禁術と呼ばれる術とは、ガソン・ワホ氏がRPGツクール95にて制作されたRPGである。1998年に公開された。
作者のWebサイトは存在しないが、Vectorからバージョン2.0をダウンロードすることができる。
※本作に限らず、RPGツクールで制作された作品全般にいえることだが、MIDIファイルが再生されなかったり、動作しないといった不具合が生じることがある。これについてはRPGツクール95作品を最近のOS(Windows 2000/XP以降)で起動する際の覚書を参考にしてみてほしい。
主人公・榊原修次郎は、「封印迷宮」と呼ばれる謎の迷宮にて意識を取り戻すも、自分の本名以外は何一つ覚えておらず、自分が記憶喪失の状態であることに気がついた。
修次郎は旅を続ける中で、同じく記憶喪失である楠神楽にバルドゥス、そして人間なのかよく分からない存在・ゴレムに出会う。
失われた記憶を取り戻すため、4人(3人+1体)で旅を続けることを決心する。
一方、ガイムと呼ばれる謎の男は、「禁術」という謎の術を発動しようとしており……。
本作の最大の特徴は、敵キャラが歩行グラフィックとしてフィールド上に可視化されている点であろう。フィールド上を歩く敵キャラと衝突すれば強制的に戦闘……という「シンボルエンカウント」のスタイルをとっている。
つまり、RPGにありがちなランダムエンカウントがほとんど存在せず、敵と積極的に戦いたければ敵に当たってゆくもよし、戦闘を避けたければ敵を避けて進む……というように、プレイヤーの方針にあわせてプレイを進めることができる。
また、敵の歩行グラフィックにはE~Sの文字が表示されており(Eに近づくほど弱く、Sに近づくほど強い)、ランクを見ることで敵の強さを事前に知ることができる。これによって、弱い敵だけを集中的に倒し、強い敵は後回し、といったプレイも可能である。もちろん、序盤から積極的に強い敵と戦ってゆくのもよい。
また、ストーリーとは関係のないダンジョンやアイテムが豊富に存在するので、アイテムのコンプリートを目指したり、(後述する)ある敵との戦いを楽しむといった遊び要素も用意されている。
古いゲームでありながら、上記のような濃い内容を盛りこんだ作品であることから、現在でも根強いファンが存在する。
本作の主人公。フルネームは「榊原修次郎」。封印迷宮にて記憶喪失の状態で意識を取り戻した。覚えているのは自分の名前だけで、他の情報は何一つ思い出せない。
(以下、ネタバレ)
彼の正体は、ゲーム冒頭にて自転車に乗って遅刻ぎみに急いでいる学生。召喚対象である神楽の近くにいたため、本来召喚されるはずではないのに、ガイムによって偶然召喚された(彼に召喚の「印」がついていないのは、彼が正規の召喚対象でないためである)。
封印迷宮地下三階における神楽との会話を見る限り、楽天的な性格である。一方、人の家の本棚やタンスからアイテムを盗んだり、城の兵士を平然となぎ倒したりと、非情な一面も持っている。(ネタバレここまで)
若い女の子。本名は「楠神楽」。修次郎と同様、記憶喪失の状態で封印迷宮にいたが、フォースに助けられ、今は彼女の家で働いている。
(以下、ネタバレ)
彼女の正体は、ゲーム冒頭にて修次郎に衝突されそうになった女の子である。ガイムによって異世界から召喚された。召喚の「印」がついていることから、彼女こそが本来召喚されるべき人間であったことが分かる。
修次郎の盗みを諫めたり、城の兵士をなぎ倒すのに呆れたりと、常識的な人物である。(ネタバレここまで)
記憶喪失の男性。修次郎が作動させた魔方陣の中から、ゴレムとともに出現した。
バルドゥスという名前の由来は、今のところ不明。角の生えた兜と鎧をつけた魔王のような姿が「ユグドラ・ユニオン」のバルドゥスに似ているが、ユグドラ・ユニオンの発売は2006年なので、これを元に命名したということはありえない。
実在の人物では「バルドゥス・デー・ウバルディス」「ペトルス・ロンバルドゥス」などがいるが、彼らを元に命名したのかは、筆者の知識では判断できない。
(以下、ネタバレ)
彼の正体は、400年前にフィフスによって異世界から召喚された人間である。フィフスらが「異界の力を取り込む術」を発動するために召喚され、城の牢に隔離された。
牢の中でツァラトゥースの声を聞き、フィフスらを滅ぼすことを条件に、相棒ゴレムと魔王の力を付与される。何日間も戦い続けたが、やがて体力が尽き、不利になってきたところでフォースが現れ、彼とゴレムを救い出した。
その後、彼とゴレムは封印迷宮に400年間封印され、400年後に修次郎によって復活することになる。旅を続ける中で、神の塔にてフォースによって400年前の記憶を取り戻した。
なお、ゲーム冒頭では彼の姿は確認されないが、エンディングにて、修次郎と神楽の側にバルドゥスもいたことが確認できる。
ちなみに、エンディングで「BARUDUS. K」と紹介されているが、彼のフルネームは作中では明かされていない。(ネタバレここまで)
バルドゥスにつき従う石の巨人のような存在。意志を持つものの、言葉を話すことができない。名前の由来は「ゴーレム」。
(以下、ネタバレ)
彼(?)は、ツァラトゥースが唯一実験に成功したゴーレムである。400年前、ツァラトゥースの命でバルドゥスに同行し、フィフスらと戦った。その後、フォースによって封印迷宮に封印された。(ネタバレここまで)
