アサキム・ドーウィンとはスーパーロボット大戦Zシリーズに登場する人生の迷子である。
概要よ…闇を抱き、光を砕け！
漆黒の人型起動兵器・シュロウガを駆り、ランド・トラビス、セツコ・オハラの前に現れる謎の青年。
過去に大罪を犯し死ねない身体になっており(本人はこの状態を「無限獄」と評している)12のスフィアを得て太極に至るため、シュロウガと共に平行世界を行き来している。『Z』開始時点では知りたがる山羊、夢見る双魚の2つを手にしている。
容姿は紫よりの黒髪に赤い瞳に黒いマントが目立つ青年だが不老不死のため実際の年齢は不明。
その搭乗機や声などからよく迷子になる風の魔装機神の青年と関係あると思われているが、その関連性は謎に包まれている。
各世界における動向を以下に記す。
UCW(スーパーロボット大戦Z/多元戦争)
UCWで勃発した多元戦争では、ランド・トラビスの傷だらけの獅子とセツコ・オハラの悲しみの乙女を手に入れるべくその覚醒を煽る様な行動を行っている。リアクターとして覚醒する為の条件の違いからかそれぞれに対する接し方は大きく異なっており、結果としてランド偏とセツコ編ではプレイヤーに与える印象も著しい違いがみられるものとなっている。
セツコ編ではZEUTHと明確な敵対関係にあり、セツコのチームメイトであるデンゼル・ハマーやトビー・ワトソンを殺害、平行世界の彼等を呼び寄せてセツコと対峙させる、トビーに擬態してセツコに騙し討ちをかますなど徹頭徹尾悪役として振舞い、演技交じりとはいえその様は正に外道の極み。
一方ランド編ではビーター・サービスの面々に比較的好意的に接しており、スポット参戦でプレイヤーが操作できる機会もある。中盤で傷だらけの獅子の覚醒を目論み本性を現して対立するものの、決裂には至らず後に飲み交わす機会があるなど奇妙な友情めいた関係を構築する事になり、条件を満たせばジ・エーデル・ベルナルとの最終決戦でもZEUTHに味方として駆けつけてくれる。ただし破界篇以降はセツコ編との兼ね合いもあってか前哨戦である軌道エレベーターの戦いでZEUTHによって討たれた事が正史として扱われている。しかし死ねない身であると語った通り、呪われし放浪者として以降のＺシリーズでもプレイヤー部隊の前に出没する事になる。
ADW(第2次スーパーロボット大戦Z/破界事変、再世戦争)
プロジェクト・ウズメによって次元将ガイオウが呼び出された後、ZEUTHの面々同様ADWに転移。この世界でも引き続きスフィアの入手を目論むが、破壊事変の時点ではクロウ・ブルーストが揺れる天秤のリアクターとして覚醒していない為、アイム・ライアードの偽りの黒羊に狙いを絞っている。
破界事変終盤でアリエティスを撃墜し偽りの黒羊を奪取したかに見えたが、後にアイムが偶発的にスフィア・アクトを発動させたことで、「アサキムに殺害された」という事象を嘘に変えて生き残り失敗に終わっていたことが判明。また、独自にアネモネと接触し、彼女から提供された情報により自分を無限獄に堕とした元凶が御使いであることを知らされている。
再世戦争ではランドとセツコの後を追うように聖インサラウム王国が設置したZONEにを己の身をもって封印。結果的にZEXISを助ける事になるが、その真の目的はZONEから抽出されるオリジン・ローに己が身を満たす事でスフィアと同調する術を会得する事であり、これによって知りたがる山羊のリアクター(しかもいきなりサード・ステージ相当)となった模様。
自身のトラウマを刺激するような発言をして己の逆鱗に触れたアイムに対し、知りたがる山羊のスフィア・アクトを用いて偽りの黒羊を無力化し、更には彼の過去を逆に暴くという報復に出る。結局偽りの黒羊はアイムにとどめを刺したユーサー・インサラウムにかっさらわれる形となってしまったが、火星でのZEXISとインサラウムの最終決戦に乱入し、そのユーサーを倒す事で彼が所有していた尽きぬ水瓶ごと奪取し、単身で4つものスフィアを獲得するに至る。
最終的にはクロウ、セツコ、ランドのスフィアによって火星のZONEへと封印され、「こういう結末も悪くない」と言い残し静かに笑みを浮かべながら表舞台から姿を消す。そして何者の邪魔も入らぬ身となったアサキムはZONEの中で己の存在について自問自答を続けた結果、ある事を願うようになった。
それは、「人間として生きる事」……。
蒼の地球、翠の地球(第2次スーパーロボット大戦Z/時獄戦役、天獄戦争)
時獄戦役ではZONEに封印され続けていた為出番はなかったが、天獄戦争では多元戦争で自身に惹かれた女…元カイメラのツィーネ・エスピオにサイデリアルへの牽制として眠りから解放される。
