2002年クラシック世代とは、1999年に生まれ、2002年にクラシック競走を走った（3歳を迎えた）競走馬の世代のことである。
史上初の天皇賞(秋)連覇に加えて有馬記念を連覇、引退レースとなった2003年有馬記念を史上最大着差の9馬身差で圧勝し、2年連続年度代表馬に輝いた「漆黒の帝王」シンボリクリスエスを代表とする世代。
また、菊花賞・天皇賞(春)・宝塚記念とGⅠをいずれも人気薄で3勝した稀代のズブい穴馬ヒシミラクル、15番人気で皐月賞を勝ち1番人気に推された菊花賞で出オチをかましたノーリーズン、2004年の天皇賞(春)で10番人気で大逃げ大波乱を決めたイングランディーレ、GⅠタイトルはないがヒシミラクルの菊花賞をはじめたびたび人気薄で激走した個性派ファストタテヤマと、王道路線では妙に波乱を呼ぶ馬が豊富な世代であった。
他、GⅠ馬では名牝ウオッカの父にして種牡馬引退後に牧柵破壊で話題になった松国ローテのダービー馬タニノギムレット。
GⅠ馬以外の個性派・話題馬では、史上最多のGⅡ6勝の記録を持つGⅡ番長バランスオブゲーム、史上唯一の同一年小倉三冠馬メイショウカイドウ、同一重賞を4年ぶりに勝つという珍記録を残し種牡馬としてロゴタイプを生んだローエングリン、新種のサラブレッドことモノポライザーなど。他、シルクフェイマスやナリタセンチュリーらがGⅠ常連だった。
短距離～マイル戦線ではその驚異的な豪脚で短距離戦線に君臨した聖剣デュランダルが代表。ほか、GⅠ馬ではそのデュランダルを2004年高松宮記念で破った中京の鬼サニングデール、ヴィクトワールピサの兄のマル外で5歳まで条件馬の立場から6歳で安田記念を勝ったアサクサデンエン、NHKマイルカップ馬テレグノシス、種牡馬としてケイティブレイブを生んだ2005年高松宮記念馬アドマイヤマックス。GⅠ未勝利馬ではマヤノトップガンの代表産駒プリサイスマシーンがいる。
牝馬では史上初めて芝の古馬GⅠ（エリザベス女王杯）を無敗で制したマル外の超良血お嬢様ファインモーションが代表。ほか、阪神JFを制したグレード制以降で唯一の青森産中央GⅠ馬タムロチェリー、桜花賞を13番人気で勝ち池添謙一にGⅠ初勝利をプレゼントしたアローキャリー、オークスを追い込みで勝ったあと気性難の悪化で府中牝馬Sで大逃げ大暴走したスマイルトゥモローが世代GⅠ馬となったが、3頭とも低評価種牡馬×地味牝系の雑草血統だった。
他にフェアリーSで20年近く残る2歳日本レコードを叩き出した「外国産ずがば！」サーガノヴェルもこの世代。
ダート界はサンデーサイレンス産駒唯一の中央ダートGⅠ馬にしてダート界の大種牡馬となったゴールドアリュールと、芝の2歳王者から転向してJBCクラシック3連覇などGⅠ級7勝を挙げたアドマイヤドンの2頭が牽引した。
ほか、GⅠ馬には勝ち鞍のレースが消滅することで知られたストロングブラッド、2024年現在「華麗なる一族」最後のGⅠ馬マイネルセレクト、川崎記念をレコード勝ちした青森産馬エスプリシーズ、東京大賞典を勝ったスターキングマンがいる。GⅠ未勝利馬では真っ白な馬体とズブさで「牛」と言われたクーリンガー、短距離重賞8勝を挙げ世代5位の賞金を稼いだリミットレスビッドなど。
障害競走では、中山大障害で出津孝一騎手に「その年唯一の勝利がGⅠ」という記録を贈ったメルシータカオーがいる。
アングロアラブには地方競馬の最多勝記録となる55勝を記録したモナクカバキチがいる。
王道路線、短距離戦線、牝馬、ダートとそれぞれに世代の代表といえる名馬がおり、中央での古馬GI勝利数は1998年クラシック世代を上回る16勝、古馬重賞勝利数でも1999年クラシック世代を上回る94勝を挙げた。GⅠ勝利数は2007年クラシック世代に更新されたが、古馬重賞勝利数は2018年クラシック世代に更新されるまで長く最多記録に君臨した。
種牡馬としてもシンボリクリスエスとゴールドアリュールはそれぞれ芝とダートの大種牡馬となり、2010年代の日本競馬に大きな足跡を残した。
ちなみに馬齢表記が満年齢に変わった2001年デビューであり、「2歳」としてデビューした最初の世代。
海外では香港史上最強スプリンターで日本でも2005年のスプリンターズステークスを勝ったサイレントウィットネス、同じく2006年のスプリンターズステークスを勝った豪州のテイクオーバーターゲット、2006年の安田記念を勝った香港のブリッシュラック、2005年の春の天皇賞に出走した豪州の歴史的名牝マカイビーディーヴァ、アメリカ二冠馬で日本に種牡馬として輸入され金髪専のロリコンとして有名になってしまったウォーエンブレムなどが日本でも馴染み深い。
