キフォイザー星域の会戦単語

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キフォイザー星域の会戦とは、「銀河英雄伝説」の戦闘の一つである。

概要

帝国暦488年、リップシュタット戦役のさなかに、辺境星域を鎮定していたジークフリード・キルヒアイス上級大将率いる銀河帝国軍（リヒテンラーデ＝ローエングラム枢軸／キルヒアイス軍）と、本隊から分派したリップシュタット貴族連合副盟主ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世侯爵率いる貴族連合軍（リッテンハイム軍）との間で発生した戦闘。

戦闘はキルヒアイス軍の圧倒的勝利に終わり、貴族連合は副盟主リッテンハイム侯と全兵力の三割を失う大打撃を受けた。

経緯

リップシュタット戦役の開始後、討伐軍を率いる帝国軍最高司令官ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥の腹心であるジークフリード・キルヒアイス上級大将は、アウグスト・ザムエル・ワーレン、コルネリアス・ルッツ両中将を傘下に置き、別働して帝国辺境星域の鎮定にあたっていた。

いっぽう貴族連合側では、装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将の「裏切り」による混乱の後、成立時から内包していた盟主公爵オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクと副盟主侯爵ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世の確執が顕在化。リッテンハイム侯は「辺境星域を奪回する」という名分のもと、全軍の三割にあたる5万隻の大部隊を率いてブラウンシュヴァイク公から分派し、キフォイザー星域のガルミッシュ要塞に拠点を構えた。

こうして、両軍はキフォイザー星域において戦闘に突入する。両軍の一個艦隊規模を超えた大々的な衝突は、これが初めてであった。

戦闘経過

5万隻に上るリッテンハイム軍と相対したキルヒアイス軍側は、左翼にルッツ中将、右翼にワーレン中将を配置。左翼側が前に出る斜線陣をとり、リッテンハイム軍の砲火を浴びながらも前進を開始した。左翼ルッツ艦隊は距離600万キロで砲撃を開始すると、そのまま前進を続け、両軍は艦載機も使用した近接戦闘に突入する。いっぽう右翼を担うワーレン艦隊はいまだリッテンハイム軍との距離を保っていたが、その影から艦艇わずか800隻からなるキルヒアイス上級大将の直属高速艦隊が躍進し、リッテンハイム軍左側面に回り込んで奇襲砲撃を加えた。

ワーレン艦隊と向き合っていたリッテンハイム軍はキルヒアイス本隊の攻撃に対応するため急ぎ左方向へ回頭を始めたが、この時ワーレン艦隊が砲撃を開始し、二方向からの砲撃を受けたことで一瞬の混乱を見せた。キルヒアイス上級大将はこれを見逃さず、直属高速艦隊に突撃を下令。もとより各種の艦艇が雑然と配置されていたために無秩序な様相を呈していたリッテンハイム軍の中央部を二度に渡り突貫して大混乱に陥れ、事前の作戦計画の時点でリッテンハイム軍の内情を見ぬいていたキルヒアイス上級大将の慧眼が証明される形となった。

このリッテンハイム軍の混乱が前線にまで及ぶと、ルッツ、ワーレン両艦隊も機を逸する事無く突撃に移行、リッテンハイム軍の敗北は決した。恐慌状態に陥ったリッテンハイム侯は旗艦＜オストマルク＞とともに逃走し、その過程で、後方に控えていたため邪魔になっていた自軍の輸送艦隊を砲撃するという惨事を引き起こしている。

戦闘結果

戦闘はキルヒアイス軍の全面勝利という形で終結した。

貴族連合軍の司令官たるリッテンハイム侯はガルミッシュ要塞まで逃げ延びたが、司令官の「味方撃ち」もあって将兵の士気は著しく低下しており、この敗走に従ったのは5万隻の艦艇のうちわずか3000隻未満にすぎなかった。リッテンハイム軍は戦闘だけで18000隻の損害を出し、さらに5000隻は司令官に追従すること無く逃亡、のこる艦艇は何れもキルヒアイス軍に降伏するかもしくは拿捕される結果となった。

さらに、ガルミッシュ要塞に逃げ込んだリッテンハイム侯自身も、やけをおこして酒に溺れた末、叛した部下の自爆により死亡。ガルミッシュ要塞はキルヒアイス軍により制圧され、貴族連合軍はナンバー2である副盟主リッテンハイム侯と全兵力の三割にあたる5万隻のほとんどすべてとを失う結果に終わった。

関連動画

関連商品

原作では本伝第2巻『野望篇』所収。
OVAでは第22話『勇気と忠誠』前半部だが、シャンタウ星域の戦いの後の出来事となっている（ただし、原作ではキフォイザー星域の会戦が先に記述されているのみで、2つの戦いの時系列的関係は明確ではない）。

関連項目

• 銀河英雄伝説
• リップシュタット戦役

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