本庄繁長とは (ホンジョウシゲナガとは) [単語記事]

「本庄繁長」（ほんじょう・しげなが 1539 ～ 1613）とは、越後の軍神・上杉謙信に属した

「一に謙信二に繁長北条桃井負けず劣らず」

と馬術の腕前に定評のある上杉二十五将に数えられる猛将であり、短気で粗忽で「またお前か」とうっかり反乱を繰り返しても何故か処罰されずに赦され（色部涙目）帰参を赦され続けた揚北衆一の猪武者。

名は「本荘繁長」とも。

幼名：千代猪丸

桓武平氏の流れを組む本庄氏の本庄房長の子に生まれる。

しかし本庄繁長が生まれる直前に、父・本庄房長は越後守護・上杉定実が伊達実元を養子に迎えようとして起きた揚北衆同士の戦いの際に、父の弟・小川長資が父を裏切って居城の本庄城を奪われた事で父・本庄房長が憤死した為、しばらくの間は領内の寺で育てられた。

幼少より気性剛強で勇猛

と家臣達がその将来を期待できた事から、空気を読んだ小川長資は後見役となって本庄繁長を当主に据えたものの、本庄房長の13回忌に来た小川長資は本庄繁長の差配により捕らえられて自害に追い込まれ、本庄氏の家督と本庄城を完全に奪い返して、越後の軍神・上杉謙信に拝謁して臣従を誓った。

またお前か伝説

上杉謙信の旗下で関東出兵や川中島の戦い等の歴戦に参加し、川中島の戦いでは武田軍中に切り込んで手柄をあげるなど数々の戦功をあげ、上野国の佐野城を落とすと城代を任せられたり、揚北衆を率いて庄内地方まで勢力を拡大する等していた事から、揚北衆の中では中条藤資と並ぶ厚遇を受けた。

そこで天狗になってしまった本庄繁長は、元々短気で粗忽であったこともあって周囲の鬱積を買ったのか「本庄繁長は武勇を誇って上杉謙信公を軽んじている」と讒言されてしまい、釈明の為に登城したはずみに「急に相手が来たので」うっかり讒言者を斬り殺してしまうと言う失態を犯してしまい、上杉謙信と敵対することになってしまう。

※元々君臣の間柄な雰囲気の薄かった揚北衆に対する武田信玄の調略がヒットしたとも言われている。

反乱を起こしてみたものの、他の揚北衆は誰も味方してくれず、軍神・上杉謙信の討伐軍の正面から激突して色部勝長を討ち取ったりはしたものの、期待した武田信玄からの援軍も信濃との国境でうろちょろするぐらいで、挙句の果てに武田信玄は今川氏真の駿河へと侵攻した為、伊達輝宗と蘆名盛氏の仲介で上杉謙信に降伏し、嫡男を人質に入れて自身は出家する事で帰参を赦された。

本庄繁長に討ち取られた色部勝長涙目。（※陣没したとも言われている）

しかし、1577年には今度はうっかり織田信長の誘いにのり、伊達輝宗と結んで反旗を翻し、「またお前か」と攻め込んできた上杉謙信に敗れて、再度帰参を赦された。

その後上杉謙信がこの世を去ると、後継者争い「御館の乱」が発生し、本庄繁長は上杉景勝に付いて家督争いに貢献。新発田重家を討伐する等上杉景勝の家臣として軍功を挙げて揚北の重鎮となり、次男を庄内の大宝寺義興の養子にして大宝寺義勝と名のらせる等、基盤を固めて北方への備えにあたったが、豊臣秀吉による検地の際に、本庄繁長は反乱をおこした際に討ち取ってしまった色部勝長の子・色部長実と諍いを起こしてしまった事と奥州での一揆を扇動したのが本庄繁長と大宝寺義勝との嫌疑をかけられる等の「またお前か」な所業により、大和国に流されてしまったが、一揆への嫌疑が濡れ衣と判明し、文禄の役に出陣した事から赦免されて上杉景勝の下へと帰参した。

色部長実涙目。

八幡の神号

上杉景勝が会津に移封されると、本庄繁長も今回は空気を読んで反乱を起こしたりせずに会津に随従して10000石を拝領して岩代福島城代となった。

すでに60歳を越えていた時に発生した関ヶ原の戦いでは、野戦で伊達政宗に敗れた為に福島城に籠城して対抗し、伊達軍に大量の死傷者を出させる程奮戦して、須田長義が伊達政宗の陣幕を奪う活躍をした際には呼応して城を飛び出し、伊達政宗を挟撃して大ダメージを与えて伊達政宗を後退させる等侵攻を食い止めていたが、関ヶ原での決戦が１日でついてしまい、上杉景勝は120万石から30万石に減封されてしまい、本庄繁長も3300石に減封された。

