アンジェリークルミナライズとは (アンジェリークルミナライズとは) [単語記事]

急募、女王候補――

アンジェリークルミナライズとは、コーエーテクモゲームスが発売しているゲームソフトである。
公式の略称は「アンミナ」。

概要

アンジェリークルミナライズ
基本情報
ジャンル	恋愛シミュレーション
対応機種	Nintendo Switch
開発元	コーエーテクモゲームス
発売元	コーエーテクモゲームス
発売日	2021年 5月20日
価格	■通常版・DL版 8,580円(税込) ■トレジャーBOX 15,180円（税込）
対象年齢	CERO:B(12歳以上対象)
その他
ダウンロード販売対応
ゲームソフトテンプレート

元祖ネオロマンスにして最古の乙女ゲームシリーズ・アンジェリークシリーズの最新作。リメイクや外伝（『ネオ』を含む）を除き、『アンジェリークエトワール』以来約18年ぶりとなる完全新作。キャラクターデザインは紗与イチ。

アンジェリーク・リモージュが治める「神鳥の宇宙」、アンジェリーク・コレットが治める「聖獣の宇宙」に続く第三の宇宙「令梟(れいきょう)の宇宙」が舞台となり、登場人物も過去作から一新されている。（宇宙間の守護聖同士の交流はあるので過去作と隔絶しているわけではない）

また、本作から「別のネオロマンスシリーズとの声優被り」が解禁されており、ゼノ役の島﨑信長氏は既にネオロマンス作品「下天の華」で森蘭丸役を演じている。

そして今までのシリーズでは主人公＝プレイヤーキャラの年齢が16～17歳の女子高生だったのが、今作では社会人の25歳という設定になったことでも話題となった。乙女ゲー界隈もプレイヤーの年齢層が高まっているという判断かもしれない。

あらすじ

“宇宙は、「女王」と9人の「守護聖」たちに守られている”

そんな話は神話やおとぎ話として語られる時代、令梟の宇宙の片隅の惑星で社会人三年目のアンジュは日々に疲れ、限界を感じて転職を考えながらバーでひとり酒。

酔いが回ってきた頃、謎の男性に「あなたにしか出来ない仕事」として「聖なる地で女王になる」という胡散臭い「転職」を持ちかけられるが、アンジュは童話ごっこの冗談だと思い契約書にサインしてしまう。

その瞬間、現れたのは――ペガサスに乗った金髪の男性。

「契約したな、女王候補。お前を迎えに来てやったよ」

……こうしてアンジュは「飛空都市」へと連行され、「女王候補」として「女王試験」に挑む羽目になるのであった。

システム

手持ちの体力をうまく使って、
飛空都市の人間関係を掌握し、
ライバルに勝って女王を目指す。
（恋愛もあるよ）

主人公とライバルは「女王候補」として「飛空都市」に滞在し、より良い「大陸」を育成するという「女王試験」に挑むことになる。

大陸は守護聖たちが各々の司る力「サクリア」を送り込むことによって成長するため、主人公たちは現在大陸が必要としている力がどれなのかを判断し、平日の行動で対応する守護聖に「育成」を依頼していく。また、逆にライバルの大陸から力を奪う「妨害」を依頼することも可能。主人公には「体力」があり、一日ごとに体力を消費する行動の回数に限度がある。

土の曜日には大陸の視察や買い物が可能。月に一度の「定期審査」も土の曜日に行われる。定期審査では大陸の発展度を比較する「発展度審査」もしくは守護聖からの評価を比較する「支持審査」のどちらかが行われ、より高い評価を受けた女王候補が定期審査の勝者となる。勝者側の体力が増加するため攻略的にも重要な要素。

日の曜日には守護聖とデートをして仲を深めることが出来る。恋愛イベントを重ねると恋人になることも可能。仲良くなった守護聖は依頼をせずとも育成や妨害を行うことがあるため、女王試験にも有利になる。また、本作では過去作では不可能だった「恋人になった状態でゲームを進行する」ことや「恋人状態でのデート」が可能。

毎日の行動が面倒な場合等に、サイラスに育成する属性や交流する対象等の行動方針を指示して一定期間オートで進行させる便利機能「マイコンシェル」もある。オート中も重要なイベントは発生するため問題なくゲームは進行するが、細かな調整は出来ないためやり込みなどには向かない。

