けれどもいまは
希望に満ちたこの一瞬を
拍手で迎えてほしい
喝采で彩ってほしい
ロジユニヴァース(Logi Universe)とは、2006年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
通算成績10戦5勝[5-1-0-4]
主な勝鞍
2歳(2008年):札幌2歳ステークス(JpnIII)、ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(JpnIII)
3歳(2009年):東京優駿(JpnI)、弥生賞(JpnII)
育成時から高い素質を示していたが、曲がった脚が嫌われて買い手がつかず、最後まで売れ残っていた。さらに育成を担当したスタッフは中央でのデビューを進言したものの、生産者である吉田勝己もまた曲がった脚を懸念して地方でデビューさせる予定であった。
しかし、北海道旅行中に吉田勝己と出会った久米田正明がロジユニヴァースが2歳の時にみつけ、調教VTRの走るフォームを見て同行の渋っていた萩原調教師を押し切って購入を決め、中央へのデビューが決まった。
馬名の意味は久保田氏の会社名であり冠名の「ロジ」と父の馬名の一部である「ユニヴァース」を組み合わせたもの。
5月13日に美浦の萩原清厩舎へ入厩。阪神競馬場でのデビュー戦を見据え6月上旬頃に同じ萩原厩舎の3頭と共に栗東トレーニングセンターに移動して調教開始。デビュー戦では武豊が騎乗。中団追走から最後の直線で抜け出し、2着に半馬身差をつけ初勝利を挙げた。
レース後、一旦ノーザンファームで休養に入った。復帰戦はコスモス賞が予定されていたが、
9月中旬にそのまま札幌競馬場へ入厩し、札幌2歳ステークス(JpnIII)に出走した。デビュー戦で騎乗した武豊は凱旋門賞へ騎乗するためにフランスへ遠征していることもあり、代わって横山典弘が騎手を務めた。
レースでは道中7番手から追走して最後の直線で差し切り、重賞初勝利を挙げた。
レース後は再びノーザンファームに放牧に出された。その後、12月27日のラジオNIKKEI杯2歳ステークス(JpnIII)に出走。2番人気だったが 最後の直線で逃げるリーチザクラウンをかわし、デビュー初戦からの3連勝を飾った。
明け3歳の緒戦は3月8日の第46回報知杯弥生賞(JpnII)。直前に他の有力馬が回避したこともあって10頭立てと少頭数で行われた。稍重馬場の中、スタート良く飛び出すと、鞍上の横山典弘が一気にハナを奪って逃げるという事前の予想とは違う展開に持ち込み、1000m通過を62秒台というスローペースで終始リードを保ち、 最終直線では更に他馬を突き放して1着となった。関東馬が1番人気で弥生賞を制したのは、ミスターシービー以来26年ぶり。
無敗のまま短期放牧のあと皐月賞(JpnI)に向かった。最内の1枠1番を引き1.7倍のダントツの1番人気に支持されたが、前走より10キロ落としている不安はあった。レースでは7番手の好位を追走し4コーナーでは5番手まで上がるものの直線を向いて全く伸びずにアンライバルドの14着と大敗をした。この大敗を受けた久米田正明は運送業者であることから、ダービーに向け少しでも不安要素を排除すべく特注の馬運車を作成した。
そして本番の東京優駿(日本ダービー)(JpnI)は7.7倍の2番人気まで評価を下げてしまうことになった。当日の昼頃から激しい雨が降り馬場状態は一気に不良になりヨーロッパ競馬のように持久力が問われる馬場状態になった。ロジユニヴァースは前走と同じ1枠1番の最内枠となり、前走から馬体重を+16キロ戻しベストの状態に仕上がっていた。レースではジョーカプチーノが大逃げを仕掛け、2番手リーチザクラウンを見る3番手追走となったが、コーナーでジョーカプチーノの足が止まり、抜け出しを図ったリーチザクラウンを内ラチ沿いから捕らえて、さらに4馬身差突き放し勝利した。関東馬の勝利はサニーブライアン以来で12年ぶり。騎乗した横山典弘はデビュー23年目にしてダービージョッキーになり、萩原清調教師が手掛けた馬では初のG1級ウィナー、馬主の久米田正明は2年足らずでダービー馬のオーナーとなった。 なお翌年からダービーは国際格付けを与えられグレード表記がGIに戻ったため、ロジユニヴァースはディープスカイ、ウオッカと共に歴史上3頭しかいない希少なJpnダービー馬となる。
しかし極悪馬場を激走した反動は大きく、3歳秋は全休することになった。
2010年は日経賞(GII)から復帰。1番人気に押されたもののマイネルキッツの6着に敗れる。
続く宝塚記念(GI)では18キロという大幅な馬体重減が響いたのか13着と大敗。
そして、2010年最後の出走となった札幌記念(GII)では22キロ増と馬体を戻してきたが、アーネストリーから1馬身3/4差の2着に破れた。
