概要
令和2年(2020年)8月20日に会社設立。東京都中央区八丁堀に本社がある。社長は「福井の空を語る会」の顧問として関与している。
2022年4月27日、福井県主催で杉本知事や各市町の首長らも参加する「福井空港小型航空機利活用推進大会」において、5月1日から福井空港から東京ディズニーリゾートなどにヘリコプターでのチャーター便を運航すること、実績がよければ定期便化する事を発表した。また、ヘリコプターの試験飛行も行われた。
発表によると、所要時間はTDR行きが約84分、USJ行きが約47分、恐竜博物館行きが約5分。便数は8便で、TDR・USJ行きが午前と午後の1便ずつ、恐竜博物館行きが午前と午後2便ずつ。ヘリコプターのため、定員は6人と少なめになっている。
運賃はTDR行き22000円~、USJ行き18000円~、恐竜博物館行き7700円~。航空便、それも定員数の少ないヘリコプターでこの価格であればかなり安いどころか、採算がとれるか心配なレベルである。参考までに福井駅~舞浜駅を鉄道で移動した場合、サンダーバードとかがやきのグリーン車利用で23840円となる。また、小松空港〜羽田空港のJAL普通運賃は27470円。
また、定員10人の小型ジェット機を運航することも発表した。羽田空港、神戸空港、中部国際空港、新千歳空港、沖縄や鹿児島県を回るとのこと。
このことは日経新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞のほか、NHKや福井テレビ、福井放送などでも報道されている。また、鯖江市長がツイートで福井新聞の紙面を引用している。
「福井空港 ヘリコプター filter:verified」でのTwitter検索結果(※filter:verifiedは公式マークのついたアカウントに限定するコマンド)
怪しげな実態
もし定期便化すれば福井空港には46年ぶりに定期便が就航することになる。しかし、この発表を見たインターネットの暇な住民たちがあれこれ調べてみると……
この会社、本当にヘリを運航するのか?
と言いたくなるようなツッコミどころが多数露見する事になる。あまりの杜撰な状況(というかそもそも運航実態すら確認できない)に、本当はヘリを運航する気などなくて補助金詐欺や出資金詐欺なのでは、との疑惑が深まっている。
発表関連
- 5月1日就航なのに4月27日発表は直前すぎる
- 報道で紹介された機体はセレスティアル航空ではなく、静岡エアコミュータのもの(静岡エアコミュータ側からセレスティアル航空と提携するといった発表もない)
- 上記とは別にセレスティアル航空が所有機として紹介している機種が、日本に存在しないはずの機体
ホームページ関連
- 航空法で定められた安全報告書の公表が確認できない
- 運送約款やそれに類するものも確認できない
- ホームページにアクセス制限(ベーシック認証)がかかっており、ID・パスワードが必要
- 明らかに拾いものと思われる写真が使われている(ANAの制服の人が掲載されているなど)
- それどころか画面直撮りの写真まである始末
会社関連
- 羽田事業所として出ている住所がANAとJALの施設で埋まっている
- 福井空港に事務所が確認できない
- 航空運送事業者・航空機使用事業者などの登録がされていない(つまり無認可)
- 5月2日現在、東京航空局に問い合わせても「認可を受けた事業者ではない」との回答
- 他社に運航を委託してチャーター募集するだけの会社という可能性をあたってみても、旅行業登録すらされていない
- 社長が経営している別の会社(新電力会社)も胡散臭い
会員登録関連
- 予約は完全会員登録制だが、発表当初は早々に会員登録が締め切られている
- そもそも会員に限定したフライトを業として行うこと自体が航空運送法違反に当たるという指摘がある
- また、会員登録を行わせることに別の目的があるのではないかという疑惑も浮上している
- しかも5月15日に募集を再開した際、特定の宗教に属していないことを条件としていたが明らかに問題がある(後にその条件は削除された)
運航関連
- 運賃が相場より安すぎる(東京ヘリポートから軽井沢のチャーター便ですら10万円を超える)
- 東京までの所要時間が非現実的(おそらく直線距離で計算されているがそれでも間に合わないし、木曽山脈や赤石山脈をヘリコプターで越える事になるし、そんなところを飛んだら低酸素症が心配)
- 恐竜博物館のヘリポートがまだ完成していない
- 公式サイトには運航イメージ写真と共に「山間部の霧の中でも」などと書かれているが、基本的に有視界飛行(VFR)のヘリにとって霧は天敵。しかも山間部の霧ともなれば、救難最後の砦と言われる航空自衛隊航空救難団のヘリですら状況によっては飛べないレベル。つまり航空やヘリについて素人なのが明白。
報道と釈明
このような訳でネット上では発表の地点で怪しまれていたわけだが、ゴールデンウィークが明けると報道機関も徐々にハシゴを外すかのように雲行きの怪しさを報道し始める。
5月10日には各社が「事業許可の届け出が行われていない」「県は11日にも事態の説明を求める」ことを報じる(福井テレビ)。これから1日遅れて12日には「5月16日ごろから会員募集を再開する」「受付開始は7月ごろを予定」と発表した(日経(アーカイブ)、朝日(アーカイブ)、FNN/福井テレビ)。
また同時に「報道関係者様、及びコメントをいただいている方々へ」という社長からの声明を発表。その内容はリンク先から各自確かめてほしいのだが、「怪文書」「逆ギレ、お気持ち表明」にも等しいものだったため更なる非難を呼んだ。案の定この文章を発表してしばらくするとリンクが切れた他、記事によれば各種報道機関からの電話もつながらない状態となっているという。
関連動画
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関連リンク
- セレスティアル航空(.co.jpの方)
- セレスティアル航空会員登録サイト(.comの方)
関連項目
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