風の谷のナウシカ(かぜのたにの―)とは、
概要
もともとは宮崎駿による漫画連載。これを原作として1984年に映画化され、当時としては大ヒットとなる。
映画公開後も漫画の連載は続けられ1994年に完結した。
「火の七日間」と呼ばれる大戦争により巨大産業文明が崩壊した時代の地球が舞台。複雑高度化した技術体系は永遠に失われ、人類は猛毒の瘴気を生み出す菌類の森『腐海』とその森の番人である巨大な蟲に怯えながら各地で多数の小国を建国して生き延びていた。
物語はそのような小国の1つ『風の谷』の族長の娘ナウシカが『腐海』の探索をしているシーンから始まる。
映画版
ストーリーは過去の文明の負の遺産である巨神兵と、大国『トルメキア』と『ペジテ』の衝突、そして腐海の真実などをメインとして進められ、最終的にナウシカが腐海の主である巨大な蟲『王蟲』と和解することで自然と人間の新しい契約を結んだところで完結となる。
実は当初映画版のラストは大海嘯を止めるために吹っ飛んだナウシカがそのまま死亡するという内容(映画公開の為に書き始めた原作漫画が当時2巻前半までしか量がなかったため、劇場用のシナリオが難航していた際、宮崎駿がこう言い放ったとされる)だったが、鈴木Pが大反対し、結果あのエンディングになったという逸話がある。
オープニング直後にナウシカが王蟲をなだめるシーンで、ユパがそのなだめ方を解説をするという、視聴者に優しいアニメ映画。
終盤ではクロトワが「腐ってやがる。早すぎたんだ」と巨神兵の溶ける理由についても解説してくれた。
漫画版
全7巻。映画版は1984年に公開されたが、漫画版は1982年から1994年にかけてアニメージュ誌上で連載されていた。
そのため映画版は途中(漫画版でいう2巻前半まで)の内容しか描かれていない。これは映画の企画が立ち上がった際、「漫画原作でないものの映画化は難しい」とスポンサーサイドから言われた為、漫画原作を先行して連載し、その内容を映画化するという形を取ったためである。
映画版と大きく異なる部分も多く、ナウシカ達の戦いはさらに激しさを増して続いていく。映画公開後の宮崎駿の心情の変化などを反映して、方向性も大幅に変更されている(下記参照)。
宮崎駿の漫画表現力とストーリー構築力を堪能できるが、グロいシーンも結構あるのでトトロやラピュタの感覚で読まないように。
映画版と漫画版の違い
- 映画版では殺されるジル(ナウシカの父)が漫画版では殺されない。最終的には自然死。
- 映画ではクライマックスの王蟲の大移動(大海嘯(だいかいしょう))を止めても物語は終わらない。むしろそこから悲劇が始まる。
- 物語の軸がトルメキア王国と土鬼(ドルク)諸侯連合[2]の戦争であり、風の谷やペジテは辺境の小さな国に過ぎない。
- トルメキア皇女クシャナは侵略者というより、ナウシカ達とともに成長するもう一人の主人公ともいえる立ち位置である。
- 過去の文明の遺産がガンシップ、巨神兵などのほかにも数多く登場し、重要な役割を果たす。
- 終盤では自然との調和というテーマがやや弱くなり、人間の業が生み出した過去との対峙が多くなっている。これは宮崎自身が後にメディアで語っているように「反核・反原発」の立場を取ったためである、との見方が強い。
- ナウシカ自身の描かれ方もかなり違いがあり、映画版では成熟した物の考え方をしているが、漫画版では精神的に不安定だったり脆かったりする部分が多い。
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関連項目
- ナウシカ
- クシャナ
- 宮崎駿
- スタジオジブリ
- 漫画作品一覧
- アニメ作品一覧 / アニメ映画の一覧
- SF
- メーヴェとコルベットの戦い
- メーヴェ
- 腐海(ナウシカ) / 腐海 / ここもじき腐海に沈む
- 巨神兵
- 腐ってやがる。早すぎたんだ
- なんちゅう脆い船じゃ
- リーグ
- 虫愛づる姫君
脚注
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- なし
兄弟記事
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