概要
死神が1人につき1本持つ刀で、持ち主の魂を元に作られている。そのため解放後の形態は個々人で異なる。
死神が持つ力を結晶化したものであり、それぞれの刀は固有の能力を持つ。
虚(ホロウ)を切り伏せるとその罪を濯ぎ、虚になる前の人間の姿に戻しつつ尸魂界へと送り返す事が出来る。
・・・が、漫画本編が怪物退治モノからストーリーバトルモノへと路線変更してからはこの設定はあまり使われておらず、下記の戦闘用の特殊能力の結晶として扱われている。
「刀」ではあるが、必ずしも一般的な刀の形状をしているとは限らない。
大きさも死神の能力によって異なり、一般的には霊圧が高いほど巨大な刀になると言われているが、斬魄刀の扱いに熟練している者ほど自身の霊圧を押さえる術に長けており、自身の斬魄刀のサイズを調節出来るため、結果的にはどの死神もサイズ自体はさほど変わらない。(作中で「隊長格クラスがサイズを調節しなかったらどいつもこいつもビルみたいな刀を振り回すことになる」と言われている)
一護の斬魄刀「斬月」は他の斬魄刀に比べるとかなり巨大であるが、これは一護が霊圧ばかり高くてそれを扱う術に乏しかったからなのか、彼の斬魄刀が常時開放型(後述)であるからなのかは不明。ただし、初期の頃の斬月はその大きさから阿散井恋次に驚かれたりもしていたが、その実強度はあまり高くなく、相手の攻撃によって損傷する事が多かった。
斬魄刀は死神自身の魂を元に作り出されているため、自我(本体)を持つ。
力量の低い死神は、知識として斬魄刀の本体が存在する事を知っていても、それと意思の疎通を行う事が出来ない。意思の疎通が出来なくても最低でもただの刀として使う事は出来るが、意思の疎通が出来、始解(後述)まで習得できれば戦闘能力は飛躍的に高まる。
破損した場合は時間をかけることで治すことができる。技術さえあれば直すことも可能。
ちなみに大前田希千代の五形頭はジオ=ヴェガに壊されたすぐ後のバラガンとの戦いで元に戻っていた。
封印状態
最も基本的かつ消耗の少ない状態。この状態では斬魄刀の能力も開放されておらず、純粋にただの刀である。
形状もただの日本刀のような形を取る事が多く、どの斬魄刀でもこの状態ではあまり見た目に差異は無い。死神によっては、封印状態ではあえて刀ではない形を取るようにしている刀もある(例;浦原喜助の「紅姫」は封印状態では仕込み杖の形状をしている。また、山本元柳斎重國の斬魄刀は封印状態の刀をさらに封印して杖の形にしている)。
この状態から、解号と呼ばれる特定のキーワード(能力を象徴する命令語+斬魄刀の名前。例:「射殺せ、神鎗」)を言う事で開放され、始解状態になる。
始解(しかい)
斬魄刀固有の能力を開放した状態。
能力が開放される他、形状も大きく変わる事がある。
槍のような形になるもの(斑目一角の「鬼灯丸」)、四つ股のショーテルになるもの(綾瀬川弓親の「藤孔雀」)、果てはモーニングスターのような鈍器になるもの(大前田希千代の「五形頭」)等、様々。
死神や斬魄刀の性質によっては「部分開放」と言う段階もあるようで、例えば綾瀬川弓親の「藤孔雀」は、これは斬魄刀が嫌っている色を名前につけたがために「拗ねて部分的にしか開放されていない状態」である。本来の名前「瑠璃色孔雀」を呼ぶと完全な始解状態を開放する。
始解状態になり能力が開放されると、ただの斬撃にも変化が現れる(斬ると同時に炎で攻撃する等)事がある他、始解を習得している死神の殆どは、始解時の能力を使った「技」を会得している。
この状態に至るには斬魄刀本体との「対話」および「同調」が必要である。
対話とは斬魄刀の本体が存在する世界=死神自身の精神世界の中に赴き、そこにいる本体に話しかける事である。
こうして斬魄刀本体との意思疎通に成功して斬魄刀の「名」を知る事が出来れば、始解が出来るようになる。
卍解(ばんかい)
ごく一部の死神は、始解からさらにもう一段階斬魄刀を開放する事が出来る。
始解状態の能力を純粋に強化したものが多いが、その戦闘能力は始解状態の5~10倍とされ、この段階に到達した死神は全て、尸魂界の歴史に名を刻まれる。才能に恵まれた死神でも10年以上の修練を経ないと辿り着けない境地である。
またもし仮に辿り着いたとしても、卍解した斬魄刀を自在に使いこなせるようになるためには更なる修練が必要。
卍解の能力を開放した斬魄刀はより複雑な卍解の名前を持ち(例:「蛇尾丸」→「狒狒王蛇尾丸」)、斬魄刀自身も刀剣の常識から外れた巨大な姿をとる事が多い。
そのため卍解状態の維持には莫大な霊力が必要となり、十三隊隊長クラスでも長時間の維持は難しい。維持に必要な霊力がなくなると卍解は強制的に解除されてしまう。戦闘による負傷などで本人の意思によらない卍解の解除が起こった場合、それは死神自身の霊力が殆ど残っていない、即ち瀕死である事を意味する。
卍解の習得には、斬魄刀の「具象化」と「屈服」が必要。
具象化とは、「対話」のように斬魄刀本体のいる世界にこちらから出向くのではなく、所有者のいる世界に斬魄刀本体を呼び出す事である。これが非常に困難であるために卍解習得者が少ない。そのため卍解を修得した者は一人の例外もなく尸魂界の歴史にその名を刻まれる。
