変身シーンとは、アニメや特撮番組などにおいて登場人物の変身を描写したシーンのことである。
概要
人間が他の人間あるいは生物に変身するという物語は、世界中の神話や文学などで見ることが出来る。
中でも日本においてはアニメ・漫画・特撮・ゲームなど様々なサブカルチャーにおいて頻繁に使われる要素であり、「登場人物が超科学や神秘的な力により超人的存在へ変身し、事件を解決する」という類型の作品は枚挙に暇が無い。
このような物語では自然と登場人物が変身する一部始終を描写することになる。 特にテレビ番組(主にアニメ)で一話ごとに登場人物が変身する様なストーリー構成の場合、作画や演技の手間を防ぐため(と時間稼ぎ)にバンクが使用されることが多い。 変身シーンと言えば、大抵はこのバンクシーンを指して使われる言葉である。
アニメの変身シーン
アニメの中でも変身ヒーローとしての要素を持つ作品においては、必然的に変身シーンが多く見られる。やや古めの作品になると、バンクなどを使わず毎回本編の流れの中で主人公の変身を描いている作品も多い。
中でも、女性キャラクターの変身シーンにはある傾向が見受けられる。 それは直接的または間接的に変身者の裸体を描き、視聴者にエロティックな印象を与えることである。
当然例外もあるが、古くはキューティーハニーから近年はリリカルなのはまで、アニメの女性達はまるで義務であるかの様に一糸纏わぬ姿を曝け出し、別の何かに変わってゆく。 中には明らかに性的快感を感じているような表情を浮かべることすらある。
ただ男性視聴者を惹きつける為のお色気なら、プールや温泉などを絡めたエピソードを作れば良い。 日常的にも着替えや入浴のシーンがあれば女性キャラクターの肌の露出を楽しむには充分である。 では何故、彼女達は裸になって変身するのか?
現実には一瞬で服装が変わったり肉体が変化したりといった事は起こり得ない。 人間が自分の状態を変化させようとすれば大なり小なり労力が必要になるものであり、理想の姿が遠ければ遠いほど手間も時間も増えて実現の可能性すら低くなってくる。 その為、人は僅かな時間で別のものに変わる「変身」という甘美な幻想に強い憬れを抱き、そこに性的倒錯が発生してフェティシズムになりさえもする。
そういう意味では変身とはまさしく性的快感を伴う行為であり、それが通常のエロスと結び付くことで「変身シーン=女性の裸」という構図が出来上がるのではないだろうか。
いやもうどうでもいいや、でっちあげも面倒だ…
特撮の変身シーン
一方、基本的に実写である特撮となるとアニメと同じ様にはいかない。いや、裸云々ではなく。それもあるけど。
人間の姿が見る見るうちに変貌するという現実では有り得ない現象を表現するため、特撮スタッフは様々な工夫を凝らしてきた。単純なカットの切り替えやハメコミ合成から始まって、近年ではCG技術の進歩によって多彩な演出が可能になっている。変身シーンの進化はそのまま特撮の進化の歴史であると言っても良いだろう。
そんな中でも脈々と受け継がれてきた伝統が、変身ポーズの存在である。アニメにおいても変身とくれば何らかのアイテムを用い、特徴的なキーワードを叫んだりするのが通例だが、特撮においてはそれがより顕著であると言って良い。そもそもアニメにおける変身シーンも歴史の深い特撮作品から影響を受けている点が多い。
変身して戦うヒーローと言えば「ウルトラマン」「仮面ライダー」のイメージがあるが、変身ポーズの元祖は仮面ライダー2号である。1号はバイクに乗ってベルトに風圧を受けることで仮面ライダーに変身するのだが、1号を演じた藤岡弘、がバイク事故で入院した直後という状況な上に2号を演じた佐々木剛はバイクの免許を持っていなかったために急きょ考案されたのが変身ポーズである。仮面ライダーの大ブームと共に変身ポーズも子供たちを中心に大きく広がり、以降の特撮ヒーローには変身ポーズが欠かせないものとなった。
逆に「ウルトラマン」には特にこれといった変身ポーズが存在しなかったが、仮面ライダーが大ヒットした後の作品である「ウルトラマンA」の途中からブームに乗っかり大きな動きを取り入れた変身ポーズをするようになった。
しかし近年、変身ポーズ自体は単純化の傾向にある。これは玩具技術の発展によって、市販の変身アイテムに様々なギミックが搭載される様になった事が原因だと思われる。結果、アイテムを操作する為の「作業」が変身ポーズの多くを占め、変身を引き起こすための「動作」「所作」が取り難くなっているのではないだろうか。
以上は2010年現在の文章(一部)であり、つい最近(2013年)は再び派手な変身ポーズや変身シーンに回帰しつつある。 変身アイテムを操作するだけで変身できるという行為を逆に利用して、あえて派手な動きを付けた変身ポーズを披露するヒーローが増えてきた。また変身シーンの一部には特徴的な声や効果音がつけられ、変身シーンが印象強いものになっている。
さらに「獣電戦隊キョウリュウジャー」ではサンバステップを踏みながら変身するという斬新な変身シーンが登場した。「仮面ライダー鎧武」に至っては「衝撃の変身シーン!」と変身シーンそのものを作品のウリにするという公式が病気な点で話題を集めた。
コンピュータゲームの変身シーン
さり気に多岐に渡るのが、コンピュータゲーム(以下「ゲーム」)内での変身シーンである。
FCの時代から見ればドットによるアニメーションで「変身」を表現しようとした例は数あるが、ゲーム機の進歩により作中でムービーを挿入することが可能になると、もはや上記のアニメや特撮と変わらない演出が見られる様になった。
さらにゲーム全体に3D化の波が押し寄せると、今度はアニメでも実写でもない3DCGによる変身シーンが多く見られる様になった。製作者にアニメ世代が増えてきているせいか、やはり女性キャラクターの変身シーンはフヒヒな場合が多い。
一方で3Dでもフルアニメーションでもなく、少ない枚数の絵に様々な演出を施すことで変身シーンを表現する例も多い。これは一般ゲームほど制作費がかからないPCのエロゲ恋愛アドベンチャーゲームによく見られる。
BGM
変身シーンに合わせて流れるBGMもシーンをもり立てる大事な要素である。朝からライブハウス「キュアメタル」の高梨康治氏のプリキュアシリーズ作品が世間での評価が高い。
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