マクロスゼロ、もしくはマクロスZEROとは、2002年~2004年に制作されたマクロスシリーズのOVAである。
概要
マクロスシリーズ生誕20周年を記念して、2002年~2004年にかけて製作されたOVA作品。全5話。
超時空要塞マクロスの前日談であり、時系列としては最古にあたる。
マクロスシリーズのお約束である”可変戦闘機”、”歌”、”三角関係”はこの時から存在していたようだ。
元々は統合戦争を主軸とした話を計画していたが、制作中に発生した現実のテロ事件を受け、とある島での邂逅をベースとした神秘性を織り込んだ話にシフトした経緯を持つ。
そして最大の特徴は、マクロスシリーズで初めて本格的な3DCGで描かれたバルキリーや兵器達が登場、それらによる迫力ある映像が描かれる事である。無論、従来の手書きで描画されたメカも登場するので、描かれ方や動きの違いを楽しみながら見るのもいいだろう。ちなみにこの3DCG技術は、後にマクロスフロンティアや、創生のアクエリオンの製作に生かされることになる。
あらすじ
1999年、SDF-1-後にマクロスと呼ばれる地球外文明の巨大宇宙船が地球へ落下。マクロスに眠るプロトカルチャーのオーバーテクノロジーの奪い合いで、やがて統合戦争と呼ばれる世界大戦が始まった。
統合軍の戦闘機パイロットである主人公工藤シンは、反統合同盟軍が実用化した可変戦闘機に撃墜され、南の孤島”マヤン島”に流れ着く。
マヤン島で出会った島の伝説を守る巫女”ノーム姉妹”との交流の中で、島に眠るプロトカルチャーの遺産”鳥の人”と、それを狙う反統合同盟との戦いにシンは身を投じることになる。
登場人物
- 工藤シン(声:鈴村健一)
統合軍に所属する若きパイロットで泣きボクロが特徴の日系アメリカ人。乗機を撃墜され流れ着いたマヤン島で鳥の人を巡る戦闘に巻き込まれ、鳥の人とノーム姉妹を守るために奮闘する。乗機はF-14→VF-0D→VF-0A。 - サラ・ノーム(声:小林沙苗)
マヤン島の古代文明を守る”風の導き手”と呼ばれる少女。当初はシンに対して警戒心を抱いていたが、島での交流と度重なる戦闘の中でシンに好意を寄せていく。 - マオ・ノーム(声:南里侑香)
サラの妹で快活な性格の女の子。姉とは違い最初からシンに対して好意的で、海中でキスをしたことも。ゼロでの事件の後にプロトカルチャー研究の第一人者となる。マクロスFに登場するシェリル・ノームは彼女の孫。 - ロイ・フォッカー(声:神谷明)
指揮官用のVF-0Sを駆る統合軍一のエースパイロット。酒と女をこよなく愛する豪放磊落な男であり可変戦闘機に不慣れなパイロットの教官役を務める。戦闘機を操縦するうえでのモットーは「大胆かつ繊細に」。 - ノーラ・ポリャンスキー(声:高山みなみ)
ワインレッドのSV-51γを駆る熾烈な女性パイロット。物語冒頭でシンを撃墜した事もあり両者の因縁が幾度も戦闘を呼び寄せる。 - D.D.イワノフ(声:大友龍三郎)
反統合同盟のエースでかつてのフォッカーの教官。機体に付けたマークからデイジー・イワノフの異名をとる。黒いSV-51γを駆るがフォッカーの戦闘方針とは異なる持論を持つ。 - アリエス・ターナー(声:進藤尚美)
文化人類学者で人類の進化にプロトカルチャーの影響があるという学説を調べている。フォッカーの大学時代の先輩で想いを寄せられていた。 - エドガー・ラサール(声:小森創介)
シンの後部席を担当するレーダー担当士官。陽気な性格で無口なシンの代わりによく喋る。2度の撃墜を生き残る悪運の強い面も。
メカニック
統合軍
- F-14 A++ スーパートムキャット
マクロス由来のオーバーテクノロジーによって強化された機体。Aと名付けられているが複座型。 - VF-0 フェニックス
試作中の可変戦闘機を急遽実戦投入した試作機。全30機が開発スタッフとともに空母アスカⅡに搭載されている。
反統合同盟
- MiG-29 フルクラム
こちらもオーバーテクノロジーによって強化されていると思われる。 - SV-51
VF-0よりいち早く完成した可変戦闘機。完成度もVF-0を上回るがサイズの巨大化、プロペラントの不足が目立つ。
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