超時空要塞マクロスとは、1982年に放送開始されたTVアニメである。
概要
超時空要塞マクロスは、スタジオぬえ原作、タツノコプロ・アニメフレンド制作のロボットアニメである。1982年10月3日 から1983年6月26日まで、毎日放送(MBS)製作、TBS系列で放送された。
元々は2クール(全23話)での放送が予定されていたが、関連商品のヒットやファンの後押しにより、1クール追加されて全36話が放送された。さらに、放送終了翌年の1984年7月に劇場作品『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』も公開され、これもヒットを記録した。
放送延長決定によりシナリオの再構成をする必要が生じたが、第27話「愛は流れる」を実質的な最終回として放送し、残り9話はその約2年後のエピソードを描くこととなった。戦後編と呼ばれるこの話は当時から評価が割れており、28話以降は見なくてもいい、いや見るべきではないという意見の方が圧倒的優勢ではあったが、当時から戦後編を評価する意見も存在していた。
現在では、この所謂「戦後編」が、後のマクロス7・マクロスプラス・マクロスフロンティア・マクロスΔといった銀河移民をベースにした後のマクロスシリーズへの重要な繋ぎの役割を担っている点を再評価されており、作品としての評価はともかく作品の意義としての価値は極めて大きくなっている。
当時の地獄のような制作スケジュールの中でいきなりの延長決定を受けるという劣悪な環境下にありながら、極めて短期間で現在までつながるマクロスシリーズの基礎を築いた当時のスタッフは称賛されてしかるべきであろう。
ストーリー
1999年、地球の南アタリア島に宇宙から落下してきた物体は、巨人の異星人が建造したと考えられる巨大な宇宙戦艦だった。
地球人類はそれを受け、長年の世界戦争の後に統合政府を樹立。落下してきた宇宙戦艦を改装して、異星人の襲来に備える事になった。その巨大な宇宙戦艦はマクロスと名付けられた。
そして、その進宙式当日、地球衛星軌道上に異星人の物らしき宇宙艦隊が超空間航法(フォールド)で飛来、マクロスはその艦隊に向けて自律的に主砲を発射してしまう。
ここに、地球人類とゼントラン(ゼントラーディ種族)の最初の接触と戦争の発端が開かれる事となる。
(のちの時代には第一次星間大戦と呼ばれる事になる)
マクロスは南アタリア島の市民の安全の為に待避する為フォールドを強行するが暴走・失敗し、南アタリア島ごと冥王星軌道まで飛ばされ且つフォールド機関を失ってしまう。マクロスは南アタリア島市民を艦内に収容後、通常航法で地球を目指す事になった。
この地球への帰還中の敵ゼントラーディとの幾度の交戦中において、地球固有の文化である娯楽や恋愛に伴う行為、特にキスやラブソングが、ゼントラーディに対して戦闘行為に支障を及ぼす程の衝撃を与える事が判明した。
それをゼントラーディ旗艦艦隊との総決戦時に、当時のマクロスの人気アイドル、 リン・ミンメイの歌の動画を全通信回線を通じて送信して、ゼントラーディ艦隊の混乱を誘発し、その間隙をついて旗艦に対し効果的攻撃を行い、その旗艦殲滅に成功する。
「柿崎ぃぃぃぃぃ!!!」について
主人公、一条輝の同僚で部下の柿崎速雄は物語半ばにして死亡する。
フォールドシステムの応用によるピンポイントバリアを強化することで実現した試作段階のマクロスの全方位バリアのバーストから逃げ切れず、消滅する。また劇場版においても、あっけなく撃墜されてしまった為、一部ファンの間で人気となった。柿崎の死亡の際に輝は「柿崎ぃぃぃぃぃ!!!」と叫んでおり、ニコニコ動画の柿崎動画で、よく弾幕として使用されている。
→柿崎
ちなみに柿崎の死亡フラグはサーロイン特大ミディアムステーキであった。
