召喚僧サモンプリーストとは、漫画「遊☆戯☆王R」に登場するカードである。通称「サモプリ」。
概要
天馬夜行(月行)が使用する、本人曰く「最新最速の高速召喚のモンスター」。
1ターンに1度サモンプリーストが白目をむきながら口を大きく開けて謎の呪文(夜行曰く「召喚呪文」)を唱え、レベル4のモンスターをデッキから呼び出す。ただし、この効果で呼び出したモンスターはそのターン攻撃できない。また、自身を生け贄にすることができない効果ももっている。
VS遊戯戦で使用。「残像の盾」でこのカードを守りつつ、自身の効果で「邪神ドレッド・ルート」のための生け贄を高速でそろえた。その後、遊戯は「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」でこのカードを戦闘破壊するものの、すでに夜行のフィールドには邪神の生け贄が揃ってしまっていた……。
見た目はカード名通り、老齢の僧侶といったところ。黒目が描かれていないため、常に白目を向いた状態になっている。特に呪文詠唱の場面は、口を大きく開けながら白目をむいて、よく分からない謎の言葉が口から出てくるという、なんとも形容しがたいシュールさがある。
このカードのカード名を日本語に直すと「召喚僧召喚僧」。同じ意味の言葉が2回続けられている。遊戯王ではこのようなネーミングは特に珍しくも無い(「王虎ワンフー」、「BF-疾風のゲイル」など)。
遊戯王OCG
Vジャンプ2005年8月号で実施の応募者全員サービス「エターナルRパック」でOCGに登場。テキストは以下の通り。
効果モンスター (制限カード)
星4/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1600
このカードはリリースできない。
このカードは召喚・反転召喚に成功した時、守備表示になる。
1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、
自分のデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、そのターン攻撃する事ができない。※遊戯王カードWiki による
特殊召喚効果に手札の魔法1枚のコストが付いたほか、召喚・反転召喚成功時に守備表示になる効果が付いた。漫画では特に効果がなくとも表側守備表示での通常召喚が可能であったためにこの効果に意味は無いが、OCGでは不可能なので搭載されたのだろう。
手札の不要な魔法や、墓地から回収できる「マジックブラスト」などをコストに発動すれば便利。通常召喚できないが攻撃力の高い「レアメタル・ドラゴン」などを有効に活用できるカード。
召喚ターンに攻撃できないので、攻撃せずにすぐに生け贄に捧げてしまう「ならず者傭兵部隊」や、そもそも(特殊)召喚したターンに攻撃できないトゥーンモンスターなどと組み合わせてやるとデメリットを帳消しにできる。
他にも通常召喚に制限がかけられている「ジェノサイドキングデーモン」や「ミスティック・ソードマン LV4」や、攻撃以外にその能力を発揮する「スナイプストーカー」などとの相性もいい。特殊召喚成功時にカードをドローできる「聖鳥クレイン」などもおすすめ。
というのが発売当初の評価。だが……。
登場当初はレベル4モンスターが主軸となる「宝玉獣」デッキなどで使用される程度だったが、後に遊戯王OCGに新システム、シンクロ召喚が登場。
このカードで適当なレベル4チューナーを呼び出せば、1ターンでレベル8シンクロモンスターの素材が簡単にそろえられてしまう。このカードの効果で「レスキューキャット」を呼び出せば、更なる展開につなぐこともできる。自身もレベル4なので、このカードAの効果で別の同名カードBを呼び出し、呼び出したBから「レスキューキャット」を呼び、「レスキューキャット」からレベル3以下の獣族チューナーを2体呼び、A、Bと呼び出したチューナーで「ダーク・ダイブ・ボンバー」などのレベル5~7のシンクロモンスターを2体シンクロ召喚、という即死級のインチキコンボも可能。
このコンボのことを「サモプリサモプリ猫ベルンベルン」と、まるで何かの呪文のような呼び方をすることがある。猫は「レスキューキャット」、ベルンはレベル3の獣族チューナー「X-セイバー エアベルン」のこと。
後ろに「DDBDDB」(「ダーク・ダイブ・ボンバー」2体)や、前に寒波(互いの魔法・罠を封じる通常魔法「大寒波」)がつけられることもあり、そうなると相手は絶望するしかない。
