平家物語(アニメ)とは (ヘイケモノガタリとは) [単語記事]

本記事では、日本のTVアニメ作品『平家物語』について説明する。

概要

河出書房新社創業130周年記念企画として刊行された『池澤夏樹＝個人編集日本文学全集』。
編集責任者である池澤氏はその中に『平家物語』を収録することを決め、さらにその訳者として『砂の王～小説ウィザードリィ外伝 II～』等の著作で知られる古川日出男を指名した。「あいつ確か源氏物語の小説やってたからついでに平家物語もやらせようぜｗ」などと思ったかどうかは定かではない。

本作はその古川版『平家物語』を、連続TV シリーズとしてアニメ化した作品である。
アニメーション制作担当はサイエンスSARU。

なお、本作のスピンオフ作品として古川日出夫が執筆した『平家物語犬王の巻』もまた、2022年 5月28日に劇場アニメーション『犬王』として公開。
こちらも制作担当はサイエンスSARU。ただし監督を始めとした製作スタッフは大きく変わっている。

イントロダクション

800年の時を超える祈りの物語

《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》

平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来（さき）が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会うも、「お前たちはじき滅びる」と予言される。

貴族社会から武家社会へ――日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。

基本的なあらすじは「平家物語」の記事を参照のこと。
なお、古川版『平家物語』は全13章約900P（文庫本換算で十数冊分相当）という大ボリュームなのだが（古川氏曰く、「マイナスの効果を及ぼす増補が多々ある、と断じ切れたものの、理由あってほとんど一文たりとて訳し落とさなかったし、章段の順番も一切入れ換えなかった」とのこと）、これを全11話に凝縮したため、「平家物語（Speed Run）」のような作品になっている。
とは言え主人公びわ関連を除いては大きな改変は無いので、『平家物語』という作品のおおまかな流れを知るには十分である。

登場人物

びわ　声：悠木碧
本作の主人公で、アニメ版オリジナルキャラクター。
未来（さき）が見える右目を持つ、琵琶法師の少女。
父を平家の武士に殺されるが、縁あって重盛邸で暮らすことになる。
平重盛　声：櫻井孝宏
清盛の嫡男。亡者が見える左目を持つ（※アニオリ設定）。
人格者として広く尊敬を集めるが、本人は父清盛と諸方面との板挟みで気苦労も多い。正室・藤原経子との間に維盛・資盛・清経らをもうける。
平徳子　声：早見沙織
清盛と時子の娘で、重盛の異母妹であり猶子。その快活さと聡明さで従弟達からも好かれており、またびわの良き話し相手でもある。
高倉天皇に入内し、第一皇子（後の安徳天皇）を産む。
平清盛　声：玄田哲章
平氏の棟梁。武士として初めて太政大臣に任じられ、栄華を極める。
出家してからもその野心は留まることを知らない。「おもしろかろう？」が口癖。
後白河法皇　声：千葉繫
平氏との協力体制のもと院政を敷く法皇。
重盛を重用しているが、清盛のことは警戒している。
平時子　声：井上喜久子
清盛の妻（継室）。奔放な夫に時に振り回されつつも、しっかりと手綱は握っている。
清盛との間に宗盛・知盛・徳子・重衡らをもうける。
平維盛　声：入野自由
重盛の長男。心優しいが臆病な一面もある。舞を得意としている。
平資盛　声：岡本信彦（幼少期：小林由美子）
重盛の次男。生意気で勝ち気なためびわとは何かと衝突しがちだが、思慮深い一面も持つ。
平清経　声：花江夏樹
重盛の三男。人懐こく、率直な物言いで兄達にも遠慮がない。横笛が得意。
平敦盛　声：村瀬歩
清盛の異母弟・経盛の末子。
高倉天皇　声：西山宏太朗
後白河法皇の息子。8歳で天皇に即位した。徳子とは従姉弟の関係にあたる。
平宗盛　声：檜山修之
清盛の三男。母は時子で、重盛の異母弟。徳子は同母妹にあたる。
平知盛　声：木村昴
清盛の四男。母は時子。
平重衡　声：宮崎遊
清盛の五男。母は時子。
静御前　声：水瀬いのり
白拍子。義経の妾。
源頼朝　声：杉田智和
河内源氏の棟梁・源義朝の三男。
源義経　声：梶裕貴
義朝の九男。頼朝は異母兄。