「俺のステーキ……」
(劇場版ではチョコパフェ・モンスター)
→ステーキ
同じく一条輝の先輩のロイ・フォッカーも物語途中で亡くなる事になるが、御酒半分でネタにする者は余り居ない。フォッカーの死に様はTV版、劇場版共に格好良く、またフォッカーがそもそも格好良い先輩キャラなのに対し柿崎はお調子者のキャラであったので、そこに大きな差があると思われる。
TV版に於けるフォッカーの死亡フラグはパインサラダであった。
→パインサラダ
登場人物
単語記事がある人は太字で記す。
地球統合軍
- 一条輝
- 早瀬未沙
- ロイ・フォッカー
- 柿崎(柿崎速雄)
- マクシミリアン・ジーナス
- ブルーノ・J・グローバル
艦長なのに部下に比べると目立たない人。禁煙のブリッジでタバコを吸おうとし、オペ子たちから注意される。 - クローディア・ラサール
マクロスのオペ子達の最年長。フォッカーの恋人。CVはのび太で、本作のナレーションも兼ねる。サラダ=死亡フラグの成立に関わる。 - キム・キャビロフ
ブリッジ三人娘の一人。Fの時代にはなんと中将にまで昇進していた。独身。 - ヴァネッサ・レイアード
ブリッジ三人娘の一人。戦後、ロリコン三人組の一人、ロリーと結婚するが、ロリーはニートになった挙句、他の二人とも同居する羽目になったため、ホステスになる。 - シャミー・ミリオム
ブリッジ三人娘の一人。戦後は玉の輿に乗って金持ちのボンボンと結婚、少子化問題など微塵も感 じさせない位子供を産んだ。
民間人
ゼントラーディ軍
- エキセドル・フォルモ
- ブリタイ・クリダニク
生身でバルキリーと戦う剛の者。ゼントラーディ人気No.1のナイスガイ。 - ミリア・ファリーナ
メルトランのエースパイロット。若い頃は赤ん坊の娘をいきなり放り投げるなどのかわいらしい奇行が目立ったが、マクロス7では小うるさいおばさんに成り下がってしまった。 - ラプ・ラミズ
TV版では普通の女性だったのに、劇場版ではロボットみたいなキャラにされた挙句、ボドルザーに瞬殺されてしまったかわいそうな人。 - カムジン・クラヴシェラ
TV版ではラスボスだったのに、劇場版ではチョイ役で死んでしまったかわいそうな人。それでもフォッカー先輩と相討ちに持ち込んでいる。 - ボドル・ザー(ゴルク・ボドルザー)
劇場版のラスボス。中の人である市川治さんは敵の総大将と聞かされ、いつも演ってるイケメンライバルのノリで演じたところ、後で化物みたいな奴と知ってたまげたという。
プロトカルチャァーー!!ウォァアアーーー!!! - ワレラ、ロリー、コンダ
放送当時の状況
放送時間は日曜日の午後二時からという、当時の子供なら昼食を食べて遊びに出かけている時間帯であった。
おもちゃがタカトクトイスから発売された他、プラモデルがイマイ(1/72)とアリイ(1/100)から発売された(バンダイは当初不参加)。放送時間の問題はあったものの、これら関連商品のヒットが放送延長に繋がった。
雑誌掲載は小学館のコロコロコミックが熱心に行なっていた。当時はガンプラブーム真っ盛りであったが、講談社のコミックボンボンに独占されていたため、これに対抗する意味もあったのだろう。
関連項目
マクロスシリーズの関連作品については「マクロス」の記事に詳しい記述がある。
- マクロス
- 愛・おぼえていますか
- バルキリー(マクロス)/可変戦闘機
- ゼントラーディ
- デカルチャー
- スタジオぬえ
- 板野サーカス
- スタープロ
- 毎日放送
- アニメ作品一覧
- 1982年のアニメ作品一覧
- スーパーロボット大戦シリーズ登場作品の一覧
- 超時空シリーズ
- ロボテック
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