ゴールドシチーとは、1984年生まれの日本の元競走馬である。牡・栗毛。
金色のたてがみを持つ美しい馬であった。
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この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「ゴールドシチー(ウマ娘)」を参照してください。 |
概要
父はカナダでリーディングサイアーにもなったことがあり、全弟はアメリカで一大血統を築き上げたVice Regentという良血ヴァイスリーガル。
母は中央で7戦1勝のイタリアンシチー、母の父は日本で種牡馬として活躍したテスコボーイという血統なのだが、ヴァイスリーガルは輸入当初より高齢な上、産駒の気性が悪すぎその上走らないため不人気。母の血統もぶっちゃけるとありふれており、期待はされておらず生産者は「走らなかったらデズニーランドにでも寄付して使ってもらおうかねぇ」と思っていたらしい。…おそらく、その望みは叶いはしなかったと思うけれど。
ともあれ、成長するに従って競走馬としての資質の高さが見えてきたため、先の話も立ち消えになり、友駿ホースクラブという一口馬主のクラブに買い取られる事となった。
清水出美厩舎に所属したゴールドシチーだが、競走馬の資質の高さと共に、父から譲り受けた気性の悪さも見せていた。その最たるものが、「馬なのに早く起こそうとすると暴れる、ニートレベルの遅起き。そのため午前10時にならないとトレセンに現れない(普通は午前6時~8時くらいには来る)『午前10時の男』」というものである。第1レースとか出れないんですがどうすんの。
3歳の6月にデビューするも勝ち上がりに3戦を要したが、勝ち上がった次走の札幌3歳ステークス(GIII)で2着するなど才能の片鱗を見せる。函館のコスモス賞で2勝目を挙げ、当時の西の3歳王者決定戦、阪神3歳ステークス(GI)へ直行。レースでは2番手で進め、4角で先頭に立つとソラを使うアクシデントがありながらも力強く押し切りGI勝利を挙げる。これが、彼が味わう最後の勝利であった。
4歳になると苦戦続き、スプリングステークス(GII)ではマティリアルという超新星が誕生する中優先出走権内にすら入れない6着。
皐月賞は巻き返し11番人気ながら2着に突っ込むが、東京優駿では同じ栗毛馬である東の3歳王者メリーナイスのびっくりするほどの圧勝の前に4着(ただ、ここでもソラを使うアクシデントがあった)。
秋になると神戸新聞杯(GII)から始動するがマックスビューティに敗れ、捲土重来を期した京都新聞杯(GII)ではスタート直後の進路妨害で失格処分、混戦の菊花賞では2番人気に応え2着に突っ込んだが、勝ったのは皐月賞以来のサクラスターオーであった。
ちなみに、クラシックロードではサクラスターオーがいないレースでは連対していないので、一部ではライバル視してるんじゃないか、アッー♂な感情を持ってる等と言われたこともあった。
その後は鳴尾記念(GII)でタマモクロスの引き立て役になったり、スターオーと共に走る機会は二度となく、産経大阪杯(GII)と京都大賞典(GII)で2度の3着があったのが目立つくらいで引退となった。
引退後は種牡馬としての引き合いはなく、宮崎で乗馬としての訓練を受けることになったのだが、気性の悪さ故遅々として進まず。こりゃ時間がかかるなあとスタッフも長期戦を覚悟した1990年5月1日、放牧中に重度の骨折を発症し、予後不良となった。
牧夫が骨折した彼を見つけた時、三本脚で立ち、両目に涙を浮かべながらじっとこらえていたという…
乗馬として訓練を受けることになったのは「走らなかったらデズニーランドに寄付すっかなあ」と言われたくらい美しい、金色の馬体を乗馬として望まれたからこそであった。それがこのような結果になってしまうあたり、同期のサクラスターオーやマティリアル共々、何かに祟られていたのかも知れない…
後に、イタリアンシチーの母、ゴールドシチーの祖母であるリンネスの血統からエスポワールシチーが輩出された。
彼ほど派手ではないが、”希望”の名を持つ彼もまた栗毛の美しい馬である…
2代目
さて、馬の名前に関する規則で、GIを勝利した馬は再利用できないという規則がある(馬名登録基準第4条カ)が、2歳(旧3歳)GI競走に関しては、平成3年(1991年)以降のものに限るとある。このため、昭和61年(1986年)に勝利したゴールドシチーの名前は、再利用可能ということになった。
結果、2014年生まれの黒鹿毛のセン馬にこの馬の名前は再利用された。中央競馬で勝てずに岩手競馬へ移籍した。通算戦績は26戦2勝、獲得賞金は地方で58万円だった。
なんでこの名前になったかと言うと、父ゴールドアリュール、母父タップダンスシチーだからである。登録抹消は2017年12月31日なので、この馬名を再利用可能になるのは2022年である。
血統表
*ヴァイスリーガル Viceregal 1966 栗毛 |
Northern Dancer 1961 鹿毛 |
Nearctic | Nearco |
Lady Angela | |||
Natalma | Native Dancer | ||
Almahmoud | |||
Victoria Regina 1958 栗毛 |
Menetrier | Fair Copy | |
La Melodie | |||
Victriana | Windfields | ||
Iribelle | |||
イタリアンシチー 1979 鹿毛 FNo.4-m |
*テスコボーイ 1963 黒鹿毛 |
Princely Gift | Nasrullah |
Blue Gem | |||
Suncourt | Hyperion | ||
Inquisition | |||
リンネス 1972 鹿毛 |
*フィダルゴ | Arctic Star | |
Miss France | |||
コンチネンタル | *カバーラップ二世 | ||
ヒロイチ | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nearco 4×5×5(12.5%)、Hyperion 4×5(9.38%)
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関連項目
外部リンク
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