ニュージーランドトロフィー 単語

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ニュージーランドトロフィー

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ニュージーランドトロフィーとは、JRA(日本中央競馬会)が開催する中山競馬場重賞競走である。毎年4月上旬に3歳限定で行われる。格付けはGⅡ副題に(NHKマイルカップトライアル)が付いている。

概要

1971年ニュージーランドの「ベイオブプレンティレーシングクラブ」からカップを送られた「イオブプレンティレーシングクラブグリーンステークス」が前身となる[1]。これが更に1983年に「ニュージーランドトロフィー4歳ステークス」と改称され、東京競馬場1600mで施行されていた。
当初から外国産馬への出走権が与えられており、またNHKマイルカップ創設まではダービーの翌週に開催されていたので、当時オークスダービーに出走権がなかった外国産馬(所謂マル外)や収得賞金が足りなくダービーへの出走を逃した競走馬などの受け皿となった「残念ダービー」と呼ばれていた。
この頃の優勝の中には同世代の中でもトップクラスの力を持っていた外国産馬シンコウラブリイヒシアマゾンなど、またクラシック登録がなくダービーに出走できなかったオグリキャップがいる。

1996年NHK杯NHKマイルカップ(GI)にリニューアルされると、そのトライアルレースとして4月下旬に移行され、東京競馬場1400mになった。
このように紆余曲折あった末に、2000年からは4月上旬に中山競馬場1600mでの開催となり、翌年にレース名も現在の「ニュージーランドトロフィー」へと落ち着いた。
この頃の優勝にそれぞれ外国産馬で後にGI優勝したファビラスラフインシーキングザパールエルコンドルパサーエイシンプレストンがいる。

2010年桜花賞皐月賞の両クラシックレース外国産馬に開放されると、有力が出走することはますます少なくなり、代わりに距離適性や賞金面からクラシックに向かわなかったの出走が多くなっている。いちおう敗でNHKマイルカップを制することになったではカレンブラックヒルがいる。

現在では3着までNHKマイルカップへの出走権を得ることができる。副題の通り、NHKマイルカップへのステップレースとなっているが、レース勝利NHKマイルカップ成績は8割以上が4着以下であり、コース中山に変わってから本レースNHKマイルカップを連勝したのは前述のカレンブラックヒルのみ。中山東京ではコースが大きく異なり、められる力が変わってくることがな要因と思われる。またNHKマイルカップコース東京1600mは同条件で行われるヴィクトリアマイル安田記念同様、波乱が起こりやすいコースでもある。

歴代優勝馬

年齢表記は2000年以前も現在年齢で表記

回数 開催日 勝利 性齢 騎手 タイム 動画
第42回 2024年4月6日 エコロブルーム 3 横山武史 1:34.4 sm43627514exit_nicovideo
第41回 2023年4月8日 エエヤン 3 M.デムーロ 1:33.7
第40回 2022年4月9日 ジャングロ 3 武豊 1:33.5 sm40294436exit_nicovideo
第39回 2021年4月10日 バスラットレオン 3 藤岡佑介 1:33:1
第38回 2020年4月11日 フトシトローム 3 石橋 1:33.0
第37回 2019年4月6日 ワイドファラオ 3 内田博幸 1:34.2
第36回 2018年4月7日 カツ 3 松山弘平 1:34.2 sm33015109exit_nicovideo
第35回 2017年4月8日 ジョーストリクトリ 3 A.シュタル 1:36.0
第34回 2016年4月9日 ダンプリウス 3 丸山元気 1:33.9 sm28603504exit_nicovideo
第33回 2015年4月11日 マカエース 3 池添謙一 1:34.8
第32回 2014年4月12日 ショウナンアチーヴ 3 後藤浩輝 1:33.3
第31回 2013年4月6日 エーシントップ 3 内田博幸 1:34.8
第30回 2012年4月7日 カレンブラックヒル 3 秋山一郎 1:33.2 sm17489969exit_nicovideo
第29回 2011年4月9日 エイシンオスマン 3 幸英明 1:34.5 sm14113580exit_nicovideo
第28回 2010年4月10日 サンライズプリンス 3 横山典弘 1:32.9
第27回 2009年4月11日 サンカルロ 3 吉田豊 1:33.8
第26回 2008年4月12日 サトノプログレ 3 横山典弘 1:35.0
第25回 2007年4月7日 トーホウレーサー 3 後藤浩輝 1:33.9
第24回 2006年4月8日 イネルスケルツィ 3 柴田善臣 1:33.5
第23回 2005年4月9日 イネルハーティー 3 内田博幸 1:33.4
第22回 2004年4月10日 シーキングザダイヤ 3 武豊 1:33.5 sm15316927exit_nicovideo
第21回 2003年4月12日 エイシンツルギザン 3 横山典弘 1:34.6
第20回 2002年4月6日 タイキリオン 3 柴田善臣 1:32:1
第19回 2001年4月7日 キタサンチャンネル 3 高橋 1:35.7
第18回 2000年4月8日 エイシンプレストン 3 福永祐一 1:34.4
第17回 1999年4月25日 カリヤ 3 的場均 1:23.4
第16回 1998年4月25日 エルコンドルパサー 3 的場均 1:22.2
第15回 1997年4月26日 シーキングザパール 3 武豊 1:21.1
第14回 1996年4月20日 ファビラスラフイン 3 藤田伸二 1:22.4
第13回 1995年6月4日 シェイクハンド 3 芹沢純一 1:35.3
第12回 1994年6月5日 ヒシアマゾン 3 中舘英二 1:35.8
第11回 1993年6月6日 トーヨーリファール 3 松永 1:34.6
第10回 1992年6月7日 シンコウラブリイ 3 岡部幸雄 1:34.9
第9回 1991年6月2日 ヴァイスシーダ 3 柴田善臣 1:35.3
第8回 1990年6月3日 ミュージックタイム 3 岡部幸雄 1:34.9
第7回 1989年6月4日 アクアビット 3 柴田政人 1:35.1
第6回 1988年6月5日 オグリキャップ 3 河内洋 1:34.0 sm297774exit_nicovideo
第5回 1987年6月7日 ユージェームス 3 安田富男 1:35.2
第4回 1986年5月24日 ニッポーテイオー 3 郷原洋行 1:36.8
第3回 1985年5月25日 マルヨプラー 3 作田 1:38.6
第2回 1984年5月26日 ニッポースワロー 3 蛯名信広 1:37.8
第1回 1983年5月28日 アップセッター 3 岡部幸雄 1:37.0