ジャヴェールとともに大陸で名の通った男性の冒険者。城の大臣が呼んだらしい。女の子と間違われるのを嫌う。
(以下、ネタバレ)
彼は800年前に災厄を受けた魔導師の末裔であり、禁術の恐ろしさを教わっている。禁術について調べるうちに召喚系の魔法をほとんど覚えてしまったらしく、修次郎たちが元の世界に戻る術を唱えることを約束する。
ちなみに、エンディングで彼は「CASEY. J」と紹介されているが、彼のフルネームは作中では明かされていない。(ネタバレここまで)
ジャヴェールとともに大陸で名の通った冒険者。大臣が呼んだらしい。ケイシーが魔導師であるのに対し、ジャヴェールは剣士である。由来は『レ・ミゼラブル』のジャベール警部だと思われるが、特に共通点は見当たらない。
(以下、ネタバレ)
禁術について積極的に、あるときは無謀に調べようとするケイシーに対し、ついてゆけていないところがある。彼自身は禁術とは無関係なので、率直にいって物語の核心とはほとんど関係のない人間である。
ちなみに、エンディングで彼は「JAVEERU. C」と紹介されているが、彼のフルネームは作中では明かされていない。(ネタバレここまで)
自らを神と称する存在。かつての魔導文明の名残である「神の塔」に眠っていた。名前の由来は「ツァラトゥストラ」。
(以下、ネタバレ)
800年前に活躍した魔術師であり、本作の題名にもなっている「禁術と呼ばれる術」を発見した、すべての始まりといえる人物である。
800年前に「異界の力を取り込む術」を発見し、それを書物に書き表した。ところが自身が病にかかってしまい、病の治癒のために間違った方法で術を発動させ、当時の魔導文明を壊滅に追いやってしまう。フォースによれば、そのときに力の影響を中途半端に受けたために、精神がおかしくなってしまったとのこと。
最終的には、フォースによって精神をゴレムの肉体に移され、修次郎たちを元の世界に送り届けた。(ネタバレここまで)
城に居座る異形の存在。セカンド・サードらと関わりがあるようである。名前の由来は序数「first」。
(以下、ネタバレ)
彼の正体は、800年前に「未知の力」が拡散して誕生した「力」の結晶体。セカンド・サードが人間の姿を装っているのに対し、彼は結晶体の姿のままである。なので、恐らく城の公務には携わっていないと考えられる。ガイムの様子を偵察したり、ツァラトゥースの気配を察したりと、偵察や裏方の仕事をすることが多い。
人間の姿であるセカンドサードに対し「汝らも人に染まってきたな」という言葉を吐くあたり、彼は人間に対する愛着などはないように見える。(ネタバレここまで)
(以下、ネタバレ)
800年前に「未知の力」から生まれた結晶体。400年前にフィフスらとともに禁術を発動させたが失敗に終わり、城に甚大な災厄をもたらしてしまう。その償いのために、400年間サードとともに城に仕えてきた。
なお、国王が「極めて有能」と評価していることから、将軍としての評価は高いようである。住民区のおばさんによれば、「無愛想だけど兵士から人気があるそうだよ」とのこと。(ネタバレここまで)
(以下、ネタバレ)
ファースト・セカンドと同様、800年前に「未知の力」から生まれた結晶体。400年前の禁術の償いのため、セカンドとともに城に仕えてきた。
セカンドど同様、国王からは「極めて有能」、住民区のおばさんからは「無愛想だけど兵士から人気があるそうだよ」という評価を受けている。(ネタバレここまで)
封印迷宮の近くに住居を構える人物。封印迷宮にて倒れていた神楽を救ったという。名前の由来は英語の序数「fourth」。
(以下、ネタバレ)
彼女の正体は、800年前にツァラトゥースの助手を務めていた人間である。拡散した「未知の力」の影響を受け、人間でありながら異形の姿を持つことになった。
400年前のフィフスらとバルドゥス・ゴレムの戦いに介入し、バルドゥス・ゴレムを逃がすことに成功、2人を400年間封印した。400年後には再び禁術を発動しようとしたサードらを説得し、「全ての解決」、すなわち穴を本来の状態に戻すことを提案する。(ネタバレここまで)
(以下、ネタバレ)
ファースト・セカンド・サードと同様、800年前に「未知の力」が拡散して誕生した結晶体。名前の由来は序数「fifth」。
400年前に「異界の力を取り込む術」を詠唱するため、ガイムという人間と融合した。最初は意識を保っていたものの、やがてガイムに体を乗っ取られることになった。(ネタバレここまで)
ゲーム冒頭に登場し、しばしば物語に関わってくる謎の男。「禁術」と呼ばれる術を発動したそうだが……。
(以下、ネタバレ)
彼の正体は、400年前のリトル島の七代目国王・ガイム王である(フォースの家の歴史書と、封印迷宮の壁画から分かる)。「禁術」を発動させるため、フィフスと融合を果たした。やがてフィフスの体を乗っ取り、自らの野心のために行動し始める。
サードによれば、「恐ろしいまでの野心」を持ち、「力を引き出す」ことが目的らしい。
フィフスについては「人間を融合しなければ禁術を発動できない」という理由があるものの、ガイムが融合を承諾した理由は作中では触れられていない。
なお、由来は不明。アンドレ・ガイムという物理学者がいるものの、関係はなさそうである。(ネタバレここまで)
封印迷宮一階にて修次郎に語りかけてきた謎の存在。「私を解き放して」と語るが……?
