ニコニコ大百科

作風の違いとシナリオの改変で旧作とは別方向での面白さの開拓を目指した制作陣の意欲と、作品単体で見ての美術、映像技術、作画クオリティの高さは評価したい。

ただ、リメイク作品として見比べた場合、作風、テーマ面が違いすぎて、見終わった感想は「最早これは鉄人兵団ではない」だった。それほどにリメイクと旧・原作漫画は語っている内容が違う。
原作には戦争映画的テイストが多分に含まれていたのだが、その要素が新作ではスポイルされ、ほとんど死んでいた。
ジュドの頭脳改造を否定した上で生み出されたのがピッポであり、彼との表面的な友情を前面に押し出す展開には、醜悪な子供騙しを感じて一時は制作陣の原作愛を疑った。
ただ、旧アニメでオミットされ憤慨した、階段に座り思い詰めるリルルの原作描写を復活させたりと、端々でスタッフの原作愛が伝わってきただけに、リメイクの難しさを痛感する。

諸々の改変の影響を受けたリルルのキャラ性と彼女の作中の働きは、原作とはかけ離れたものであり、ひたすらに悲しい。
個人的にはロボットであるリルルが見せた「人間らしさ」における感動は、圧倒的に原作に軍配が上がる。

リルルに感じる「人間らしさ」の感動が鉄人兵団肝だと思う自分は、旧アニメの「天使」フレーズの押し売りによるリルル神聖化にも疑問を感じた。
大切なのは、地球人奴隷化の使命を帯びたスパイである彼女が、葛藤の末にやがては結果的に祖国を裏切り、自身も消滅する直前に最後にしずかちゃんに向けた言葉「お友達になってね」だと思うんだが‥…
あの瞬間に、2人の間には地球もメカトピアもない、友情は種族も立場も敵味方も越えて育まれるというメッセージと尊みが伝わってくるのが、個人的一押し感動ポイントである。

こうして意見を口にしてみると、ロボットスパイ少女の葛藤と、現地敵国民との間に交わされる少女二人の友情の尊み、そこからの避けられぬ悲劇的別れの運命など、見ようによってはフェチ要素と取れないこともない。
これらは藤子テイストという名でオブラートに包まれて、密かに少年少女に向けて仕込まれた毒ではないだろうか。
新ドラはちょっと優等生を狙いすぎて、全体的に毒抜き健全テイストなのが物足りないと感じる理由かもしれない。

BUMPインタビューで
新鉄人兵団の友達の唄はリルルとのび太を主軸に書いた歌だって記事見て
あの旧作の撃つ撃たないの所のシーンはやっぱり印象に残るよなぁと思いつつ
それから膨らんだ歌なんだと理解してから今度abemaで12日にやる
新鉄人兵団をまた違った視点で楽し見たいと思いました。

「脳味噌を改造するなんて残酷だ！」って言うけどさ、
相手の外見を強制的に可愛い動物に仕立て上げて
元の名前は奪われて
しかもそのせいで故郷に帰れなくさせる
それはある意味でもっと残酷な話じゃないのと思うんだが？

好きな映画だけどミクロスのリストラだけがねぇ
映画見てた当時、「ピッポとミクロスの絡みが楽しみだな」って思いながら見てたら最後まで出てこなくて残念だったわ…

ミクロスに関しては原作の段階で持て余してる感があったんだよなあ
導入部の賑やかしは別にしたら、既に言われてるようにミクロスの役目って過去のメカトピアに行くための助言役でしかない
別に消えたわけでもないのにラストの空き地コマやその後にも出番がないのもちょっとつらい

リルルを旧作以上に軸に置いたリメイクならミクロスの代わりにピッポは正しいと思うわ
旧だと正直しずちゃんとリルルだけで全部解決してしまった形になってたのをのび太とも上手く繋げられたと思うし

After the Rainの｢解読不能｣の歌詞聞いていると
この映画を思い浮かべる

今日のドラえもん(TV)でミクロスが出てて驚いた

元はクライマックスシーンでしずかとリルルがドラマの中心に移った事で、のび太やドラえもんがドラマからフェードアウト、リルルの決意も知らず勝利に歓喜するだけの添え物にされてたのが納得行ってなかったんでその改変は嬉しかった。
リルルが地球で感じた事をアムとイムに伝えてあげればいい、って所も好き