また、通常はレベル4だが、「ロード・ウォリアー」以外のシンクロ召喚時にのみレベル2となる「ロード・シンクロン」を利用すれば、「氷結界の龍 ブリューナク」や「ゴヨウ・ガーディアン」などの強力なレベル6シンクロモンスターを呼び出すこともできる。
特殊召喚したモンスターが攻撃できないデメリットもシンクロ素材にしてしまえば関係なく、また、デメリットとして課せられたであろう生け贄に捧げられない(リリースできない)効果も、相手が「溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム」で除去できないという、メリットにしか働いていない状態だった。強いて言うなら「死のデッキ破壊ウイルス」などのコストにできないくらい。
要するに、ほとんどデメリットなしでお手軽にシンクロモンスターが呼び出せるインチキカードと成り果ててしまったということである。シンクロモンスター自体に「ダーク・ダイブ・ボンバー」、「ゴヨウ・ガーディアン」、「氷結界の龍 ブリューナク」などの強力モンスターが数多く存在したことも原因だろう。
まさに「最新最速の高速召喚のモンスター」である。
この高速シンクロは非常に強力で、「レスキューキャット」とコンビを組んだ「レスキューシンクロ」と呼ばれるデッキは瞬く間に環境を支配し、そこらじゅうで白目をむいたおじいさんとヘルメットをかぶった白猫を見かけることとなった。
そして2008年9月1日、「レスキューキャット」と共にこのカードは準制限カードに指定される。だが、それでも同名カードの複数展開が可能であり、1体出せれば即座に即死級コンボを叩き込めたため、このカードを抑えきるには至らなかった。
1年後、2009年9月1日には「レスキューキャット」と共に制限カードに指定され、さらに同制限改訂で「ダーク・ダイブ・ボンバー」が禁止指定、「ブラック・ローズ・ドラゴン」が制限指定(後に解除)となったほか、一足先に「ゴヨウ・ガーディアン」や「氷結界の龍 ブリューナク」が制限になる(「ゴヨウ・ガーディアン」は後に禁止指定)など、シンクロそのものを含めて大きく規制がかけられた。
これによりようやく沈静化したものの、それでも「レスキューシンクロ」が強力であることには変わりなく、他のタイプのデッキと手を組むことで活躍を続けていた。その後「レスキューキャット」が2010年9月1日に禁止指定を受け、とうとう「レスキューシンクロ」は完全消滅してしまった。
そして、現在ではエクシーズ召喚が登場。このカードでレベル4のモンスターを呼び出せば、即座にランク4のエクシーズモンスターに繋ぐことができる。
そのような事情もあるので、今後規制緩和される可能性は低く、むしろいつ禁止指定を受けてもおかしくない状態となっている。
はずだったのだが、なんと2011年9月1日より準制限に緩和されることに。これは「ランク4のエクシーズを使ってね!」というコンマイからのメッセージだろうか。
その後もランク4デッキの基本カードとして活躍していたが、2014年前期に誕生した【光天使シャドール】で特に猛威を振るったため、10月1日付けで3年ぶりに制限カードへと戻ることとなった。
「エターナルRパック」以降、長らく絶版であり、その強力さから高レートであったため、多くのプレイヤーは入手するのに大変苦労することとなった。後に「ストラクチャーデッキ-ロード・オブ・マジシャン-」に再録され、かなり入手しやすくなっている。
2014年現在では「ドラゴニック・レギオン」「HERO'S STRIKE」「ザ・レアリティ・コレクション」などで再録の常連というべき立ち位置にあるため、ストレージに眠っていることも多い。入手も容易だろう。
その他の作品にて
アニメZEXALでは、徳之助に敗北した少年がこのカードを持っていることが確認できる。ZEXALの時代でも「最新最速の高速召喚のモンスター」の名は健在なのだろうか。
OCGでのこのカードの登場以前、遊戯王オンラインでは英語名が「Summon Priest」となっていた。OCGにおける正式な英語名は「Summoner Monk」。現在はOCGと同じものに変更されている。
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関連項目
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