アンブライドルド(Unbridled)とは、1987年生まれのアメリカの競走馬・種牡馬である。
競走馬としても活躍したが種牡馬としても大成功し、現在ミスタープロスペクター系の中でも最も勢いのある系統を築いた名種牡馬。
通算成績24戦8勝[8-6-6-4]
主な勝ち鞍
1990年:フロリダダービー(GI)、ケンタッキーダービー(GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(GI)
父:Fappiano
母:Gana Facil (母父:Le Fabuleux)
主な兄弟:Cahill Road (主な勝ち鞍:ウッドメモリアルS)
父ファピアノは大種牡馬ミスタープロスペクターの代表産駒の1頭、母Gana Facilは目立った戦績は挙げてないが、母父であるルファビュリューはブルードメアサイアーとして優秀な種牡馬で日本ではフジキセキの母父として有名である。曾祖母Magicはアメリカ競馬史上有数の快速兄妹として著名なDr. FagerとTa Weeの妹に当たり、「超」までは行かなくとも良血の部類に入るであろう血統である。
当歳11月のセリで7万ドルで落札され、若い頃はロデオ競技の騎手をしていたカール・ナフツガー調教師に預けられた。
ちなみに、1989年にデビュー3年目の武豊が初めて渡米し、最初に調教に跨ったのが当時2歳のこの馬である。武は跨った時に古馬のような感触を抱き、後から新馬だと聞かされて驚いたという。
2歳8月のデビュー戦を10馬身半差で圧勝し、その後は離された3着が2回、惜しい2着が2回続いた後、年末に6戦目を5馬身差で圧勝してシーズンを終えた。
3歳時は初戦を5着、続くファウンテンオブユースS(GII)を3着とした後、フロリダダービー(GI)を4馬身差で勝利したが、ダート9ハロンで1分52秒0の勝ち時計は当時基準としても相当遅かった。そのためか、ここで騎乗していたパット・デイ騎手は、次のブルーグラスS(GII)ではデビューからGI1勝を含む7戦6勝2着1回という成績を残していたSummer Squallに騎乗。ブルーグラスSではSummer Squallが勝って、クレイグ・ペレ騎手騎乗のアンブライドルドは3着となり、引き続きペレ騎手とのコンビでケンタッキーダービーに向かうこととなった。
ケンタッキーダービーでは後方からレースを進めると、先に上がっていったSummer Squallを直線であっさり捉え、3馬身半差で完勝。本馬の馬主で御年92歳のフランシス・ジェンター氏にとっては嬉しい所有馬のケンタッキーダービー初出走初勝利となった。
しかし、その後はプリークネスSでSummer Squallの2着、ベルモントSではアイルランドから来たGo and Goの大差4着。次の一般競走は11馬身半差で勝ったが、芝GIのセクレタリアトSで2着に惜敗したり、スーパーダービー(GI)でも2着と足踏みが続いた。
ブリーダーズカップ・クラシックでは、前年の最優秀2歳牡馬*リズムに主戦だったペレ騎手が騎乗することになったため、久々にデイ騎手を鞍上に迎えた。大外枠ということで無理をせず後方を進み、勝負どころで内を上がっていくと、ケンタッキーダービー同様に鋭い切れ味で前を行く馬を差し切り、2着*イブンベイに1馬身差を付けて勝利した。年末のエクリプス賞では最優秀3歳牡馬を受賞した。
ところが古馬になると、鼻出血もあったが非重賞戦を2勝しただけでGIでは目立った戦績を挙げることが出来ず、ブリーダーズカップ・クラシックで*ブラックタイアフェアーの3着となったのを最後に引退した。
種牡馬としては初年度からブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを勝利したUnbridled's Song、ケンタッキーダービー父仔制覇を達成したGrindstoneを輩出して一躍大人気種牡馬になり、GⅠ5勝の牝馬Banshee Breezeや、ハンディキャップ競走に強い牝馬Manistique、日本でもおなじみ*エンパイアメーカーなどを輩出したが、2001年に疝痛のため14歳で早世した。
なお、三冠馬を出したPioneerof the Nile(American Pharoahの父)とScat Daddy(Justifyの父)を除けば、産駒がアメリカの三冠競走を全て勝利した種牡馬は本馬が最後である。
……ん? 確かに種牡馬としても一流だけどなんか物足りないって顔してるね。しかしこの種牡馬の凄さは孫世代以降から発揮されるのであった。
初年度産駒のUnbridled's Songはラストクロップで世界のダート競走を席巻したArrogateを輩出し2017年米国リーディングサイアーを獲得、*エンパイアメーカーは産駒であるPioneerof the Nileを通して37年ぶりの米国三冠馬American Pharoahを輩出、と最近になってアメリカの現役最強馬を一挙に2頭も輩出し、アンブライドルドの系統は現在アメリカで最も勢いのある系統ともいえるのである。最近ではミスプロ直系が下火な感じだったし、今後のアメリカにおけるミスプロ系を牽引するのはアンブライドルドの系統かもしれない。これからのアンブライドルドの子孫の活躍にますます期待がかかる。
Fappiano 1977 鹿毛 |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Killaloe 1970 鹿毛 |
Dr. Fager | Rough'n Tumble | |
Aspidistra | |||
Grand Splendor | Correlation | ||
Cequillo | |||
Gana Facil 1981 栗毛 FNo.1-r |
Le Fabuleux 1961 栗毛 |
Wild Risk | Rialto |
Wild Violet | |||
Anguar | Verso | ||
La Rochelle | |||
Charedi 1976 黒鹿毛 |
In Reality | Intentionally | |
My Dear Girl | |||
Magic | Buckpasser | ||
Aspidistra |
クロス:Rough'n Tumble 4×5(9.38%)、Aspidistra 4×4(12.5%)
掲示板
2 ななしのよっしん
2022/08/15(月) 08:06:51 ID: vaUqX5ebq4
アンブライドルドというかファピアノ系が最大勢力なんよな その中でアンブライドルドが目立つだけで
日本や欧州みたいに一子相伝レベルでトップだけ需要が高い後継者争いが起きてないのは強み
3 ななしのよっしん
2022/10/05(水) 01:07:36 ID: E1w5WyHR17
4 ななしのよっしん
2022/11/27(日) 10:46:25 ID: f5qxCUXgDD
ケンタッキーダービー制覇の時、高齢でもう目も見えなかったオーナーに調教師がそばにいて叫びながら勝ったことを伝えたシーンがある。
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最終更新:2024/11/08(金) 04:00
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