山鳥毛(刀剣乱舞)とは (サンチョウモウとは) [単語記事]

山鳥毛(刀剣乱舞)とは、PC ブラウザゲーム及びスマホアプリゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に登場する刀剣男士である。

「ああ、小鳥に呼ばれたか。
上杉家御手選三十五腰のひとつ、無銘一文字。号して山鳥毛だ。我が家の鳥たちは集まっているか？」

福岡一文字派の作とされている太刀。指揮能力に長け、一文字一家を長として率いる。
様々に形容される華やかな刃文の神気は、炎のごとき刻印と真紅の瞳に現れる。
上杉家に大切にされ、数百年公開されず秘密のベールに包まれていた。

概要、という呼び名が少々気恥ずかしくもある。古臭いのでな。お許しいただこう

2019年 12月24日～2020年 1月14日のイベント「連隊戦」にて、10万玉・20万御歳魂の報酬として実装。
初出は2019年 12月20日。チラ見せの段階では紋もなくヒントが極端に少なかったために予想や情報が様々飛び交った。シャツや襟の文様から「一文字ではないか」と推測した審神者から姫鶴一文字や日光一文字の名前が挙がる中で2019年 12月23日に情報解禁され、大きな話題を呼んだ。
なおレアリティは最高ランクの「5」。天下五剣、小烏丸、大包平、蛍丸極、日本号極と同じくホロ背景である。これによりレア５太刀で一部隊編成も可能になった。

2019年 12月24日、ムービーが公開。

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 https://twitter.com/tkrb_ht/status/1209414368519081987

毎年恒例の本イベントでは入手困難だった謙信景光、イベント実装のみの南泉一文字と、ゆかりのある刀剣男士も中途報酬で確定入手が可能。
御歳魂の入手数が倍増する課金アイテムを利用して早期入手は可能だが、連隊戦そのものは一ヶ月近い期間があり、一振だけならば無課金でも時間と小判を使えば十分に入手は可能。なお最速の入手報告はイベント開始から日付が変わる前に上がっており、眠い目をこすりながら聖夜を駆け抜けたガチ勢からの報告が相次いだ。本当にお疲れ様です。

また本刀の実装に伴い、刀派「福岡一文字」が追加。頭に福岡と付くのは、一文字は諸派あるためか。つまり他派の一文字もワンチャン……？
ちなみに、カタギじゃない雰囲気があるとはいえ修羅の国の福岡県ではなく、現在の岡山県邑久郡長船町の福岡（福岡県の名の由来）のことなので取り違えには注意。

薄い茶髪を纏め上げ、深紅の瞳にサングラスを掛けた、アダルティな男性。
戦闘衣装では白いロングコートのスーツに黒い指ぬきグローブを着用して露出度は低いものの、服の下から覗く両腕や首筋には刃紋の神気の現れであるトライバルめいた刻印が見え、厳つい雰囲気を放っている。この刻印は真剣必殺では赤く変わり、まさに炎のごとき様相となる。
内番衣装は黒と金が差し色の白いジャージで、前髪を下ろしている。サングラスは外してインナーシャツの襟に引っ掛けている。こちらも休日のヤーさん感に溢れている。
紋は一文字の「一」と、山鳥に炎を合わせた意匠。

一人称は「私」。一文字一家の長として立つに相応しい貫禄と落ち着きがある。
同刀派の刀剣を「我が家の鳥たち」、審神者を「小鳥」、本丸を「巣」と呼ぶなど、鳥の名前の刀剣ゆえか独特の言葉使いをする。
強面な外見に反して審神者には紳士的で優しく、若輩者を可愛がるおじさまか親鳥のよう。担当する井上和彦氏のボイスにより乙女ゲームも斯くやな甘さを感じてときめく小鳥が多発中。
庇護対象扱いだからといって審神者を侮っているわけではなく、「一文字一家の長ではあるが、君の持ち刀でもある。一介の部下という訳さ」とこちらを立てて真摯に仕える姿勢も示している。

本人曰く恥ずかしがり屋らしく、数百年公開されず秘められていたのもそのためとか。刀剣男士という呼び名も、自身が古くさいので気恥ずかしいと言う。
中傷で苦しむ中つつきすぎると、大半の刀剣男士は嫌がるか良くて審神者の心配を汲み取るのだが、彼は逆に自分の瞳に映る炎で審神者を焼いてしまわないように気遣っており、サングラスを掛けているのもそのためなのかもしれない。
仲間に対しては上司然とした態度で、報告を取り纏めるなどして審神者を補佐してくれる。どちらが頭領かわからなくなるほど威厳がある。

戦場では軍神とうたわれた上杉謙信ゆかりの刀らしく、指揮能力の高さを遺憾なく発揮する。
出陣では「討ち入りだ！首を並べて武威を示せ」と物々しい発破をかけ、ボス戦となれば「敵将を見つけたか。ここが正念場だ。いいな？」と呼び掛け、索敵では「状況を報告しろ。追い詰めるぞ！」と気合いを入れ、開戦では「勝つための戦、はじめるとしよう」と鼓舞するなど、常に部隊に気を配る。
戦闘においては急所を的確に狙い、会心の一撃となれば「そら……首が飛ぶぞ！」と敵を葬る。一騎打ち台詞から戦術にも長けていることが窺える。
一方で誉を取った際には「古臭いのでな、はしゃぎはしないさ」とあくまでも謙虚で、年季を感じさせる。

内番に関しては少々奥手。畑当番に任命すると「こういうことは、鳥たちに任せている」と舎弟に任せている旨を溢されるが、終了時には自ら範を示すのも大事だと考えを改めており、柔軟な思考のようだ。