登場人物

アンジュ ※名前変更可
- 主人公。25歳。令梟の宇宙の辺境、バース（主星付近での呼び名）に住む女性。
  社会人三年目だが色々と限界を感じており、バーで酒を飲んでいる時に冗談みたいな「転職」を唆され「女王候補」になる羽目に。
  バースでは女王や守護聖などは童話やおとぎ話とされ信じているものはほぼおらず、アンジュも例外ではなかった。
レイナ（CV：白石涼子）
- ライバルとなる、もうひとりの女王候補。25歳。
  主人公と同じくバース出身。バリキャリの「完璧なお一人様」。主人公には好意的。

ユエ（CV：土屋神葉）
- 「誇り」を与える「光」の守護聖。25歳。素直で自信家なムードメーカー。
ノア（CV：七海ひろき）
- 「安らぎ」を与える「闇」の守護聖。22歳。他人が自分に近づくことを恐れている。
ヴァージル（CV：宮崎遊）
- 「勇気」を運ぶ「風」の守護聖。27歳。爽やかで丁寧な物言いをする王子様気質。
カナタ（CV：大塚剛央）
- 「優しさ」をもたらす「水」の守護聖。18歳。どこにでもいる普通の少年。
  バースの、主人公と近い地域の出身。守護聖になってから非常に日が浅く、また主人公と同じく女王や守護聖などとは縁遠かったため、自身の現状を受け入れられずにいる。
シュリ（CV：佐藤拓也）
- 「強さ」を与える「炎」の守護聖。27歳。寡黙で馴れ合いを好まない。
ミラン（CV：小松昌平）
- 「豊かさ」をもたらす「緑」の守護聖。26歳。明朗軽薄なKY。天才的な踊り子。
ゼノ（CV：島﨑信長）
- 「器用さ」をもたらす「鋼」の守護聖。19歳。心優しく、カナタのことを気にかけている。
フェリクス（CV：上村祐翔）
- 「美しさ」をもたらす「夢」の守護聖。25歳。自他共に厳しく、「美しい生き方」を望む。
ロレンツォ（CV：竹内良太）
- 「知恵」を与える「地」の守護聖。30歳。知的探求心の強い、余裕のある大人。

サイラス（CV：小野友樹）
- 女王候補たちの世話役。28歳。マイペースで若干失礼なところがある。主人公に転職を持ちかけた張本人。
タイラー（CV：今井文也）
- 王立研究所主任研究員。25歳。主人公らと同じくバース出身。主人公の知人のようだが…。

余談

2020年 7月2日から、本作の登場人物「カナタ」が日常をツイートするツイッターアカウントが活動していた。家族、友人、学校生活、風景写真など、ありふれた一般学生としてのツイートがされ続けていたが、カナタは守護聖となる（＝ツイートされている日常が失われる）ことが判明している(※)という不穏でしかないアカウントであった。
彼のツイートがどれほどありふれたものだったか、詳しくは下記の外部リンクを参照していただきたいが一例を挙げるとコロナ禍で友人と外出するのもままならず高校もオンライン授業でどこかモヤモヤしている、という2020年の日本の高校生の大半と全く同じような日々を送っているというリアルなものである。

そして2021年 3月31日から、体調不良や異常事態を訴えるツイートが投稿され始め、4月27日にとうとう聖地へと連れていかれたことを示唆する投稿がされ以降の投稿はなく、唯一相互フォローしていた友人「横溝海斗」へのフォローが外され、海斗側からもフォロー解除されカナタに関するツイートやカナタへのリプライまでもが消されるという結末を迎えた。

同日、アンジェリーク公式アカウントにてサイラスが「すべては整った」として5月6日に体験版を配信開始することを発表。それはすなわち、カナタが守護聖となり、女王試験が始められる（＝ゲームを開始できる）ようになったという通告であった。

10ヶ月に渉りツイートを見てきたカナタのフォロワーは多大な精神的ダメージを受け、乙女ゲーム古豪の本気のツイッタープロモーションに乙女ゲーマー界隈は震撼。アンジェリークに無関心だった層も本作に興味を持つなど、プロモーションとしては大成功であった。

※ 守護聖の力の衰えと次代守護聖の力の覚醒は時期も勢いも制御できず、過去作でも交代が急だったためトラブルが起きた事例がある。守護聖は聖地にて司る力が宇宙に過不足なく行き渡るよう制御せねばならず、責務を怠れば宇宙のバランスが崩れ崩壊の道を辿る。聖地は時の流れが外界より遙かに遅く、守護聖となってしまえば故郷の親類や友人と再会することは難しい。女王試験中など一部の状況においては外界と時の流れを等しくすることもある。