加増をうけてもおかしくない活躍をした本庄繁長だったが、年を重ねたからか短慮に走って「またお前か」と反乱することもなく、直江兼続と共に上杉家復興の為に尽力し、守城である福島城にて７５歳で亡くなった。

「またお前か」な反乱を繰り返したものの、長年上杉家中にその名をとどろかせた猛将であった本庄繁長に対して上杉景勝は「八幡」の神号を贈った。

※その他「本庄繁長」の詳細についてはＷｉｋｉｐｅｄｉａの該当記事参照の事。

結局忠臣？逆臣？

実は信玄からの調略の手紙は送られていたものの、反乱には至っていないという説がある。当時の繁長は領国の越後北部ではなく、上野国厩橋城にて北条氏とにらみ合いをしていた時期で、そこから遠く離れた庄内地方の大宝寺氏と結託して挙兵するには無理があった。
このことは、本庄氏周辺の古文書が発見されたことで明らかになったが、一方で上杉氏周辺に攻略に至る文書が存在せず、謙信の命によって破棄された恐れがある。
多くの学者は上杉方を支持し、一方的な解釈を行っており、不公平な扱いをされているといえる。

いずれにせよ、上杉謙信が本庄繁長を臣下に据えつつも嫌疑を持っていたことが考えられる。一方で景勝は幾多の功績をたたえている。

戦国大戦

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

「決めるぞ下剋上！」

戦国大戦の彼は下剋上を常に目指す鉄砲隊。コスト比武力4を満たしており統率も4ある。ただし柵を持ってないのがやや不満が残る(持ってたらスペック要員まであるが…)。

計略の「叛逆の銃弾」は範囲内の味方を撤退させる代わりに武力と射撃回数を上げる。斬った武将の最大武力が高い程武力が上がり、斬った武将数が多い程射撃回数が上がる。とは言え1コスト武将を1人斬っただけでも意外と効果は高い。撤退寸前の味方を斬れば損失は少ないため、とりあえず入れとけ的な武将ではないが使えばそれなりの戦果を出してくれる。効果時間が短いが士気が軽いSS 鬼小島弥太郎の金剛力や、織田家の一発屋こと毛利新助の大手柄等と組ませると計略コンボも可能。ただし叛逆の銃弾に射程延長や貫通効果はないので、家宝等で補う必要性はあるが。

しかし上杉で鉄砲隊の超絶強化と言えば越後の鍾馗こと斉藤朝信がいるため、彼の影に隠れているのがVer1.1Xでの彼の現状である。

Verが進むごとに斉藤朝信が下方されたため、最近はしばしば上杉家デッキに顔を出しているとかどうとか。

「決めるぞ…義の一撃を！」

そして時は流れ2枚目がVer2.00で登場した。ただしこれは実際のカードではなく電影武将(データ専用武将)。
スペックそのものは上杉家の槍足軽にあるまじきガチ性能を誇る。槍が弱いと揶揄された上杉は何だったのか。

計略「縦横無尽」は自分の統率力が高い程武力が上がり、槍が長くなる。Ver2.00で上杉家に追加された「義計略」(自分の統率が高い程効果が上がる)の一つ。決して弱くはない性能なのだが、もっと自重していない柿崎晴家とか北条景広がいたため今一使用率は高くない。

しかし叛逆する気満々だった鉄砲隊の奴が槍になったらいきなり「義」とか言うのはどうなんだ…まあ2回叛逆した後はちゃんと忠義を尽くしたらしいのでいいのか。

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける本庄繁長（本荘繁長）の能力一覧。

	軍事能力						内政能力
戦国群雄伝(S1)	戦闘			34			政治	45	魅力	49	野望	42
武将風雲録(S2)	戦闘			68			政治	63	魅力	59	野望	70	教養	59
覇王伝	采配	75	戦闘	82	智謀	17	政治	25			野望	70
天翔記	戦才	164(A)			智才	52(C)	政才	114(B)	魅力	65	野望	82
将星録	戦闘			85	智謀	38	政治	51
烈風伝	采配	67	戦闘	79	智謀	22	政治	35
嵐世記	采配	80			智謀	29	政治	24			野望	55
蒼天録	統率	80			知略	36	政治	22
天下創世	統率	81			知略	35	政治	21					教養	37
革新	統率	88	武勇	90	知略	39	政治	24
天道	統率	88	武勇	90	知略	39	政治	24
創造	統率	84	武勇	83	知略	68	政治	36