転生大聖女の異世界のんびり紀行(てんせいだいせいじょ の せかいのんびりきこう)とは、日本の小説作品である。コミカライズもされている。(既刊 5巻)
あらすじ
睡眠時間ほぼゼロのブラック企業に勤める「花巻 比留音(はなまき ひるね)」は、心の純粋さから女神に加護をもらって異世界に転生した。
加護のおかげで魔力は妙に多いし、聖魔法がやたらと万能。
ふかふかの布団で思い切り寝たいだけの比留音は、聖魔法を駆使して仕事をサボろうとするが……
周囲の評価は上がっていく一方、これでは前世と同じで働き詰めになってしまう。
どうやら噂だと大聖女になれば、自分の教会がもらえて、自由に生活できるらしい。
彼女はのんびりライフのために頑張って大聖女になるが……あれ、結構忙しい? あとすごい崇拝されている気がする……こんなはずでは……。
このお話はマイペースにスローライフを満喫していたら、伝説になってしまった居眠り大聖女の物語である。
登場人物
主要人物
※ 左は今世においての氏名。右は前世の氏名。(現時点ではヒルネしかいない。)
(˘ω˘)スヤァ・・・・・・・・・・・・(˘ω˘)スヤァ・・・・・・・・・・・・おっと、いかんかん・・・
本作の主人公。 8歳(物語開始時点)
母子家庭に生まれ、前世はバイトで学費を稼ぐ・仕事をこなす勤勉な女性であったが、日々の残業続きで疲労困憊となっており、意識がもうろうとした状態で赤信号を歩行中の所事故にあい逝去。(享年22)
死後、女神ソフィアの計らいで異世界「エヴァーソフィア」に転生するが、路上で寝ていた状態になっていたところをゼキュートスに救われ、彼の庇護のもと西の教会で大聖女を目指すことになる。出自は孤児と言うことになっている。
前世は親孝行で勤勉であったが、今世ではかなりののんびり屋で周囲を無自覚で周囲を振り回している。
このことは、ゼキュートスやワンダの頭を抱えさせる元になっていたり、ホーリーからはやや呆れられ、メイド達からは迂闊な行動が目立つ、ジャンヌからは「しっかりして下さい。」とまで言われているが、ふとしたことで後に間接的に人々を救済する糸口の役目を果たすこともある。
眠そうな顔をしながら周辺に奉仕したり、何処でも構わず眠ってしまうことから「居眠り姫」と呼ばれている。聖女マニアと言われるボン・ヘーゼルも含め、隠れファンが存在している。
前世(花巻 比留音)の外見は「黒髪であること・眼鏡をかけていること」以外は今世のヒルネと大差ない。
前世の記憶も引き継いでおり、時折前世の黒歴史を思い出し何とも言えない気持ちになる。
ジャンヌ
南方出身。ヒルネの身辺を世話するメイド見習いで、ヒルネが聖女に昇格したと同時に正規のメイドになった。身寄りのないヒルネをサポートするためゼキュートスが任じた。
主にヒルネの身辺の世話で同年齢のヒルネやホーリーに対しても敬語であるが、彼女らがいないところでは歳相応の少女であり、何でもこなすとされているが運動神経は鈍く、そのことで教育係のメイドから叱責され落ち込むこともあった。
基本は努力家であり、メイド見習いから模範の対象となっていたり、近隣の大人からはしっかりとしてよく出来ていると評されている。
後に大聖女となったヒルネの補佐として、南方地域に向かうことになった。
当初はのんびり屋のヒルネに振り回されていたが、扱いが慣れてきてヒルネが彼女の尻に敷かれている。
ヒルネが時々、発する言葉「残業」・「就労」などを難しい謎の聖句と唱えていると思っている。
ホーリー
ヒルネより 3カ月前に聖女見習いとなった少女。
ヒルネの好敵手(ライバル)的位置づけであるが、徐々にヒルネの影響を受け、世話焼き的で頼りないヒルネを奮い起こすポジションのような感じであり、どこか抜けたような感じのポジションになる。
彼女も優秀であり模範的である。
ジャンヌと共に大聖女となったヒルネの補佐として、南方地域に向かうことになった。
ヒルネの関係者
ワンダ
30代ぐらいの女性。ヒルネ・ホリーら聖女見習いの指導者のちにゼキュートスの計らいで聖女相談役に任じられた。彼女も元は聖女である。
一見、容赦なく厳しく印象であるが、本質は自身も大聖女を目指していたこともあり、決して平坦な道のりではないと言う経験から甘えを捨て、あえて厳しく指導している面もあり、大聖女を目指す彼女たちに否定的ではなく身を案じている。
情の篤い一人の女性という面も垣間見えることもある。
後に大聖女となったヒルネ、聖女ホーリーらの教育係として南方地域に向かうことになった。
ゼキュートス
60代ぐらいの男性。大司教。ヒルネが路上で寝ていたところを見つけ教会に保護し彼女の後見人となった。ヒルネの今世における養祖父または養父。
洞察力に優れ、「この世界の人間でないのでは?」と思うほどである。またヒルネの潜在能力の高さも見抜いている。
メフィスト星教の有力者の一人で、聖女昇格可否会議に出席し、ヒルネ・ホーリーを推挙した。
自己犠牲の精神を持っており、いざと言う時の我が身を犠牲にしても大衆を守る意思を持つ。
ヒルネの自由奔放ぶりに頭を抱えることがあるが、彼女の行く末を案じている。
大聖女(四方の大聖女)
(※ 人物紹介については登場人物の主要人物の項を参照。)
当初は任官者がおらず空席となっていた。後にヒルネが南の大聖女となった。
先代:南の大聖女マルフィーヌ
先代の南の大聖女。
物語開始以前に大聖女を退いたため、ヒルネが大聖女になって南方を担当するまで空席だった。
西の大聖女 ???