同刀派の南泉一文字と一緒に出陣すると、回想『一文字一家の長』が発生。
南泉一文字からは「お頭（かしら）」と恐れ敬われている。やっぱり組長と舎弟じゃないか
我が家の鳥…ならぬ「子猫」と呼び、萎縮する彼を優しく宥めるも我々の一挙一動が一文字一家として見られていることを忘れるなと忠告する厳しさも見せる。いずれ「我が家の鳥たち」が集うだろうと語っており、今後更なる一文字の刀剣が実装されると思われる。備えよう。
また内番・手合わせでも特殊会話が発生、怠けていないかお頭チェックが入る。

同じく上杉家伝来の小豆長光と一緒に出陣すると回想『予想外の再会』が発生。
思わぬ再会に驚く山鳥毛に、小豆は「五虎退や謙信景光もきっとよろこぶ」と言う。上杉家を離れて所在不明となった小豆に対し、山鳥毛は「君とはもはや再会することはなかろうと思っていた」と告白。邂逅の場となった「巣」である本丸に対して「想像していた以上に貴重な場なのかも知れない」と思いを吐露した。

同じく上杉家伝来の五虎退・謙信景光・小豆長光と手合わせで一緒に組ませると、山鳥毛側が変化する特殊会話が発生。「同じ上杉家のよしみ」として面倒見のよさを発揮する。相手は通常台詞なので、旧知なのに五虎退に怖がられたり小豆長光とカバディ状態になるのはご愛嬌

後日、同じ刀派で黒田家伝来の日光一文字が登場。彼もまた山烏毛を「お頭」と呼び、山烏毛も「我が翼」「我が左腕」と称し強い信頼をしている姿が見られる・・・また「いずれ翼も揃う」と発言している事から未だに顕現していない上杉家伝来の「あの一文字」の事と思われる・・・

来歴の力を示すとしようか。

鎌倉時代初期の刀工集団、福岡一文字の作品。

祖は古備前の「菊一文字」こと則宗とされ、備前国（現在の岡山県）福岡の発祥である事からこの名で呼ばれる。「一文字」と呼ぶ場合はこの福岡一文字か、鎌倉時代末期に起こった吉岡一文字のどちらかになる。
後鳥羽院が定めた御番鍛冶にも一文字の刀工は多く、先に上げた則宗の他、12人中7名にのぼる。一文字は比較的無銘の作が多く、作風によって見極められる事がほとんど。

共通して華やかな作風が特徴。名刀が数多く伝来し、国宝・重文指定を受けているものも多い。
著名作には「道誉一文字」（御物）、黒田家の「日光一文字」（国宝）、上杉家の「姫鶴一文字」（重要文化財）などが知られている。

国宝「無銘一文字（号・山鳥毛）」。
鎌倉中期備前一文字の最高傑作と評価され、刃紋は一文字で最も豪華、天下第一とも言われる。
最大の特徴は、「大丁子乱れ」という華やかな乱れ刃である。重花丁子（じゅうかちょうじ）が繊細な模様となって刀身全体にわたり、一度見ると忘れられないと語る人は少なくない。またハバキ元には切り込みの痕が残っており、実戦で使われた証拠と考えられている。

号の由来、および読み方については諸説ある。
「刃文が山鳥の羽毛に見える事から」という説があり、「やまとりげ」とも呼ばれる。なお文化財登録では「やまとりげ」として記載されている。
上杉家刀剣台帳では「蓋シ焼刃ノ美ナル山鳥ノ尾毛、山野ノ燃ユルノ状ニ似タルヲ以テ、其模様ヲ形容シタルモノナリ」とあり、「山焼毛」「山焼亡」とも書かれた。
また拵は上杉謙信が制作させたもので、鐔のない「合口拵」と呼ばれるもの。この拵えも国宝指定されている。これは上杉家の特徴的な拵えで、他には姫鶴一文字も該当する。

関東管領上杉家の家宝として伝来。1556（弘治2）年、長尾景虎（上杉謙信）が上州白井に出陣した際、白井城主・長尾憲景より献上された。謙信の後を継いだ上杉景勝にも受け継がれ、「上杉家御手選三十五腰」に数えられ、「上杉景勝自筆腰物目録」（景勝が自ら書いた上杉家の刀剣名簿）にも「上秘蔵」と記されている。
以来、御家名物（享保名物帳には載らない大名家に伝わる名刀）として、米沢上杉家に伝来した。なお現在では鎌倉時代の備前・福岡一文字派の作と考えられているが、長尾家の伝来では長船兼光の作と極められていた。
その後明治14年（1881年）、明治天皇が山形に行幸された際に出展。昭和12年（1937年）に旧国宝指定を受ける。
昭和23年（1948年）に上杉家から岡山県の愛刀家・岡野多郎松氏に譲渡、同家を離れた。以後は個人蔵となり、昭和27年（1952年）に国宝指定を受け、個人蔵として岡山県立博物館に寄託されていた。

2015年、現在の所有者から新潟県立歴史博物館を通じ、謙信ゆかりの地である新潟県上越市に譲渡したいという意向が伝えられた。上越市は2017年度中の購入を検討して寄付を募ったが、最終的には断念する。

その後2018年になって岡山県瀬戸内市に対して再度譲渡の打診が入り、交渉が開始。
「山鳥毛里帰りプロジェクト」と銘打ち、クラウドファンディングによる購入資金調達が発表、同年4月から募金が開始された。
ふるさと納税の対象となっているほか、返礼品不要の「一口佩刀」としての募金も受け付け、2020年 3月末まで受付を行った結果、2020年 1月26日に目標額を達成。3月22日に正式に購入が成立した。