豊臣秀次(とよとみ・ひでつぐ 1568 ~ 1595)とは、戦国時代の武将・大名、そして関白。豊臣秀吉の甥で養子。
天下人の後継者のはずが、秀吉のせいでかわいそうな事になってしまった人である。
豊臣秀吉の姉の子。父は三好吉房。豊臣秀勝(小吉)、豊臣秀保は弟。一時期は三好家の養子となっていた。
跡継ぎのいない秀吉の後継者として養子となり、関白の位を継いだ。が、その直後に豊臣秀頼が誕生した事で、秀吉の我が子可愛さの前に謀反の罪を着せられてしまい、自害させられる(秀次事件)。この事件が豊臣政権崩壊の引き金の一つであったことは間違いないだろう・・・。
色々ダメな子扱いされる事が多いが、実際には無難に政務をこなしていた模様。
秀吉の姉・日秀と、馬貸しの弥助(のちの三好吉房)の間に生まれた。子宝に恵まれなかった秀吉の数少ない親戚(人質要員)として育つ。のち、四国戦略のために三好康長(三好笑岩)の元に養子として送り込まれ、三好信吉と名乗る。
本能寺の変、清洲会議を経て秀吉が天下人の道を歩み始めると、一門として重用される。が、小牧・長久手の戦いでは別働隊として三河国へと向かうが、途中で察知されて徳川軍に惨敗。これの影響で創作では大抵、無能扱いされる。(この作戦を考えたのは秀次ではなかったらしい)
その後は秀吉の配下として各地に出撃したり、豊臣姓をもらったり、追放された織田信雄の領地(尾張・伊勢)をもらったりしている。羽柴秀次に改名したのはこの時代。九戸の乱討伐では総大将を務めた。
1591(天正19)年、秀吉の実子の鶴松が3歳で死去。この時点では秀吉には実の子が1人もいなかったため、同年、秀吉は秀次を養子にし、関白の座と黄金の城、聚楽第を譲った。実権は秀吉が握っていたため、秀次を天下人とは呼び難いが、当時の人々が秀次を秀吉の後継者だと思っていたことは間違いないだろう。
しかし歴史は予想の斜め上へと向かっていった。1593(文禄2)年、新たに実の子・豊臣秀頼が生まれると秀吉の態度が急変。いったい何を考えたのか、秀吉は秀次よりも秀頼を自分の後継ぎにしようと考えるようになる。やはり我が子が可愛いか。
とはいえこの時秀次は既に20代半ばと成人しているのに対して、秀頼は赤ん坊。今すぐ跡を継がせるのは無理がある。そこでまずは秀次の娘と秀頼を婚約させて婿舅関係とし、秀次の次は秀頼、という形を取ることにした。が、それでもやはり秀吉は安心できなかった。
1595(文禄4)年7月8日、秀次は「謀反の疑いあり」と秀吉によって高野山に追放され、7月15日に切腹させられた。秀次の妻や子、家臣、関係の深い者たちも数多く処刑された。最上義光の娘・駒姫の悲劇は特に有名。ほか、木村重成の父とされる木村重茲(木村定光)、秀吉に長年仕えた功臣・前野長康、桶狭間で一番槍をたてた服部一忠といった人々が死罪。浅野幸長、小早川秀秋、増田盛次らに処分。伊達政宗や細川忠興といった面々も詮索されるが何とか罪は逃れた。
事件勃発までの真相については様々な説が唱えられている。が、巷には秀次の乱行が原因との説話が広まって「殺生関白」という不名誉なダジャレ渾名が付いてしまった。
ともかく、この事件は豊臣家の天下に大きく影響を及ぼした。この時処分を受けた事で、のちに関ヶ原で東軍に参加する者も多く出ることになる。歴史に「もしも」は禁句だが、せめて秀頼がもっと早くに生まれていれば……秀吉や利家がもう少し長生きすれば……。結局、秀次事件以降「秀吉死後」の権力を巡る争いが本格化し、世は関ヶ原の戦いへと突き進むことになる。
一族郎党皆殺しとされるが、ごく一部ながら生き延びた人物もいる。
生まれて間もない娘・お菊は許されて生き延び、紀伊で育った後、大坂の陣で豊臣方に味方する一揆に参加するも、捕えられて処刑された。
また助かった経緯は不明だが、真田幸村(真田信繁)の側室・隆清院も秀次の娘である。幸村らが大坂で討死した後に、忘れ形見として生まれた孫・三好幸信は亀田藩岩城家に仕えた。(三好姓は秀次が名乗っていたことに由来)
ほか、書家として名高い僧侶・松花堂昭乗も秀次の落胤との噂があった。
「信長の野望」(PC)シリーズにおける豊臣秀次(羽柴秀次)の能力一覧。
