基本データ | |
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正式名称 | アルジェリア民主人民共和国 الجمهورية الجزائرية الديمقراطية الشعبية |
国旗 | |
国歌 | 誓い |
公用語 | アラビア語 |
首都 | アルジェ(Algiers) |
面積 | 2,381,740km²(世界第10位) |
人口 | 約3780万人 |
通貨 | アルジェリア・ディナール (DZD, دج /DA) |
政治体制 | 共和制 |
時間帯 | UTC +1 |
正式名称はアルジェリア民主人民共和国。
概要
北を地中海、西にモロッコ、東にチュニジアとリビア、南はモーリタニア、マリ、ニジェールと接する。
北部を除き、国土のほとんどが砂漠気候。首都アルジェは国の北端に近い場所に位置し、地中海気候である。
中央アフリカのナイジェリアとよく混同される。地理のテストでひっかけ問題に用いられる場合もある。覚え方として「国土がアルジェリア、国土がナイジェリア」を提示したい。アルジェリアの国土面積はアフリカ第1位、世界10位である。(ちなみにナイジェリアにアルのは、人口。世界7位)
かつてはフランスの植民地だったが、アルジェリア戦争で独立を勝ち得た。
独立戦争では資本主義陣営はフランスを、共産主義陣営がアルジェリア民族解放戦線(FLN)をそれぞれ支援した。日本国は介入しなかったが、当時の全学連(新左翼、学生運動団体)が民族解放戦線を支援していた。そのため、独立戦争終了後は日本との交流も盛んで、現在も良好である。
独立戦争後はFLN一党独裁の社会主義政策を採るが、徐々に経済危機が進行。1989年に憲法改正し、複数政党を認めた。1991年、普通選挙が実施されイスラーム原理主義政党、イスラム救国戦線(FIS)が圧勝する。しかし翌1992年、軍事クーデターが発生し、世俗主義を目指す軍に実権移行。1991年から2002年まで軍・イスラム原理主義組織 間で内戦が発生した。現在でも、イスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構(AQIM)がテロを繰り広げている。なお1999年から現在まで、軍部の信頼を得たFLNのアブデルアズィーズ・ブーテフリカが大統領を務めている。
1998年よりイスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構(AQIM)の国内テロが多発し、2014年の人質事件ではトゥアレグ族の民族解放戦線がアルカイダと手を組み、2013年以降はISILへの参加者が絶えない。そのため、テロ国家という負のイメージもある。現大統領はそれを払拭するべく外交活動を展開し、一定の改善も得られている。
フランスとは非常に仲が悪い、というわけでもない。国民がフランス語が話せるため、フランスに移民するアルジェリア人は珍しくない。フランスのサッカーチームに所属しているアルジェリア人選手も多い。
名称
国名の由来は「アルジェという名前の街を首都とする国」の意味である。
英語の正式名称は "People's Democratic Republic of Algeria"。略称 "Algeria"。
旧宗主国言語・フランス語の正式名称は "République algérienne démocratique et populaire"。略称 "Algérie"。
日本語漢字・中国語での表記は「阿爾及利亜(阿尔及利亚)」もしくは「阿爾及(阿尔及)」。
2002年に国民語に指定された先住民ベルベル人の言語、ベルベル語では "ⵟⴰⴳⴷⵓⴷⴰ ⵜⴰⵎⴻⴳⴷⴰⵢⵜ ⵜⴰⵖⴻⵔⴼⴰⵏⵜ ⵜⴰⵣⵣⴰⵢⵔⵉⵜ"。
歴史
- 紀元前1世紀…ベルベル人国家「ヌミディア」が成立するが、後にローマ帝国支配下に
- 4世紀…ヴァンダル人の支配下
- 5世紀…ビザンツ帝国(東ローマ帝国)支配下に
- 8世紀…イスラームが進出
- 16世紀…オスマン帝国支配下に
- 1830年…フランス植民地に
- 1954年…アルジェリア民族解放戦線により独立戦争開始。(正式名称はアルジェリア戦争)
- 1962年…アルジェリア側が勝利し、フランスから独立
- 1989年…憲法改正。複数政党制が認められる。
- 1991年…普通選挙実施。イスラム原理主義政党が躍進
- 1992年…軍事クーデターで、世俗派の軍が権力掌握
- 1991年-2002年…アルジェリア内戦
- 2011年…隣国チュニジアの民主化運動に影響を受け、大規模な反政府デモが発生。(アラブの春、アルジェリア騒乱)その後、19年続いた非常事態宣言が解除。
民族・宗教・言語
人種構成は、80%をアラブ人が占める。次に19%のベルベル人。かつてはフランス人も80万人居住していたが、独立戦争後は大半がフランス本国へ移住した。
公用語はアラビア語。先住民ベルベル人の言語である、ベルベル語は2002年に国民語に指定された。公的地位は獲得したものの、公用語には至っていない。
元宗主国はフランスであり、フランス語も広く通じる。首都アルジェなど北部地域であるほど顕著だが、全国的にも話せる国民は多い。アルジェ地下鉄では、アラビア語+フランス語の併記で、英語がない。フランス語が話せるので、フランスでの出稼ぎ労働者も多い。
宗教はイスラーム(スンニ派)。ベルベル人の大多数もイスラームを信仰する。
経済・産業・交通
経済の中心は天然資源の輸出である。石油・天然ガスの収入である。近年開発が進められ、高い経済成長率と貿易黒字を実現している。また地中海性気候を生かして、柑橘類やオリーブ、ワインの生産も盛んである。かつては農産物輸出が経済の中心であった。
これらの天然資源を獲得すべく、各国の先進国、新興国はアルジェリアに注目している。2014年の在アルジェリア邦人拘束事件では、アルジェリア人のほか、日本人、アメリカ人、フランス人など多国籍の人間が殺害さた。そこから世界各国の注目度を感じ取った人も多いだろう。また3万人強の中国人が居住する。
この国は南部ほど危険だが、事件発生地は中部のイナメナスである。しかし危険性を考えても、利益が上回るため多くの国が進出する。
関連動画
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関連リンク
- アルジェリア民主人民共和国大統領府(アラビア語・フランス語)
- アルジェリア民主人民共和国外務省(英語)
- アルジェリア民主人民共和国外務省(アラビア語)
- 駐日アルジェリア民主人民共和国大使館(英語・フランス語)
関連項目
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