Spec Ops:The Lineとは、2K Gamesから発売されたミリタリーTPSゲームである。
北米版は2012年6月26日、日本版は8月31日発売。
開発はYager Development、販売は2K Games。Xbox 360、PlayStation 3、PC（Steam）でリリースされた。
SteamとXbox版はライセンス切れで2024年1月に販売を終了した。
概要
1998年に発売された『Spec Ops』シリーズの最新作。
日本での愛称は「ドバイ」で、合言葉は「ドバイへようこそ」。
屈指の鬱シナリオで知られている。
あらすじ
アラブ首長国連邦・ドバイ。この中東屈指の大都市を、史上最大級の砂嵐が襲った。
政府高官や富豪が逃げ、取り残された民間人の救助を目的とし、アメリカ政府は救助部隊の派遣を決定する。
アメリカ陸軍第33歩兵大隊指揮官のジョン・コンラッド大佐は難民の救助任務に志願。しかし苛烈な砂嵐は連絡手段の途絶、物資の枯渇、更には治安の悪化を招き、ドバイは事実上の無政府状態となってしまう。首長国連邦政府はドバイへの侵入を禁止、アメリカ政府も派遣部隊の全滅を宣言。
事実上、ドバイはこの地上から隔絶されてしまった。
それから6ヶ月後、突如としてコンラッドからのメッセージがドバイから発信される。
録音されたメッセージはループ再生されており、ドバイ脱出の試みが失敗した事、多数の犠牲者を出した事を告げていた。これを受け、アメリカ陸軍はコンラッド大佐の生死、および生存者の確認の為にマーティン・ウォーカー大尉、アルフォンス・アダムス中尉、ジョン・ルーゴ軍曹、３名のデルタフォース隊員を現地に派遣する。
３人は徒歩でドバイに向かうが、道路の脇には避難民の遺体や放置された車両が多数転がっていた。更に避難民の生き残りから襲撃され、先遣の33部隊も同じ運命を辿った事を知る。
連れ去られた同胞を救うべく向かった先で、３人は思いがけない、そして凄惨な事実を目の当たりにする。
33部隊は秩序の維持を目的とし、救出した避難民に対して粛清と虐殺を決行。恐怖で支配し、異論を唱えた将兵までもが処刑されていた。
更に何故かCIAがこれらの事件に関与しており、遂にはアメリカ人同士の間で銃撃戦が始まってしまう。その後、33部隊がCIAエージェントを捕らえて拷問にかけ殺害したという事実を前に、３人は33部隊こそが「敵」であると認識する。
「ゲート」なる場所を守備する33部隊に対し、ウォーカーはルーゴの制止を無視して迫撃砲と白燐弾を使って攻撃。
悲鳴が途絶え、反撃がなくなった所で陣地を進むが、実は「ゲート」の守備についていた33部隊は避難民の避難誘導を行っていたに過ぎなかったことが判明。「ゲート」の奥では、多数の避難民が白燐弾に焼かれて死んでいた。これが原因でウォーカーは心を病み、自分は悪くない、悪いのは33部隊とコンラッドだと主張するに至る。
33部隊を率いて恐怖で無法地帯を支配するコンラッドを求め、その後も３人は捜索を続けるが……
補遺
本作のシナリオは多くの小説から影響を受けている事をシナリオライターは語っている。
中でもジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』と、『闇の奥』を原作としたフランシス・フォード・コッポラの映画『地獄の黙示録』の影響は大きく、ジョン・コンラッドのキャラクターは『闇の奥』に登場するクルツ（『地獄の黙示録』ではカーツ大佐）を髣髴とさせる。
エンディングは４つあり、途中の選択肢によって決定する。なおどうあがいても絶望。
チャプターの各所に機密情報（インテル）があり、それによってウォーカー大尉がドバイに潜入する以前の出来事や潜入中の仲間の心情などを知る事が出来る。
ランダムで砂嵐が発生。視界の悪化、仲間とのコミュニケーションの途絶、強風による高所からの転落死なども起きる。
「砂に埋もれた都市」ということもあり、窓を撃って割れば、外に溜まっていた砂が室内に流れ込んでくるといった芸の細かさも目立つ。
作中では時々幻覚を見ることがあり、近づいた際に遠くで見た時と明らかにイラストが違ったりする事がある。（あるシーンから先はそれが顕著になる。）
キャンペーンモードのほかにマルチプレイモードもあり、マルチプレイモードではThe ExilesとThe Damnedのチームに分かれて対戦する。
またチームに所属するとチームボーナスを受けられるが、これはチームごとによって違っている。そのほかにもチームごとによってアクセサリーや迷彩、ヘッドが大きく違うという点もある。
ドバイが陰惨な舞台にされている事もあり、アラブ首長国連邦では販売禁止になっている。
また同国からの関連サイトへのアクセスもブロックされており、SteamやPSNでも購入に制限がかかっている。
関連動画
関連項目
外部リンク
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