秀次事件は嵐世記・蒼天録・天下創世・創造でイベントになっている。なかなか再評価してもらえない、やっぱりかわいそうな人。イベントで死亡しても戦力的に痛手にならないのが悲しすぎる。
軍事能力 | 内政能力 | |||||||||||||
戦国群雄伝 | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | ||||||
武将風雲録 | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | 教養 | - | ||||
覇王伝 | 采配 | 74 | 戦闘 | 34 | 智謀 | 23 | 政治 | 51 | 野望 | 66 | ||||
天翔記 | 戦才 | 134(A) | 智才 | 68(C) | 政才 | 122(B) | 魅力 | 81 | 野望 | 80 | ||||
将星録 | 戦闘 | 63 | 智謀 | 35 | 政治 | 59 | ||||||||
烈風伝 | 采配 | 47 | 戦闘 | 50 | 智謀 | 18 | 政治 | 49 | ||||||
嵐世記 | 采配 | 35 | 智謀 | 15 | 政治 | 32 | 野望 | 88 | ||||||
蒼天録 | 統率 | 30 | 知略 | 14 | 政治 | 33 | ||||||||
天下創世 | 統率 | 30 | 知略 | 14 | 政治 | 29 | 教養 | 40 | ||||||
革新 | 統率 | 34 | 武勇 | 45 | 知略 | 16 | 政治 | 33 | ||||||
天道 | 統率 | 39 | 武勇 | 45 | 知略 | 16 | 政治 | 56 | ||||||
創造 | 統率 | 37 | 武勇 | 52 | 知略 | 27 | 政治 | 55 |
掲示板
24 ななしのよっしん
2023/11/29(水) 12:55:29 ID: DtMfjZXeyv
ただの個人的妄想だけど、
秀次の家臣団が秀頼が生まれた事で
自分達の将来を危ぶみ、秀吉への
不義理を考えるようになった。
その噂が大きくなり過ぎ、秀次自身は
潔白だったものの騒動の責任を取る形で
切腹させられた・・・
・・・連々と書いてみたけど、これだと
一族尽く処断の理由がわからない・・・
25 ななしのよっしん
2024/03/07(木) 21:05:51 ID: AJICwA2ntD
それが理由だとすれば「秀次家臣団の生き残りが秀次子孫を担ぎ上げる恐れがあるから」で十分じゃないか
ていうか秀次というある程度実績のある一族の年長者がいたからこそ利用価値があったわけで
幼児だらけになった「関白豊臣秀次家」なんて、そこまで生かしておく価値なかったんだろう
秀次一族の中でも親の吉房と智は生き延びられたのは
高貴な血統でもなく関白になったわけでもない親側には継承権がないからかな
26 ななしのよっしん
2024/03/28(木) 21:38:35 ID: XITCN+cxsj
尾張の統治失敗(秀吉尾張へ下向し「尾州国中御置目」で尾張統治を叱責「百姓逃亡しとるやんけ何してんねん!」 秀吉もてこ入れしたけどイマイチ…)
畿内の秀次蔵入地だった河内若江の失政(ここでも百姓の離散が目立ったらしい)で秀次下の奉行から秀吉下の奉行に変更(大阪市史)
蒲生騒動における蒲生家の処遇問題で対立
我が子可愛さもあったろうけどこの辺も積もりに積もった部分もあるんかな
秀吉が死ぬまで任官していたのは「太政大臣」で、公武を統率する公的な権威としては太政大臣のほうが重要だったかも知れない。
秀次の死後関白を立ててないし秀吉自身関白なったのは結構ラッキー重なってのことで関白の仕事である朝議開催やったことなかったみたいだし(家康内大臣になってからは家康が辛うじてできる立場だった)
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最終更新:2024/04/24(水) 17:00
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