東の大聖女 サンサーラ
東の地「イグズバニ」にいる。聖女昇格可否会議に列席し、聖女見習いの聖女試験に可否を出せる立場とされるうちの一人で、ゼキュートスとザバンの間を仲裁する役割を持っている。
その他の人物
ザバン
大司教。60代ぐらいの男性。
ヒルネの素行の報告を聞いてヒルネの聖女昇格に消極的であったが、ママミランの話を聞いて聖女昇格に同意した。
ホーリーについては特に報告を聞いておらず、彼女の聖女昇格についても同意している。
ママミラン
司教。50代後半ぐらいの男性。ザバン派でヒルネを養子にして取り込む目的でヒルネに接近したが、ヒルネの能力に驚くも、「確固たる後ろ盾があった方がいい。」と養子を提案するも罪悪感に苛まれ、撤回しホーリーと共に聖女昇格に推薦することを約束。
聖女昇格可否会議に出席し、ヒルネに特別なものを感じ「早く聖女に昇格させ経験を積ませるべき。」と進言した。
ボン・ヘーゼル
キノコの形の髪型をした中年の男性。貴族であり伯爵。建築商を営んでいる。聖女マニアと呼ばれるほどの聖女好きであり、聖女の事に関しては知識が豊富で誰よりも聖女を崇拝している奇特な人物と評されている。
聖女好きと呼ばれるきっかけとなったのは「幼少時代、両親が聖女に救われたから。」
メフィスト星教に対して莫大な寄付を行っており、教会からは重要人物と見做されている。
教会に見学に訪れ、聖女見習いたちの様子を見て関心していた。
特にホーリーを「幼いながら堂々としたていて滑舌も止まることなく、滑らかに流れようだ。」と評し、
ヒルネは「見目麗し容姿で目を引くが、ぼんやりとしていてねとても頼りがいがあるように見えんな・・・」と評されたが、聖句を聴いて感涙し、ヒルネに対して「近い将来、聖女になるからその支度金」として金貨 100枚を寄付していった。
後に大聖女に昇格したヒルネが南方地域に向かうにあたり、支店進出した。
ジジトリア
南方の老齢の大司教。
盲目のジャージャー
この世界の聖書に登場する伝説上の人物。二つ名から盲目であると推測されるが種族は不明。
名前は不詳。ヒルネの前世における母で、比留音(ひるね)を一人で育て上げた。(夫は他界したのか離婚したのかは不明。)
ヒルネが社会に出る前に逝去した。ヒルネにとっては前世も今世でも大切な存在である。
用語
聖女見習い
大聖女を目指す女性たちがまず通る道である。通常は試験を経る。
ヒルネはゼキュートスの後見人になったと同時に彼の計らいで試験を経ずになっているため、試験内容の詳細は不明であるが、それ相応の人格が備わっているかどうか・潜在的な魔力などを試験内容と思われる。
聖女昇格可否会議
教会の有力者の間で行われる。聖女見習いの中で聖女に昇格させるかを複数人の合意のもと行われる。
魔力だけではなく普段の素行も考慮して決められる。
聖女昇格の儀/試験の祈り
教皇の聖句・聖歌隊による合唱の後、女神ソフィアに祈りを捧げ聖女になる許しを乞う。
メフィスト星教の特別な 5つの祈りの間のうち 1つ選び入室する。
聖なる光が全身から放たれることで聖女に昇格する。
ホーリーは 5時間で聖女に昇格したがヒルネは 3日と12時間以上かかって、ようやく昇格した。
聖女
聖女昇格可否会議の選定と試験の祈りにて聖女昇格の儀を経てなることが出来る。定員は不明。(合格した者が該当する。)
専用の自室を用意され、見習い時代のメイドが引き続き担当する。
主に地方遠征して魔物に汚染された物や土地などの浄化を行うが危険も伴う。
また、不特定多数に危害を与える皆既月食と言う禍々しいものの対処は十数名かかりで長時間で行われる。
大聖女
聖女の中聖女が選ばれる稀なる浄化の能力が優れた女性達で、東西南北それぞれに配置される。定員は各 1名。
権限は大司教らと同格か、それ以上の権限と影響力を持つとされる。
メイド見習い
見習い・正規にかかわらず、主に聖女見習い・聖女の身の回りの世話など行うが、他にも教会周辺の貴族家や王室などに奉仕もしている。
一定の修行を経て他の土地へ移住して貴族家や王室に仕えるが、引き続き見習い時代からの聖女(聖女見習い)に仕え続けることもある。
オムレツ
ジャンヌの接待に感心した貴族がジャンヌに下賜(かし)した巨大なコカトリスの卵を使い、料理長協力のもと、ヒルネが前世の記憶を基にみずから調理して作りあげた。
地元住民にもふるまわれ、ヒルネ考案の施しと見做された。
スクランブルエッグ
孤児のジャンヌがオムレツの存在を知らず、何故かスクランブルエッグの存在を知っているようで、大衆に広く知られていると思われる。
エヴァーソフィアに元々あったものではないようで、ヒルネ以前にヒルネが転生した時代より前の時代に別の転生者が伝授して後世に残ったものと思われる。
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関連項目
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