ほか、史上初となるBCターフ連覇を達成した2003年ワールドシリーズ優勝の英ダービー馬ハイシャパラル、5ヶ国でGⅠを勝った2004年ワールドシリーズ優勝馬スラマニ、世界記録となるGI競走7連勝を達成した「ザ・ロック」ことロックオブジブラルタル、ロッキンジＳでついた高レートで話題となったホークウイング、BCクラシックやドバイワールドカップなどの大レースでは2着(6回)に泣いたが種牡馬としてはレイチェルアレクサンドラやゴールデンシックスティを輩出するなど大活躍中のGI3勝馬メダグリアドーロ、そのメダグリアドーロにパシフィッククラシックSで完勝した6戦無敗のアルゼンチン出身馬キャンディライドなど。
| 競走名 | 2002年(3歳) | 2003年(4歳) | 2004年(5歳) | 2005年(6歳) | 2006年(7歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| フェブラリーステークス | ゴールドアリュール | アドマイヤドン | |||
| 高松宮記念 | サニングデール | アドマイヤマックス | |||
| 天皇賞(春) | ヒシミラクル | イングランディーレ | |||
| ヴィクトリアマイル | 2006年新設 | ||||
| 安田記念 | アサクサデンエン | [香]Bullish Luck | |||
| 宝塚記念 | ヒシミラクル | ||||
| スプリンターズステークス | デュランダル | [香]Silent Witness | [豪]Takeover Target | ||
| 天皇賞(秋) | シンボリクリスエス | シンボリクリスエス | |||
| エリザベス女王杯 | ファインモーション | ||||
| マイルチャンピオンシップ | デュランダル | デュランダル | |||
| ジャパンカップ | |||||
| ジャパンカップダート | |||||
| 有馬記念 | シンボリクリスエス | シンボリクリスエス |
| 競走名 | 2002年 (現3歳) |
2003年 (現4歳) |
2004年 (現5歳) |
2005年 (現6歳) |
2006年 (現7歳) |
2007年 (現8歳) |
2008年 (現9歳) |
2009年 (現10歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神スプリングジャンプ | マイネルイースター | |||||||
| 中山グランドジャンプ | ||||||||
| 京都ジャンプステークス (~2008) 京都ハイジャンプ (2009~) |
||||||||
| 東京ハイジャンプ (~2008) 東京ジャンプステークス (2009~) |
||||||||
| 新潟ジャンプステークス | エリモマキシム | |||||||
| 小倉サマージャンプ | ||||||||
| 阪神ジャンプステークス | アズマビヨンド | |||||||
| 東京オータムジャンプ (~2008) 東京ハイジャンプ (2009~) |
||||||||
| 京都ハイジャンプ (~2008) 京都ジャンプステークス (2009~) |
||||||||
| 中山大障害 | メルシータカオー |
| 競走名 | 2002年(3歳) |
|---|---|
| 1000ギニーステークス | Kazzia |
| 2000ギニーステークス | Rock of Gibraltar |
| オークスステークス | Kazzia |
| ダービーステークス | High Chaparral |
| セントレジャーステークス | Bollin Eric |
| 競走名 | 2002年(3歳) |
|---|---|
| ケンタッキーダービー | War Emblem |
| プリークネスステークス | War Emblem |
| ベルモントステークス | Sarava |
| 競走名 | 2002年 (3歳) |
2003年 (4歳) |
2004年 (5歳) |
2005年 (6歳) |
2006年 (7歳) |
|---|---|---|---|---|---|
 ドバイシーマクラシック |
Sulamani | ||||
 クイーンエリザベス2世カップ(女皇盃) (Queen Elizabeth II Cup) |
River Dancer | ||||
 ガネー賞 |
|||||
 シンガポール航空インターナショナルカップ |
非開催 | Epalo | Mummify | ||
 タタソールズゴールドカップ |
Black Sam Bellamy | ||||
 コロネーションカップ |