再度スフィア集めの為に暗躍を開始するが、その最中にアドヴェントと行動を共にする道を選んだ。アドヴェントは怨敵たる御使いの一人でとはいえ、ドクトリン達と袂を分かった身であることが関係しているようだが、「笑いたければ笑うがいい」とZ-BLUEに返しているあたりこの選択肢は苦渋の決断だったようだ。ZONEへの封印からここまでの一連の流れの末、
- アカシックレコードに触れたことで知りたがる山羊
- 無限獄からの解放を夢見たことで夢見る双魚
- 本心を隠し仇敵のアドヴェントと行動を共にしたことで偽りの黒羊
- シュロウガの創造主たる何者かの人間としての生き様に対する愛に目覚めたことで尽きぬ水瓶
それぞれのリアクターとして覚醒し、真サード・ステージににまで至っている。最終的にはアドヴェントも独善から脱却できていない者であると結論付けて決別。彼の乗機であるヘリオースの力を敢えて受ける事でオリジン・ローを体得し、シュロウガをシュロウガ・シンへと変貌させた。
Z-BLUEのリアクター４人のスフィアをも手中に収めるべくカオス・コスモスへと先行したアサキムは、エス・テランにて彼等が持ち掛けた和解を拒絶して黒の英知により自立稼働するシュロウガの群れを率いて全力の戦いを仕掛ける。最終決戦故に以前の様な遠回しな言い回しは鳴りを潜め、秘めていた本来の激情も包み隠すことなく本気でZ-BLUEとぶつかり合う様はサクリファイに御使い特有の独善を悔い改めさせるにまで至る。
本気を出した末に敗北したアサキムはその結末を認め、Z-BLUEに手を貸す事を誓うのだが、直後に現れたアドヴェントから自身に纏わる衝撃的な、そしてあまりにも残酷な真相を知らされることとなる……。
天獄篇終盤のネタバレ注意!!
…結論から言うと、アサキム・ドーウィンなる人間は元々どの平行世界にも存在しない。
シュロウガが失われた搭乗者(オペレーター)の模造・代用品として孤独を癒すべく構築した実体を持つ虚像、それこそがアサキムの正体だったのである。つまり彼が主張する大罪やそれに纏わる過去等というものはそもそも存在しない全くの出鱈目てあり、今までの謎めいた意味ありげな言動はおろか、その人格自体がシュロウガの思念や記憶を元にした作り物に過ぎなかった。実際多元戦争でもアポロから「匂いがしない」と指摘されており、実在人物ではないという伏線は当初から存在していたことになる。
元々シュロウガは平行世界における至高神ソルの同位存在であり、永きにわたる輪廻の中で特殊な霊子、思念、因子などを取り込み続け現在の姿に変貌していった。そんな中御使いの拠点であるエス・テランに流れ着くことになるのだが、その時点でコクピットは無人の状態だった。出自を知ったドクトリンがスフィア収集の為に利用しようとして無限輪廻を組み込んだことでシュロウガは因果律の法則から逸脱した不滅の存在と化し、破壊されても何事もなかったかのように再生し、それまでの記憶を基にアサキムという虚像をダウンロード・再構築する事が可能となった。つまり不死身なのはあくまでもアサキムではなくシュロウガの方であり、構造上はシュロウガがアサキムを無限獄に縛り付けているも同然といっていい。その仕組みを作ったのはシュロウガではなくあくまでも御使いだが、アサキムからすればとんだ尊厳破壊もいい所である。
真実を知ったアサキムは存在意義を全否定されたに等しい状態に陥り、今までの戦いが無駄であったと悟り自我が崩壊。抵抗の術なくアドヴェントによって至高神Z降臨の為の生贄としてヘリオースに取り込まれてしまった。しかしZ-BLUEとアドヴェントの決戦の最中二つの地球から届いた激励の声によって意識を取り戻し、至高神Zに己の死…言い換えればかねてより望んでいた無限獄からの解放を願い、そのパワーバランスを崩す事でZ-BLUEに勝利を齎す切欠を作るというファインプレーを見せる。
そして12個のスフィアと人々の意志によって果たされた超時空修復によって世界は再構築され、無限獄の呪縛が無くなったアサキムはシュロウガと共に、風の声の導きと共に何処かへと去っていった。
『Z』発売前から言われていたマサキとの同一人物説はアサキムの出自から考えてとりあえずはノーという事になる。そもそも専用BGM「BLACK STRANGER」は「赤の他人」という意味が含まれている為、身も蓋も無い事を言うとこの時点でアサキムとシュロウガはマサキとサイバスターではないと言っているようなものだったりする。
堕落しろ！関連動画へ！！
フフフ…関連項目に堕ちてみれば、心地いいものだよ
- 0
- 0pt
