帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline(ていとせいはいきたん フェイト・タイプレッドライン)とは、『帝都聖杯奇譚』のリメイク作品である。
概要
TYPE-MOON関連コミック専門のweb雑誌「TYPE-MOONコミックエース」にて連載されている原作:経験値、作画担当平野稜二の漫画。連載期間は2019年12月20日~連載中。2024年3月現在、単行本既刊5巻。
作画担当の平野稜二は週刊少年ジャンプ他で連載経験を持つ新鋭の漫画家。
経緯
リメイク元となる『帝都聖杯奇譚』は経験値による漫画『コハエース』が初出。最初は桜セイバーと魔人アーチャーの架空の出身作品として言及されるだけにすぎなかったが、その後経験値による詳細設定などが明かされ、『コハエース』内で断片的にエピソードが描かれた。
その後、コハエース作中にて「アニメ化小説化募集」とアピールしていたが、応えるものは現れず、のちに経験値自身によって単行本1巻分にまとめられた漫画が描かれた。これが直接のリメイク元となる『コハエースGO 帝都聖杯奇譚』である。
しかし、『コハエースGO 帝都聖杯奇譚』では単行本1巻にまとめるためにカットされたシーンが多く、また、公開されていた設定にあったはずの桜セイバーのマスターが『月姫』の琥珀さんに置き換えられるなど、本来の『帝都聖杯奇譚』とは異なる点も多かった。
一方、この間にスマホゲーム『Fate/Grand Order』に桜セイバーや魔人アーチャーをはじめとする帝都聖杯奇譚出身のサーヴァントが多数実装され、人気を博していた。毎年恒例となったぐだぐだイベントでは帝都聖杯奇譚を元ネタにしたものも行われた。
さらに、FGOやその他型月作品が広く展開されるにあたって、多数派生した漫画作品をまとめて配信するweb雑誌「TYPE-MOONコミックエース」が2019年12月に発刊されることになった。
以上の経過を踏まえて、『帝都聖杯奇譚』は「TYPE-MOONコミックエース」の連載作品の一つとしてリメイクの運びとなった。マスター役には新キャラクターが当てられる。
あらすじ
太平洋戦争末期、帝都東京は突如として発生した爆発事故によって壊滅した…
…75年後、零落した魔術師の末である主人公「赤城奏丈」は久しぶりに会う父に亡くなった祖母の遺品の整理の手伝いを頼まれる。魔術師であった祖母の遺品を整理しているときに、誤って魔術具らしき砂時計に魔力を流してしまうと、世界の様相が一変した。
あらゆる事象が逆回しで進んで行き、世界は輪郭すらなくし、奏丈は混沌となった世界の渦の中に落ちて行った。
奏丈が目覚めたのは昭和20年、帝都東京。そこでは国の存亡をかけた7騎のサーヴァントの闘い、すなわち聖杯戦争が始まろうとしていた。そして、奏丈も成り行きでセーラー服の少女「藤宮九十九」からマスター権を奪い取り、サーヴァント、セイバーのマスターとなってしまう。
ここに7騎のサーヴァントは揃い、帝都聖杯戦争の幕は切って落とされたのである。
登場人物
リメイク版でのマスター勢
一部キャラには無印のマスターの面影が感じられる。
- 赤城奏丈(あかぎ かなた)
- 衰退した魔術師の一族の末裔。男性。魔術への執着はほとんどない。唯一、「手を振れていた物体の運動速度を低下させる」という魔術を使用できる。
- 両親は離婚しており、魔術師の血筋である父親とは、別居している。
- スマホを持ち、パーカーやスニーカーなど現代的な服に身を包んでいるのは、彼が現代から75年前の第二次世界大戦の時代にタイムスリップしたためである。
- 時間移動した直後に聖杯戦争に巻き込まれ、セイバーのマスターとなってしまったため、藤宮九十九に無理やり聖杯戦争に協力させられることになる。