|||||
| プリンスオブウェールズステークス |
Rakti | ||||
| アスコット・ゴールドカップ |
Mr Dinos | Westerner | |||
| サンクルー大賞 |
Gamut | ||||
| エクリプスステークス |
Hawk Wing | ||||
| キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス |
|||||
 アーリントンミリオンステークス |
Sulamani | ||||
| インターナショナルステークス |
Sulamani | ||||
 バーデン大賞 |
Mamool | ||||
| アイリッシュチャンピオンステークス |
High Chaparral | ||||
| マンノウォーステークス |
Lunar Sovereign | Better Talk Now | |||
| アイリッシュセントレジャー |
|||||
| ターフクラシック招待ステークス |
Sulamani | ||||
| カドラン賞 |
Westerner | Westerner | Sergeant Cecil | ||
| 凱旋門賞 |
|||||
| チャンピオンステークス |
Rakti | ||||
 カナディアンインターナショナルステークス |
Ballingarry | Sulamani | |||
 ジョッキークラブ大賞 |
Black Sam Bellamy | ||||
 コーフィールドカップ |
Mummify | ||||
| ロワイヤルオーク賞 |
Mr Dinos | Westerner | Westerner | ||
| コックスプレート |
Makybe Diva | ||||
| メルボルンカップ |
Makybe Diva | Makybe Diva | Makybe Diva | ||
| ブリーダーズカップターフ |
High Chaparral | Better Talk Now | |||
| 香港カップ |
|||||
| 香港ヴァーズ |
| 競走名 | 2002年 (3歳) |
2003年 (4歳) |
2004年 (5歳) |
2005年 (6歳) |
|---|---|---|---|---|
| ドンハンデキャップ |
Harlan's Holiday | Medaglia d'Oro | ||
| ガルフストリームパークハンデキャップ |
||||
| サンタアニタハンデキャップ |
||||
| ドバイワールドカップ |
Moon Ballad | |||
| ピムリコスペシャルハンデキャップ |
非開催 | Mineshaft | ||
| スティーブンフォスターハンデキャップ |
Perfect Drift | |||
| ハリウッドゴールドカップ |
||||
| ホイットニーステークス |
Medaglia d'Oro | |||
| パシフィッククラシックステークス |
Came Home | Candy Ride | ||
| ウッドワードステークス |
Mineshaft | |||
| ジョッキークラブゴールドカップ |
Mineshaft | |||
| ブリーダーズカップクラシック |
アサクサデンエン
アドマイヤドン
アローキャリー
イングランディーレ
エスプリシーズ
クーリンガー
ゴールドアリュール
サーガノヴェル
サニングデール
シンボリクリスエス
ストロングブラッド
スマイルトゥモロー
タニノギムレット
タムロチェリー
デュランダル
ノーリーズン
バランスオブゲーム
ヒシミラクル
ファインモーション
ファストタテヤマ
ブルーショットガン
マイネルセレクト
メイショウカイドウ
メルシータカオー
モノポライザー
ローエングリン
ウォーエンブレム（アメリカ）サイレントウィットネス（香港）スラマニ（フランス）テイクオーバーターゲット（オーストラリア）ブリッシュラック（香港）マカイビーディーヴァ（オーストラリア）メダグリアドーロ（アメリカ）ロックオブジブラルタル（アイルランド）| 前世代 | 当世代 | 後世代 |
|---|---|---|
| 2001年クラシック世代 | 2002年クラシック世代 | 2003年クラシック世代 |
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最終更新：2025/03/25(火) 09:00
最終更新：2025/03/25(火) 09:00
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