以下、砂場。
文字の扱いの練習
住󠄁みにくき世から、住󠄁みにくき煩ひを引き拔いて、難有い世界をまのあたりに寫すのが詩である、畫である。あるは音󠄁樂と彫󠄁刻󠄂である。こまかに云へば寫さないでもよい。只まのあたりに見れば、そこに詩も生き、歌も湧く。着想を紙に落さぬとも璆鏘の音󠄁は胸裏に起󠄁る。丹󠄁靑は畫架に向つて塗抹せんでも五彩󠄁の絢爛は自から心眼に映る。只おのが住󠄁む世を、かく觀じ得て、靈臺方寸のカメラに澆季溷濁の俗界を淸くうらゝかに收め得れば足る。この故に無聲の詩人には一句なく、無色の畫家には尺嫌󠄁なきも、かく人世を觀じ得るの點に於て、かく煩腦を解脫するの點に於て、かく淸淨界に出入し得るの點に於て、又この不同不二の乾坤を建󠄁立し得るの點に於て、我利私慾の覊絆を掃󠄁蕩するの點に於て、──千金の子よりも、萬乘の君よりも、あらゆる俗界の寵兒よりも幸福である。
並び替えの練習
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