その後、出走予定が出るたびに回避からの放牧が繰り返され、野球の斉藤和巳よろしくプロリハビラーと揶揄されながら、引退という決断はされなかった。結局、2011年は完全に休養に当てられた。
2012年、春から復帰戦の噂は流れていた中、ようやく2年ぶりとなる札幌記念(GII)に出走することになったのだが、当日になるまで「いつ回避するんだ?」というネタにされたのは言うまでもなかった。
そして迎えたレースではかつて類稀なセンスと先行力を持っていた馬とは思えない走りでドンケツ追走、勝負所で全くついて行けずブービーから大差をつけられた惨敗。いよいよ「引退」の二文字が現実味を帯びてきていた。
2013年に入り続報は長らくなかったが、10月30日に引退表明。種牡馬として第二の馬生を送ることとなった。
2get横山典弘や、低迷が続く美浦、そして自身を見出してくれた当時の新米オーナーにダービーを獲らせてくれた馬なので、もっと評価されてもよいはずではあるが、なにぶんその後の成績が悪い。
引退が決まらなかったのは、上記の実績はもちろん、あまたいるサンデーサイレンスの血族で評価以上に成功した例がないネオユニヴァース産駒というのも相まっていた。
結局もう一花咲かせることもなく、フェードアウトするように引退となった。
ともすると彼の名が挙がってくるのだがロジユニヴァースの場合はダービー勝った後は4戦しかしておらず、2年「も」負けてない。
…言うに及ばず実戦に2年出てなかっただけでしかも出たら最下位大惨敗となったわけでその点はいかんともしがたい。全盛期がダービーで終わったと言われてもその通りだろう。
だが皐月賞で負けるまで4連勝だったわけで、その皐月賞も体調最悪&最悪の内枠1番での大敗と理由はつく。当のダービーもゲリラ豪雨による不良馬場で、それで4馬身差で勝っているため、最弱とは言えない…と思われる。
そんな感じでひっそりと引退してひっそりと種牡馬デビューしたロジユニヴァースだが、産駒は地方のダートを中心に意外と高い勝ち上がり率を残している。あとは大物がでればいいのだが。
2025年現在もYogiboヴェルサイユリゾートファームで細々とではあるが種牡馬生活を続けており、余生の場も獲得。種牡馬引退後もこの地で長く生き続けて欲しいものである。
| ネオユニヴァース 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ポインテッドパス 1984 栗毛 |
Kris | Sharpen Up | |
| Double Sure | |||
| Silken Way | Shantung | ||
| Boulevard | |||
| アコースティクス 2001 鹿毛 FNo.B3 |
Cape Cross 1994 黒鹿毛 |
Green Desert | Danzig |
| Foreign Courier | |||
| Park Appeal | Ahonoora | ||
| Balidaress | |||
| *ソニンク 1996 黒鹿毛 |
Machiavellian | Mr. Prospector | |
| Coup de Folie | |||
| Sonic Lady | Nureyev | ||
| Stumped |
クロス:Halo 3×5(15.63%)、Halo 5×5(6.25%)
父ネオユニヴァースは2003年の二冠馬。母アコースティクスは日本に持ち込まれたが不出走。母父Cape Crossは現役時代は主にイギリスで走りG1勝利はロッキンジSのみと地味だが、種牡馬としてはSea The StarsやOuija Boardなど多数のG1馬を送り出した。
またロジユニヴァースの活躍以降、祖母ソニンクを起点とした一族の血が活性化。母の半弟にあたるランフォルセ・ノーザンリバーがダートグレード競走で活躍したのを皮切りに、ディアドラ・ソングライン・パンジャタワーらGⅠ馬やジューヌエコール・フリームファクシ・スキルヴィングら重賞馬が輩出されている。
掲示板
31 ななしのよっしん
2014/11/25(火) 03:44:05 ID: NObctXcpOK
32 ななしのよっしん
2023/11/26(日) 17:55:27 ID: Y55dkcP2n4
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本日よりyogiboヴェルサイユリゾートファームに移動。なお種牡馬は続行。
33 ななしのよっしん
2024/05/26(日) 21:16:21 ID: 5Vb+NJcnkk
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最終更新:2025/12/08(月) 05:00
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