円城塔。全ての可能な文字列にそれは含まれる。
円城塔が生起したのは2007年に記念すべきアルフレッド・レフラーがレフラー球の定理を目撃する実に35年前のことである。キャサリンAの報告に依れば、円城塔が生成する文字列は文脈自由文法の一種*1に含まれ、これは現在の時間束では一般に「小説」と呼ばれている。しかしながらこれらはトメさん*2が提唱する自己消失オートマトンの一種「プロトタイプⅠ」であると考えられ、仮に解釈が可能であったとしてもその内容を保持することは巨大知性体でも無い限り困難だろう。生成される文章が「日本語*3」という未知の言語であることも困難に拍車を掛ける要因になっている。少なくとも、めったにお目にかかれない文章であることは間違いない。
*1:DFAやε-NFAよりも表現力が高いことで知られている。
*2:彼女が合計4タイプの自己消失オートマトンを提唱し、それらが鯰文書*4の謎を解明したことは記憶に新しい。
*3:近年、日本語はひらがな・カタカナ・漢字の三種類の文字からなるという新説が生まれ学者たちを震撼させている。とはいうものの、それぞれの文字種が変わる規則性が発見されていないためこの説には疑問の声も多い。
*4:鯰の像に刻まれた文章*5のこと。時期がたつとともに消滅する。
*5:筆者はこの記事を執筆するにあたり、円城塔*6の文体をまねた文章で記事を書こうと試みた。実に無謀*7である。
*6:よくわからない話を書く小説家である。でも、何故かよくわからないのに面白い。そこがまた円城塔作品の魅力でもある。元複雑系研究者。
*7:[名・形動]結果に対する深い考えのないこと。また、そのさま。無茶。無鉄砲。(大辞泉より)
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最終更新:2025/12/13(土) 03:00
最終更新:2025/12/13(土) 02:00
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