けどリルルに関してあんまり暗い過去とか、搾取される労働ロボット側だったとかそういうのは違うかなって……
元々立場としてはロボット至上主義を盲信して結構高い意識で任務を遂行してたのが人間に感化されていくって感じだし(ピッポよりは恵まれてそうではあったけど)

再度見直してみたが勘違いだった、リルルは労働ロボット側ではなかったっぽいね。
ピッポ（ジュド）が虐げられてる現場を目の前で見てきたので最初からメカトピアに反発を抱く切っ掛けがあるのはそうだけど
小説版の方とかその辺詳しく描写してそうだから読んでみたい

リルルって沢城みゆきさんが演じてたのか…やっぱプロの声優ってスゲェな…まぁこの作品は中身もキャラも何もかもよかったよな…個人的にドラえもん映画では一位かもな…

>>69
むしろ「そこ変えちゃうのか…」って思ったわ、
自分達が何を犠牲にして勝利したのか気付かないまま勝利に酔いしれるって
それに気付いてるのは視聴者だけって

>>64
脳改造されたら、名前を気にすることも出来んし、故郷に帰りようがないんだが。
ただの傀儡よ。

>>60
＞今思うとロボットというかメカの作画の主流が手書きから3Dになる直前に公開されたんだね

いや、これが公開された2011年はもう3DCGが主流で、手描きは既に減少傾向だったよ

＞いまリメイクしてもシンエイはザンタクロスはセルで描くだろうけど

セルはセル画の事で、手描きという手法の事ではないよ
そして、映画ドラえもんはロボット王国を最後にデジタル制作に移行

＞将来手書きロボの末期の最高点の一作みたいに紹介されたりして

その後も、数は減らせどもガンダム筆頭に手描きロボアニメが今に至るまで作られているので、「末期」は名乗れない

尺の都合や元々戦闘は重要視されてなかったとはいえ、最後の戦いで最初からバカ正直に真正面から突撃するドラえもんは見たくなかったよ…

尺が1.5倍あったならミクロスとピッポの絡みは出来たかもしれないな。
でも、前の映画だとただの巨大戦力でしかなかったザンダクロスをピッポというキャラとして交流してくれたの点は評価出来るよ。

>>64
別にピッポはのび太達が勝手にそう呼んでるだけで強制したことは無いんだが…(ピッポの方が可愛いとは言っていたが)

人格消滅よりかはマシじゃね？

副司令官が立ち位置と演技のせいでエスカルゴンにしか見えない

おそらく新魔界大冒険と並んでわさドラ世代と大山ドラ世代での賛否が一番はっきり別れる映画だと思う
大魔境・宇宙小戦争はこれらよりもアレンジが控えめだし、新日本誕生は改変部分が概ね好評寄り
話自体は十分に面白いんだけどやっぱミクロスを消したのとピッポ周りの話は全体の根幹に関わりすぎるから旧版の方が良かったという気持ちは分かる

この作品のバトルではメカトピアの敵メカを破壊しまくるが、
もしあれが人間だったら絶対やってない、ロボットだからOKなんだろう

でもそれって「人間はロボットじゃないから奴隷にしてもOK」とか言ってたメカトピアと何が違うのということになる
地球交響楽を観たあとだとロボットならOKとも思えないし

別に映画を批判したいわけじゃなくてそう考えると深いなと思った

正直に言って、某種死の代わりにスパロボYに参戦して欲しかった。

冒頭で地球破壊爆弾出してたけど何でこれをメカトピアに使わなかったんだ…。

久々に見返してみたけど、仮定として原作が存在せず、この内容が完全にオリジナルの新作映画として上映されていたら、ひみつ道具博物館や月面探査記、絵世界物語級のわさドラ映画の最高傑作として絶賛されてたくらいの出来だと思う

ピッポの心情が本当に丁寧なんだよ、少しずつ相互に理解していって、最後の「その名前だいすきだったよ」ってところなんかもう…
小林由美子の演技力もすごくて、終始揺れ動く気持ちを本当に丁寧に演じ切ってるんだ
背景美術もかなりの出来で、全体的に曇天の場面が多く、それが最後に雲間から光が差してリルルを天使に見立てる構図に繋がってるんだよな、演出もよく計算されてる

この作品が色々言われるのは、やっぱり原作が特に人気が高く、リルルも人気の高いキャラなので、どうしても原作にいないキャラが目立ってたとか、異物感とかがあったんだろうなって
それで「単品の作品として」しっかり評価されてなくてもったいないと思う