アクロバティックさらさらとは、漫画『ダンダダン』に登場するお妖怪である。
お概要
通称「アクさら」。赤いロングワンピースと黒いサラサラの長髪が特徴的である怪異。2メートル以上の大柄な体格ながらもアクロバティックな動きをする。これらの特徴から「アクロバティックさらさら」と名付けられた。また、眼球はなく、大きく裂けた口と恐ろしい外見をしている。
子供の霊を探してさまよう母親の霊であり、言葉の始めに「お」をつけて喋る口調が特徴的。「おったまげー」や不良のことを「ツッパリ」と呼ぶなど、死語バブル期の1980年代に流行った言葉をやたらと使う。
白鳥愛羅を実の娘と錯覚し、強く執着しており、オカルンの「金玉」を拾ったことでアイラが霊を見れるようになったことから彼女を自分のものにするために行動を開始。
言葉遣いは上品だが、かなりの激情家であり、一度キレてしまうと自分の感情をコントロールできずに暴れまわってしまい、本来は守ろうとしていたはずの大切なアイラさえも殺そうとしてしまう。
後述のとおり、彼女の過去やその結末までは作中でもトップクラスに悲惨で切ないものであり、読者やアニメ視聴者に多くの反響を与えるものとなった。
ちなみに、元ネタは「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)のオカルト超常現象板に立てられた「ヤヴァイ奴に遭遇したかもしれん」というスレッドへの投稿だといわれている。そこでは「アクロバティックサラサラ」と名付けられており、一時はSNSでも話題となり、テレビでも取り上げられた。
お能力
その名の通り、バレエのようなアクロバチックな動きで翻弄し、軽やかな動きから繰り出されるキックはコンクリートをいとも簡単に砕くほど非常に強力。
アクさらのサラサラロングヘアーは、自由に伸縮可能であり、そのサラサラの長髪を駆使して自由を奪い相手の首を絞め、敵をブルンブルンと振り回したりできる。さらには髪の毛の束を割いて、複数の方向に伸ばすこともできる。また伸縮する髪の毛とかけ合わせることで、障害物がたくさんある場所ではよりアクロバティックな動きが可能となる。ただし、髪の毛が巻き込まれてしまうというデメリットも存在し、その弱点をモモに利用されてオカルンの本気の一撃を喰らい敗北した。
また、口がただでさえ大きいうえに裂けているため、いとも簡単に人間を飲み込むことができ、霊力のない普通の人間ならば丸呑みにされた時点で死んでしまう。
ターボババアからは「三下のルーキー」と評されているものの、初期のオカルンとモモではまともに勝負にならないくらいの強敵であり、障害物のない場所での戦いでは勝ち目は無かったと思われる。
ここから先は重要なネタバレを含みます。 |
お生前の過去
生前の彼女は美しい容姿の女性であり、幼い一人娘(CV:木野日菜)を育てるシングルマザーだった。金銭的にはかなり苦労をしており、清掃員やコンビニなど複数のアルバイトをしながら夜は売春までして何とか生活している状況にあった。心身共に疲弊している状態だったが、可愛い一人娘の笑顔を守るために体に鞭を打っていた。
一方、元バレエダンサーだったようで、娘と二人でバレエを楽しむなど、慎ましやかながらも親子で幸せな時間を過ごしていた。普段贅沢をさせてあげられない娘のために高価な赤いドレスを買ってあげるなど、母親として深い愛情を娘に注いでいた。
だが、そんな日常はある日突然崩れ去ってしまう。借金取りの男たちが家に押しかけ、部屋を荒らされ、暴行を受けたうえに愛する娘を借金の肩代わりに連れ去られてしまう。左目を潰され、ボロボロになりながらも必死に娘が乗せられた車を追いかけるが、もう追いつけないと悟り、絶望。生きる意味を失った彼女はバレエを踊りながらビルの屋上から飛び降り、娘との日々を思い出しながらその生涯に幕を下ろす。
この場面、アニメでは投身自殺した事が直接伝わらないように、屋上の水たまりでバレエを踊る様子がまるで湖面の上で踊っているかのような演出へとぼかされていたが、よく見ると飛び降りる寸前に屋上のふちが一瞬映っており、更にその後のグシャッという鈍い音でも何が起きたか察せられる風になっている。また、美しい夜空や夜景が対比として強調されたり、アクさら視点のカメラワークによる演出などによって原作以上に悲壮感が伝わる描写となっている。
死んでからも彼女の未練は消えず、怪異となって現世を漂っていた。ただ、生前の記憶を徐々に失っており、亡くした大切な何かを思い出せずにいた。そんなときに「お母さん」と声をかけてきたのが幼き日のアイラだった。アイラは母親と死別していたものの、幼いために母の死を理解できず、間違って声をかけてしまったのだった。この出来事によってアクさらはアイラを自分の娘と重ねるようになり、「私が母親としてあの子を守る。誰もあの子を傷つけたりしないように」とアイラに執着するようになる。
お顛末
モモとオカルンに敗れたアクさらは、自分が逆上して飲み込んだことでアイラを死なせてしまったことを知る。これによって正気を取り戻すと、本来の優しい母親としての人格も蘇り、自らのおこないを深く後悔し、自身の炎(オーラ)をアイラにあげることで蘇生しようとする。無事、アイラは助かったものの、オーラを失ってしまったアクさらは成仏すらされず”無”となろうとしていた。
だが、アクさらの過去を知ったアイラが消えようとするアクさらを優しく抱きしめ、「お母さん、愛してる」 「忘れない。絶対」 「宇宙で一番、幸せだったから」と声をかけると、ようやく彼女の心は救われ、人間だった頃の記憶もすべて思い出し、優しい世界へと旅立つこととなった。
その後、アクさらの能力はアイラに引き継がれることになり、彼女の想いはアイラの中で生き続けることとなった。そしてアイラは黄金の精神を持つ女傑と化していく。
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