(以下、ネタバレ)
彼の正体は、かつてのツァラトゥースの助手ズィーロウである。名前の由来は序数「zero」。
ツァラトゥースが800年前に「禁術」を発動させる際、異世界の者を召喚することができず、ズィーロウの同意の下に、彼を実験に使うことにした。結果は失敗に終わったが、実験後も力を放出し続けていた彼は、やがて強大な魔物となった。(ネタバレここまで)
(以下、ネタバレ注意)
「禁術」とは、800年前の魔導師・ツァラトゥースが発見した術である。仮名称は「異界の力を取り込む術」。
「未知の力」とは火力や風力といった物理的な力ではなく、魔力と似た精神的な力でありながら、魔力とは比較にならぬほどの莫大な力である(伝説巨神イデオンの「イデ」のような力、と捉えると分かりやすいだろうか)。
当然、そのような力を取り扱うには細心の注意が必要であり、扱い方を間違えれば、大きな災厄は免れない。そこで、「未知の力」をいかにして異界から取り込み、扱うかを記したのが、「異界の力を取り込む術」である。
の二つである。
800年前はズィーロウが異世界の生命体ではなかったために「未知の力」が暴走、400年前と今回は、召喚には成功したものの、「力」の注入が実現しなかった。(ネタバレここまで)
(以下、ネタバレ)
本作における最強の敵であり、物語の核心であり、やりこみ要素の一つである。
HPは10000、攻撃力・防御力・素早さは1000と、ほとんどのステータスが最大値を誇る。この敵は本来倒される敵ではない(倒さなくても物語は進む)ので、このような極端なステータスに設定されている。
ただし、この敵は物理攻撃と全体攻撃魔法しか使ってこないので、回復のタイミングを間違わなければ、倒すことは十分に可能である。そこで、この敵を倒すために様々な試みがなされた。インターネット上では、「未知の存在」攻略のページが色々作られているので、参考にしてみていただきたい。
※「未知の存在」は二体存在する。一体は封印の間にいる未知の存在(ズィーロウ)であり、もう一体は存在の間にいる未知の存在(制作者からのプレゼント)である。
前者を倒すと、正規のエンディングとは異なるエンドを見ることができる。後者は、大量のアイテムと、最強の敵を倒した証明を貰える。(ネタバレここまで)
2010年の頃からアップロードされていた「禁術と呼ばれる術」最古の動画。2012年に続きの動画がアップロードされ、一年近く間を空けて、2013年にエンディングまでの動画がアップロードされた。
最初の動画とは別の方がアップロードされている動画である。神楽・バルドゥス・ゴレムの3人を戦闘不能の状態にしておき、修次郎1人でプレイを進めるという縛りプレイである。
バルドゥス1人の縛りプレイ動画。アップロード者は、上の修次郎縛りプレイと同じ方である。
00:29~02:58に「禁術」に関する説明がある。
掲示板
11 動画うpしてた人
2017/01/19(木) 09:28:47 ID: hFhq9EjMBm
……と思ったんですがサービスいじってたら治りました
ただのおま環だったようです
デマ流してすいません
動画シリーズはそのうち再開します
12 動画うpしてた人
2017/01/19(木) 12:18:01 ID: hFhq9EjMBm
あとAmareccoがフルスク非対応ってのも自分の勘違いでした
ウィンドウ枠を左上に設定すればフルスク撮れるんですね……
ガセ流してすいません
13 ななしのよっしん
2018/08/18(土) 02:04:10 ID: gHU3yH+Gy4
最少戦闘回数クリアプレイ動画作ろうと思ってテストプレイしたら、神の塔で詰んでしまった……
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/27(土) 10:00
最終更新:2024/04/27(土) 10:00
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