ディープスカイとは、日本の元競走馬、現在は種牡馬である。
馬名は馬主の冠名ディープに空を意味するスカイを組み合わせたもの、転じて澄みきった大空という意味である。
ディープインパクトとは何の関係もない。
父はサンデーサイレンスの最有力後継と言われたアグネスタキオン、母は輸入牝馬で、アメリカの名牝血統の流れを引く期待の繁殖牝馬アビ、母の父はChief’s Crownという血統。
幼い頃から賢さと落ち着いた気性を持ち非常に期待された一頭であった。
仕上がりが早く早枯れと揶揄されるくらい走る馬は脚元が弱くない限りさっさと勝ち上がるアグネスタキオン産駒ながら、大きな馬体を持て余してしまっていたのか勝ちあがるまで6戦を必要とした。
条件戦でもまた持て余すように2着、しかしアーリントンカップに出走したところ人気薄ながら3着しようやく体のうまい使い方を見つけ出したのか、次走の毎日杯では6番人気ながら圧倒的なパフォーマンスで皐月賞滑り込みを目指した有力馬を打ち破り重賞初制覇を遂げる。しかし陣営は狭い中山ではまた持て余すと危惧したか皐月賞はパスしてNHKマイルカップを目指すことになった。
そのNHKマイルカップでは4.3倍と若干押し出され気味ながら一番人気に推され、これに応えるかのようにただ一頭、稍重馬場を33秒台の末脚で駆け抜けGⅠを制覇する。 続く日本ダービーでは皐月賞馬キャプテントゥーレの不在や有力馬にパンチが足りないこともあったが一番人気に推され、
一番外から悠々と進出し、必死で粘るスマイルジャックを軽く抜き去りダービー制覇。これでキングカメハメハ以来となる変則二冠を達成し、鞍上で主戦騎手の四位洋文は前年のウオッカに続く史上初の日本ダービー連覇を達成した。 だがしかし、このレースで一番(ネタ的に)話題だったのは最下位に敗れたサクセスブロッケン!!!!!!であった。
皐月賞までの有力馬がかなりだらしないこと、勝ち上がりにやたら時間がかかったこと(ダービー勝ち馬としては史上二位の遅さである。歴代一位はクモノハナの8戦)などから、パフォーマンスは優れているように見えた彼の能力を疑問視する向きも多かった。
秋初戦で上がり馬オウケンブルースリを撃破し、向かったのは秋の天皇賞。この年の天皇賞はダービーや安田記念を制覇したウオッカ、そのウオッカを負かすポテンシャルと牡馬も幻惑する自在の先行力で圧倒するダイワスカーレットの二強決戦ということで盛り上がっていた。
ディープスカイも当年のダービー馬として乗り込み、そう差のない三番人気に支持された。レースは休み明けのダイワスカーレットがいつもより速いペースで逃げる中、外から突っ込んできた新旧ダービー馬ウオッカとディープスカイが捕まえて突き放す…流れにはならず、二の脚を繰り出し粘りに粘る最内ダスカと外から差し切ろうとするウオッカの一騎討ちに移行。ウオッカがわずかに差し切り勝利を収めた。
ディープスカイは必死で食らいついたが二強から少し遅れてしまい3着。それでもカンパニー以下は抑えこんでみせ、少しは評価を上げ、ジャパンカップではウオッカを抑え一番人気になるが、スクリーンヒーローの早め抜け出しを捕らえられず2着に終わった。
いい脚は使ってるし能力面では古馬にも劣ってはいないところは見せている、でも勝ち切れない。評価は上がらない。またも悪い流れに陥ってしまったようだった。
年明け初戦の大阪杯では堂々と前につけ抜け出す競馬を敢行するがドリームジャーニーのチョロQ走法に差し切られ2着、距離適性や得意の府中ということを考慮し向かった安田記念では直線抜け出す際に出しどころなく詰まったウオッカの進路を(結果的に)カットするように素早く抜け出すという万全の策を講じて勝ちに行ったが
ウオッカは立て直してそこらの牡よりたくましい奇跡のような末脚で突っ込んできやがり、彼をあざ笑うかのように先頭で駆け抜けていった。せっかく勝ちに行ったのに負け。人気も下がる。無念。
次走宝塚記念でも早め抜け出しを図ったサクラメガワンダーも捕らえられず、再びドリームジャーニーのチョロQ走法トランザム 末脚に圧倒され3着に敗れ去る。人気がryこの敗戦で、そっと温めていた凱旋門賞遠征プランも白紙となった。せつねぇ。
その後、秋は毎日王冠から復帰予定だったがタキオンタイマー炸裂屈腱炎を発症し引退。ダーレージャパンに買い取られ種牡馬入りした。
鞍上の四位洋文曰く、サラブレッドとしてはおっとりとして穏やかな馬であったという。牧場で大事にされたんでしょうと語っていたが、もしかするとこのおっとりとした鷹揚な性格が勝負では災いしてしまったのかも知れない。
競馬ではキチガイじみた気性のほうが走る事が多い。セントサイモン然り、サンデーサイレンス然り。
でも、人間を全く信頼し寝っ転がって与えられた人参をくわえる彼の姿は想像するだけで愛らしい…気がする。こういうところが知られれば人気がry
結局、最後まで真価のよくわからないままターフを去ってしまった。アグネスタキオン産駒としてはレアケースな成長曲線で割と丈夫かと思ったら、古馬になると成長が見えず、例のごとく脚元を痛め引退など本当によくわからない馬であった。
父アグネスタキオンの早逝で、彼には後継者としての重責もかかる。期待に応えられるだろうか。
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最終更新:2024/05/05(日) 09:00
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