アイドルホース とは、中央競馬ピーアール・センターが販売する、競走馬のぬいぐるみの1種である。
なお、この単語自体は、アイドルだった馬(例: オグリキャップ)のことを指したりするにも使われるが、本項では上記の意味で用いることとする。
また2021年より開催されているアイドルホースオーディションについてもこの項で記載する。
概要
原則として、作られる条件は以下の2つのいずれかの条件を満たすことである。
つまり基本は強い馬が対象となるが、中央GIではない東京大賞典やJpn1、障害GIで2勝以上してもアイドルホースにはならない。(例、オメガパフューム、メイショウハリオ、メイショウダッサイ)[1]
だが京都競馬場改修工事をきっかけに、毎年1回、アイドルホースオーディションと呼ばれるイベントを開催し、この基準で網羅できないなどで、まだ作られていない馬たちのアイドルホース化が行われるようになった。
その他にも日本在来馬としてミカン、ユキのオリジナルアイドルホースも発売されている。
2023年1月に10周年記念のアイドルホースの特別バージョンが出ているので、どうやら2013年ごろから発売しているようである。
アイドルホースオーディション
先述の通り2021年より毎年、年に一度開催されている企画。基本的な進行として予選投票で頭数を絞り、本選投票でアイドルホースぬいぐるみ化する競走馬が決定される。
まだアイドルホース化されてない馬、過去に販売されていた馬といったどんな馬でも候補として投票できるが、2021年時にはブチコが予選通過順位には入ったものの毛色の再現が難しくアイドルホース化できないと予選結果発表の際に通達された。
他にも選出条件として現在販売中のアイドルホースは除外となっている。
2021年アイドルホースオーディション
2021年は、先述の通り、京都競馬場改修工事の際に、京都競馬場が主となって行っている。
予選で10頭まで絞り本選で5頭が選出される。
投票は予選で好きな馬10頭まで、本選で予選通過馬10頭のうち1頭選んで投票できる。投票者には抽選で各100名計500名に選出されたアイドルホースがプレゼントされた。
同年7月17日の下記動画で開催が告知された。
予選
順位 | 馬名 | 票数 | 6位 | ライスシャワー | 2382 |
1位 | メロディーレーン | 3900 | 7位 | カレンブーケドール | 2349 |
2位 | サイレンススズカ | 2898 | 8位 | トウカイテイオー | 2282 |
3位 | キセキ | 2754 | 9位 | ブチコ | 2247 |
4位 | オグリキャップ | 2657 | 10位 | ステイゴールド | 2231 |
5位 | ヨシオ | 2410 | 11位 | メジロマックイーン | 2042 |
予選ではメロディーレーンが千票の差を付けてトップに。同時期に流行したウマ娘の影響もあったのか過去の名馬たちが上位10頭の半分を占めている。9位ブチコは先述した理由で除外。11位メジロマックイーンが繰り上がりで本選進出を果たした。なお上記の予選結果の詳細は本選結果発表後に公開された。
本選
予選5位のヨシオがごぼう抜きし1位に輝いた。予選とは打って変わって現役馬がほとんどを占めた。引退馬ではライスシャワーが唯一のランクイン。
以下の主な勝ち鞍は、このオーディション当時のものである。その後の勝ち鞍の更新は矢印を下に付け表記する。
順位 | 馬名 | 主な勝ち鞍 | 票数 | 備考 |
1位 | ヨシオ | 2020年ジャニュアリーS(OP) | 19434 | 重賞未勝利ながら芝GI→ダートGI→障害未勝利→OPダート短距離という謎の三刀流ローテを果たした。 |
2位 | メロディーレーン | 2021年海の中道特別(2勝クラス) →2021年古都S(3勝クラス)でOP入り |
14881 | JRA史上最少体重に関係する幾つものレコードを持つ →メロディーレーンちっちゃすぎ |
3位 | キセキ | 2017年菊花賞 | 14661 | 不良馬場の菊花賞を勝利。以降大逃げや捲り逃げでGI戦線で上位に入るなどの活躍。 |
4位 | ライスシャワー | 1992年菊花賞 1993年天皇賞(春) 1994年天皇賞(春) |
12898 | 淀に咲き淀に散った孤高のステイヤー。 引退馬の中で唯一の選出。 |
5位 | カレンブーケドール | 2019年スイートピーS(L) | 10014 | GI戦線で長く活躍したシルバーコレクター。 38年ぶりに牝馬ながら天皇賞(春)で馬券圏内に。 |
2022年アイドルホースオーディション
2022年も京都競馬場が主となって行っている。この年は本選1位だった馬は、投票キャンペーンのプレゼント当選者のみアイドルホースオーディション特別仕様としてぬいぐるみの右耳に青い特注の飾りが付いている。
形式は去年と同じ。こちらも同様に投票者には抽選で各100名計500名に選出されたアイドルホースがプレゼントされた。
予選
順位 | 馬名 | 票数 | 6位 | パンサラッサ | 5478 |
1位 | メイケイエール | 13714 | 7位 | オニャンコポン | 4882 |
2位 | ディープボンド | 9452 | 8位 | ヨカヨカ | 4329 |
3位 | リフレイム | 6656 | 9位 | ステイゴールド | 4309 |
4位 | アフリカンゴールド | 5696 | 10位 | ハヤヤッコ | 4170 |
5位 | ゴースト | 5679 | 11位 | アカイトリノムスメ | 4084 |
首位のメイケイエールの票数は昨年のメロディーレーンの票数を大幅に上回る13714票を獲得。昨年とは打って変わって引退馬が上位に少なく、非GI馬が多い状況となった。昨年に引き続き上記の予選結果の詳細は本選結果発表後に公開された。