なお、護廷十三隊の隊長になる条件には卍解の習得が含まれているため、例外を除くすべての隊長が卍解を扱うことができる(十一番隊隊長の更木剣八のみ例外)。
このように非常に習得困難な技術であるが、「具象化」の部分だけは、浦原喜助の開発した「転神体」と言う道具に斬魄刀を突き刺す事によって強制的に実現させる事が出来る。
ただしこれは誰でも卍解が習得出来るような代物ではなく、力量の足りない者が無理やり具象化を行っても本体を屈服させる事はまず出来ない。
作中では開発者である浦原喜助と、黒崎一護の二人がこれを使用して卍解を習得している。
欠点として壊れたらそれを元に戻せないという特性がある。例外となるのは使い手とリンクしているため負傷と治癒も共有している狛村左陣、そして科学技術を用いて刀を創り出すことができる涅マユリの刀くらいである。そのため破損すると斑目一角のように応急処置をして使うしかない。
分類
能力の分類(一例)
- 直接攻撃系
開放により形状が変化し、直接的な殺傷力が大幅に上昇するタイプのモノ。特殊な鬼道系の能力などは付与されない。十一番隊の隊士は皆、直接攻撃系の斬魄刀でなくてはならないという暗黙の了解がある。
(例:鬼灯丸・蛇尾丸など) - 鬼道系
解放することで特殊な能力や性質が付与される物。鬼道系の中でもいくつかの細かい分類があり、「炎熱系」「氷雪系」などがある。前者は山本元柳の流刃若火、後者は日番谷冬獅郎の氷輪丸が該当する。
その他、愛染の持つ鏡花水月の能力「完全催眠」や、享楽春水の花天狂骨の能力「童の遊びを現実にする」などといった特殊なものも存在する。
形状の分類
以下は通常の斬魄刀と異なる特徴を持つものの分類であり、全ての斬魄刀が以下の分類のいずれかに属している訳ではない。
- 常時開放型
常に始解状態を保つ斬魄刀。
現在では黒崎一護の「斬月」と十一番隊隊長・更木剣八の名称不明の斬魄刀のみ該当。
一護のものは初めて開放してから封印状態に戻らないだけであり、開放する時は他の斬魄刀同様に名前を呼んで開放している。剣八のものは剣八自身が斬魄刀の名を知らないため開放していないはずであり、斬魄刀が生まれたときから始解状態であったと思われる。 - 常時卍解型
上記の常時開放型の一種。初期状態から常に卍解状態にあるという極めて特異なケース。
八代目十一番隊隊長である痣城剣八の斬魄刀『雨露柘榴』のみが該当する。 - 二刀一対型
通常は1人1本であるところ、2本を持つ死神の斬魄刀。要するに二刀流。
八番隊隊長・京楽春水の「花天狂骨」と十三番隊隊長・浮竹十四郎の「双魚理」の2つのみである。 - 浅打
自身の魂を元に作り上げた専用の斬魄刀を持たない下級の死神が使う斬魄刀。
王族特務零番隊の二枚屋王悦が創造している。 これと寝食を共にすることで己の魂を刀に写し取り、自分の斬魄刀を生み出すのだという。
破面の斬魄刀
死神ではなく、虚(ホロウ)が元である破面(アランカル)も斬魄刀に良く似た刀を持つ。
その性質上斬魄刀とは似て非なるものだが、斬魄刀と呼ばれる。
死神の斬魄刀と同じく2段階の開放を行う事が出来るが、その原理は死神のものとは異なる。
封印状態
元々異形の姿をして様々な能力を持っていた虚の能力を、刀の形に凝縮して切り離したもの。
死神の斬魄刀と異なり、一般的な日本刀の形をしているとは限らず、ノイトラ・ジルガの斬魄刀のように封印状態でもかなり巨大な形をしているものも存在する。
帰刃(レスレクシオン)
虚としての力を切り離して封印したものである斬魄刀を開放し、自らの身体に戻す事で、虚本来の力を解放する。
死神のそれと異なるのは斬魄刀自身の能力が開放されるのではなく、本体の能力が開放(復活)される点。
その性質上、ノイトラのように元から武器を持って戦う姿であった者を除いて、殆どの破面は帰刃の際に斬魄刀は消滅してしまう。
そのため封印状態であった時と姿も戦闘スタイルもガラッと変わってしまう事が多い。
能力を再封印する事で、また斬魄刀を切り離して人間形態に戻る事が出来るが、そうでない方法(体内から無理やり斬魄刀を引き剥がす等)で能力を切り離された場合、二度と開放できなくなる。
なお、先述のように斬魄刀の成り立ちそのものが死神とは異なるため、如何に死神と虚の力を併せ持った状態であるとは言え、「死神が仮面を付けて虚の力を手に入れた」者では不可能なはずであるが、ただ一人東仙要だけは死神から虚の力を手に入れていたにも関わらず、帰刃を行い虚の姿を開放している。
これは、一護らとは違って自力ではなく崩玉の力を使って仮面を手に入れた東仙だけの特徴なのか、全ての仮面を持った死神に可能なことなのかは不明。
刀剣開放第二階層(レスレクシオン・セグンダ・エターパ)
死神の卍解のように、更なる変化を伴うもう一つ上の段階。
ただし卍解と違って、現在までにこれを行える破面は第4十刃ウルキオラ・シファーのみである。
詳しい原理は不明だが、更なる形態変化をし、爆発的に戦闘力が上昇するという点は卍解などと同じ。
なお黒埼一護も、仮面を付けて虚の力を発現させた状態でさらに形態変化を起こし戦闘力が爆発的上昇した事が1度あるが、これとの関連性は不明。
関連項目
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