファンブック コンプリートファイル』では鈴木貴昭氏書き下ろしビジュアル・ショート・ストーリー「RAISE THE BATTLE SHIP YAMATO IN 1945」にて、サルベージから修理、『劇場版』登場までの流れが小説化されている。
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