森岡浩之 単語


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モリオカヒロユキ

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森岡浩之(もりおか ひろゆき)とは、SF小説界の冨樫SF作家である。代表作に『星界の紋章』『星界の戦旗』など。

概要

1962年兵庫県生まれ。1991年のハヤカワ・SFコンテストに「夢の樹が接げたなら」で入選して作家デビュー。

デビューからしばらくはS-Fマガジンにぽつぽつ短編を発表する程度でなかなか本が出なかったが、96年にハヤカワ文庫JAで『星界の紋章』全3巻を3ヶ月連続刊行[1]。ライトノベル的なキャラクターの活躍するスペースオペラを、ハードSFの緻密な設定・考証を用いて描くという作風で幅広い読者を獲得し、アニメ化もされる人気作品となった。同作で第28回星雲賞日本長編部門受賞。

が、続編となる『星界の戦旗』シリーズは刊行が2~3年に1冊という非常にスローペースなシリーズとなり、続刊への引きを作って終わった第4巻(2004年刊行)を最後にストップ。4巻のあとがきで

しかし、今回は中途半端な終わりかたをしたかわりに、次の巻の骨組みの作業はかなり進んでいます。

まあ、なにがいいたいかと申しますと、「今回はあまりお待たせせずにすみました」と後書きに書けるのではないか、と……。これを書くのが夢なのです。いや、ほんとうの夢は「今回もお待たせせずにすみました」と書くことなのですが。

『星界の戦旗Ⅳ 軋む時空』 P247より

と書いたにもかかわらず、なんとその後5巻が出るまで9年を要することになった(その間、星界シリーズは短編集『星界の断章』が2冊出ている)。

2013年3月22日、9年ぶりの続刊『星界の戦旗V 宿命の調べ』が刊行され、第1部完となった。本巻のあとがきに下記の記載がある。


不摂生のあげく、体調が悪いと思って病院に行ったらじつは死にかけていてその場で入院させられたり、直後に発生した震災の余震に怯えながら血管内治療をしてもらったり、術後の絶対安静を求められる時間にけっこう大きな余震が来たり、という体験を経て、現在はわりと健康的な日常を送っています。 

『星界の戦旗V -宿命の調べ-』 P288より

……ということで刊行が9年ぶりになったのも致し方がないのかもしれない。ちなみに東日本大震災が発生したのは2011年3月11日、4巻刊行から約6年後である。2018年には『星界の戦旗Ⅵ 帝国の雷鳴』で第2部が5年ぶりにスタート。

他に『月と炎の戦記』『優しい煉獄』『機械どもの荒野(メタルダム)』『突変』、短編集『夢の樹が接げたなら』など。2016年、『突変』で第36回日本SF大賞を受賞。

大学時代は国語学を専攻していたためか、星界シリーズでアーヴ語という人工言語を作り上げ、デビュー作「夢の樹が接げたなら」も人工言語の話であるなど、言語に対してのこだわりが非常に強い。

『星界の断章』に「ワローシュ人」という名前で2ちゃんねらーを登場させたり同人ネタをやったりいろいろアレなところも。あと雑誌デビューから『星界の紋章』が出るまでの間、某出版社にて別名義でエロ小説を書いていたことは公然の秘密。

2ちゃんねるでは「デーヴ」と呼ばれている。理由はお察しください。

作品リスト(刊行順)

  1. 星界の紋章Ⅰ 帝国の王女 (1996年、ハヤカワ文庫JA)
  2. 星界の紋章Ⅱ ささやかな戦い (1996年、ハヤカワ文庫JA)
  3. 星界の紋章Ⅲ 異郷への帰還 (1996年、ハヤカワ文庫JA)
  4. 星界の戦旗Ⅰ 絆のかたち (1996年、ハヤカワ文庫JA)
  5. 機械どもの荒野 (1997年、ソノラマ文庫→2008年、ハヤカワ文庫JA)
  6. 星界の戦旗Ⅱ 守るべきもの (1998年、ハヤカワ文庫JA)
  7. 夢の樹が接げたなら (1999年、早川書房→2002年、ハヤカワ文庫JA)
  8. 月と炎の戦記 (1999年、スニーカーブックス→2000年、角川スニーカー文庫)
  9. 星界の戦旗Ⅲ 家族の食卓 (2001年、ハヤカワ文庫JA)
  10. 月と闇の戦記(一) 退魔師はがけっぷち。 (2001年、角川スニーカー文庫)
  11. 月と闇の戦記(二) 守護者はぶっちぎり。 (2002年、角川スニーカー文庫)
  12. 月と闇の戦記(三) 神様はしらんぷり。 (2004年、角川スニーカー文庫)
  13. 星界の戦旗Ⅳ 軋む時空 (2004年、ハヤカワ文庫JA)
  14. 優しい煉獄 (2005年、トクマノベルズEdge→2007年、徳間デュアル文庫→2015年、徳間文庫[2]
  15. 星界の断章Ⅰ (2005年、ハヤカワ文庫JA)
  16. 星界の断章Ⅱ (2007年、ハヤカワ文庫JA)
  17. 優しい煉獄2 騒がしい死者の街 (2008年、トクマノベルズEdge)
  18. 夢のまた夢 決戦!大坂の陣 (2011年、朝日新聞出版)
  19. 地獄で見る夢 (2012年、徳間書店→2015年、徳間文庫)
  20. 星界の戦旗Ⅴ 宿命の調べ (2013年、ハヤカワ文庫JA)
  21. 星界の断章Ⅲ (2014年、ハヤカワ文庫JA)
  22. 突変 (2014年、徳間文庫)
  23. 突変世界 異境の水都 (2016年、徳間文庫)
  24. 星界の戦旗Ⅵ 帝国の雷鳴 (2018年、ハヤカワ文庫JA)
  25. 風とタンポポ~惑星環物語~ (2019年、アークライトノベルス)

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月と炎の戦記・月と闇の戦記

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その他

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関連項目

  • 小説家の一覧
  • 星界の紋章
  • 星界の戦旗
  • 日本SF大賞

脚注

  1. *ちなみに当時日本SFは「冬の時代」まっただ中で、森岡はデビュー時「最後の純粋な日本SF作家」になるかもしれない、とまで一部で言われていた。
  2. *『優しい煉獄』と『騒がしい死者の街』の合本
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