本選
上位2頭は変わらなかったが、6位以下からヨカヨカとステイゴールドが急上昇しリフレイムとアフリカンゴールドは選出されず。予選4位のアフリカンゴールドはよりによってゴドルフィンキラーの親父に抜かれることになった。1位となったメイケイエールは初の折り返し手綱付きアイドルホースとなった。
以下の主な勝ち鞍は、このオーディション当時のものである。その後の勝ち鞍の更新は矢印を下に付け表記する。
順位 | 馬名 | 主な勝ち鞍 | 票数 | 備考 |
1位 | メイケイエール | 2021年チューリップ賞 2022年京王杯SC →2023年セントウルS |
40903 | 普段は大人しいのにレースで大暴走という二重人格?を持つ。 そのせいでレースではパシュファイヤー、折り返し手綱で「フル装備」出走も。 |
2位 | ゴースト | 2020年西宮S(3勝クラス) | 32734 | 愛称は「おばけ」 ステイヤー路線で活躍していたが障害路線に転向。屈腱炎で中央から去るも地方へ移籍予定。 |
3位 | ディープボンド | 2020年京都新聞杯 2021年阪神大賞典、フォワ賞 2022年阪神大賞典 |
26068 | 愛称は「プボ」、「ボンド」。 天皇賞(春)で3年連続2着の珍記録を持つ。 |
4位 | ヨカヨカ | 2021年北九州記念 | 25641 | 熊本産馬として史上初、九州産馬として16年ぶりの重賞制覇を果たした。 |
5位 | ステイゴールド | 2001年香港ヴァーズ | 24515 | 長くシルコレになりながらも引退レースのGI香港ヴァーズで勝利。 今なお子孫に彼の黄金の血脈は受け継がれている。 |
2023年アイドルホースオーディション
2023年は、中央競馬ピーアール・センターが開催している。去年までの5頭から今回は現役馬2頭、引退馬1頭を選出と縮小した。投票自体は現役馬・引退馬混合で予選は8頭まで本選は1頭のみ投票可能。
またMサイズのみ制作された既存のアイドルホースの中から、Sサイズのアイドルホースを1体作るSサイズオーディションも同時開催した。Sサイズオーディションは本選のみである。Sサイズオーディションの結果発表はアイドルホースオーディションの本選結果発表と同時。
なお、現役馬の定義は、開催当初時点で現役だった馬、というくくりであり、開催中に死亡したアスクビクターモアは現役馬扱いで投票されることとなっていた。
予選通過した8頭は公式HPでSNSアイコンが配布されている。
本選結果発表後には選ばれた4頭を予約するとオリジナルボックスで届く特典も発表された。
Sサイズオーディション
メロディーレーンが2位以下に差を付けて選出された。とても小さい馬体のメロディーレーンのSサイズぬいぐるみを欲しかった層が多かったと見られる。
順位 | 馬名 | 票数 | 備考 |
1位 | メロディーレーン | 6865 | 前々年のアイドルホース化に続いての選出。 |
2位 | メイケイエール | 4567 | 2位・3位は19票差の超接戦となった。 |
3位 | ディープボンド | 4548 | |
4位 | ステイゴールド | 1925 | |
5位 | ライスシャワー | 1525 |
予選
現役馬部門 | 引退馬部門 | ||||
順位 | 馬名 | 票数 | 順位 | 馬名 | 票数 |
1位 | アフリカンゴールド | 7812 | 1位 | リフレイム | 5980 |
2位 | アスクビクターモア | 6733 | 2位 | スキルヴィング | 3084 |
3位 | シルヴァーソニック | 5454 | 3位 | アカイイト | 2838 |
4位 | ジャックドール | 5154 | |||
5位 | マイネルファンロン | 3421 |
昨年、惜しくも選出を逃したアフリカンゴールド、リフレイムが双方とも各部門のトップに。当年急死したアスクビクターモア、スキルヴィングも各2位に入った。またステイゴールド系が3頭も現役馬部門で予選通過している。
本選
現役馬部門はアフリカンゴールド自身?のSNS上での呼びかけもあったかアフリカンゴールドの独走V。2位には大きく巻き返したジャックドールが93票という僅差でアイドルホース化圏内に入った。
引退馬部門は予選の勢いのままリフレイムが首位を守り切った。
順位 | 馬名 | 主な勝ち鞍 | 票数 | 備考 |
現役馬部門 | ||||
1位 | アフリカンゴールド | 2022年京都記念 | 30545 | 愛称は「アフゴ」。 X(旧:Twitter)で脚質アンケートを実施するツイッタラー馬。 本企画投票も呼びかけ、今回遂に念願のアイドルホース化が叶うこととなった。 |
2位 | ジャックドール | 2023年大阪杯 | 19824 | 四白流星栗毛のグッドルッキングホース。 別会社のぬいぐるみ投票企画でも選出されたぬいぐるみ2冠である。 |
引退馬部門 | ||||
1位 | リフレイム | 2022年パラダイスS(L) | 19797 | 直線を走る内に右の外ラチへどうしても斜行してしまう馬。 「エイシンヒカリの再来」とも呼ばれた馬である。 |
関連動画
関連リンク
- アイドルホースオーディション2021(リンク切れにつき魚拓より)
- アイドルホースオーディション2022
- アイドルホースオーディション2023
- ターフィー通販クラブ - ぬいぐるみ(アイドルホース他)
- 制作の流れ
関連項目
脚注
- *例外も多数あり、障害GI9勝したオジュウチョウサンや小倉三冠を果たしたメイショウカイドウといった馬もアイドルホースになっている。それとは別にマルシュロレーヌ等一口クラブで特注でアイドルホースが作られる場合もある。
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