トロフィー

本競走の優勝者には、正賞としてレーシングタウランガ賞とニュージーランド航空賞が贈られる。
写真左がレーシングタウランガ賞、右がニュージーランド航空賞。

特にニュージーランド航空賞のトロフィーが有名で、JRA重賞トロフィーでは陰茎が彫刻されている。
日本人には奇抜に見える彫刻だが、マオリの伝統彫刻を意識していると思われ、民族徴であるコルー(シダの芽に由来する渦巻き模様)が細やかに彫られている。当日展示されるトロフィーを鑑賞する際は、陰茎だけではなく、顔の入れ墨模様や台座の透かし彫りにも注したいところ。

なお、レーシングタウランガ賞は、2019年まではベイオブプレンティレーシングクラブ賞という名称だった。また、2021年に限り、ニュージーランド航空賞は授与されていない。

同レースレーティングを巡る議論について

近年は3歳マイル路線の有力がステップレースを使わずにNHKマイルカップへ直行するか、の場合桜花賞からの直行というルート流となっており、さらには2018年からアーリントンカップが日程変更されてNHKマイルカップのステップレースに加えられたことにより、トライアル組の出走レースが分散する傾向にある。このにより、当レースの上位成績で芝のGIで活躍するがあまりおらず(2019年優勝ワイドファラオはその後ダートJpnIかしわ記念を勝った程)、2年連続で年間レースレーティングGⅡ降格基準値の107ポン(以下同単位よりも下回っているため、日本グレード格付管理委員会よりGⅡ格付けに対する警告exitを受けており、2022年度も107未満となった場合はアジアパターン委員会の議論投票等を経てGⅢ降格などの措置が取られる可性が浮上していたが、後述の記載通りGⅡ格付けは維持されることになった。

余談であるが、年間レースレーティングはその性質上、対となる4着以内の中で着差が広がり且つ年内にレーティングを獲得できない場合、極端に低い数値が出てしまうことがある。例として、2018年東海SGⅡ)を挙げる。同レースの場合、2着と3着の差が6身と広がり、なお且つ4着以内が他のレースでこれ以上のレーティングを獲得できなかったため、103.50ポンドとGⅢ基準値にも届かなかった。一方2021年のニュージーランドトロフィーはバスラットレオンが後続に5身差をつけ圧勝したため111を記録したものの、2着以下のレーティング101、98、95と低く、2着タイムトゥヘブン以外は年内に他のレースレーティングを稼げなかったため、年間レースレーティング103.50GⅢ基準値以下の数値を記録してしまったのである。同じNHKマイルカップトライアルGⅢアーリントンカップ112.50という高い数値を叩き出したのと対照的であり、それだけ強いが集まらなくなったという深刻さがうかがえるだろう。

幸いにも2021年レーティング新型コロナウイルスが考慮されて参考数値にとどまることとなったが、2022年度も同様となった場合、GⅢ降格は逃れられないとの話が出ていたが、2着のマテンロウオリオンシンザン記念(GⅢ)を勝った時に獲得していた109、3着のリューベック若駒S(L)を勝った時に獲得した106を基準に1着ジャングロ110を4着のエンペザーが104を獲得、1着から順に110109106104レート107.25(暫定値)になり、この地点で2022年の全てのレースが終了したあとの精で下方修正がなければ、GⅡが維持される見込みが出ていた。(その後2022年5月現在NHKマイルカップでマテンロウオリオンが2着に好走して暫定値114を獲得、暫定値108.50とNZT終了後から上昇。仮にNZT上位がNZTのレーティングに対して1ポンドずつ下方修正を受けたとしてもGⅡを維持できるようになったのは大きい)
なおマテンロウオリオンは最終的な精で確定値115プラス1の上方修正を受けたことで、最終的には108.75となり2023年GⅡ格付けが維持されることとなった。

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関連項目

脚注

  1. *なおこれに対する交換競走ということで、ニュージーランドタウランガ競馬場では、現在でも「ジャパントロフィー」(3歳以上芝1600m、GⅡ)が行われている。
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