- 藤宮九十九(ふじみや つくも)
- 聖杯戦争に参加予定だった魔術師。女性。黒のセーラー服に身を包んでいる。聖杯への願いは「明るい未来」。
- 液体に魔力を込めて操る魔術を使う。魔術師としては5代を重ねた藤宮家の当主であるが、魔術師としての腕はごくごく普通。藤宮家は代を重ねるごとに衰退しており、それを打開するためにも聖杯戦争に参加した。
- 聖堂教会の依頼で帝都で開催される聖杯戦争に参加する予定だったが、アクシデントでマスターの座を赤城奏丈に奪われてしまい、仕方なく彼に協力させて聖杯戦争に参加する事になる。
- マスター権を奪った赤城にはかなりきつく当たるため、わりとセイバーとは衝突しがち。
- じつは赤城奏丈の父方の祖母。奏丈視点では彼が6歳の時に亡くなっている。
- 真瓦津玲二(まがつ れいじ)
- 陸軍に所属する魔術師。階級は少佐。バーサーカーのマスター。
- 人を人と思っておらず、部下を躊躇なく使い捨てる傲慢さを持つ。戦争も自分が支配する世界を作るための機会としかとられていないが、魔術によって陸軍内に信奉者を増やしている。
- レイター少佐
- 第三帝国から流れ着いた女軍人。アサシンのマスター。
- 日本陸軍とは協定を結んでおり、バーサーカー制御のための英霊拘束具の提供をするなど真瓦津とは協力関係にある。しかし、互いの腹の探り合いは続けている。
- 淺間かなめ
- アーチャーのマスターである金髪碧眼の少女。
- 陸軍の上層部の私生児であるが外国人との混血であるため持て余されていた。2年前の第三次聖杯戦争でアーチャーのマスターとなり、今回の聖杯戦争でも引き続きマスターを務める。
- 真瓦津からは邪険に扱われているが、アーチャーの庇護のおかげで守られている。
- 蘭蘭芳(ランランファン)
- ランサーのマスターである小柄な少女。帽子からこぼれる長い2本のおさげと、スパッツが活動的な印象を与える。
- 火鼠の異名を持つ道士。上海の闇社会で活動してたが、日本で聖杯戦争が開催されると聞き、密航してきた。
サーヴァント
- セイバー
- 新撰組のだんびらを身にまとった桜色の髪をした少女。奏丈の持っていたライトノベルが触媒となって召喚された。
- 剣の腕は達人であり、戦闘中の相手の鎧の隙間を狙ってのどを切り裂くなどの神業を見せる。
- 戦闘時には容赦なく敵を切って捨てる冷酷さと、それ以外の時では柔らかい笑顔が魅力的な朗らかさという二面性を持つ。
- アーチャー
- 軍服に身を包んだ少女。かぶっている軍帽には木瓜紋がついている。
- 空中に無数の火縄銃を召喚することができ、それらは射撃のみならず空中の足場ともなる。
- 2年前に行われた第三次聖杯戦争の時点で召喚されており、その時勝ち取った聖杯を使って何かをたくらんでいる。
- アサシン
- 『セイバー』の『坂本龍馬』を名乗った人斬り。一度見た技をすぐに使いこなすという能力を持つ。
- ライダー
- 白い軍服に身を包んだ飄々とした男。そばには浮遊する黒髪のセーラー服の女性を従えている。
- 当初は自らがマスターで、お竜さんがサーヴァントのように振る舞ったがすぐにセイバーに見破られている。
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- お竜さん
- ライダーがしたがえている謎の女性。サーヴァントと互角以上に戦え、浮遊、怪力、治癒のつばなどの異能も併せ持つ存在。
- ランサー
- コートを羽織った鋭い目付きの老兵。
その槍技を見れば正体に感づく者が出る程、つい最近死んだばかりのごく近代の人物。
- バーサーカー
- 陸軍謹製の拘束鎧を装備した武者。宮本武蔵を呼び出す聖遺物を使って召喚されたが・・・。
関連静画
公式
関連リンク
関連項目