基礎データ | |
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空港種別 | 商業 |
IATA | HND |
ICAO | RJTT |
滑走路 | 3300m(16/34) 2500m(04/22) 3000m(16/34) 2500m(05/23) |
開港日 | 1931年8月25日 |
設置場所 | 東京都大田区 [GoogleMap ![]() |
通称は羽田空港であり、一般的にこう呼ばれる。よって当記事でも羽田空港と記述する。また航空会社の旅客案内では「東京/羽田」と表示されることもあるが、これは成田国際空港(東京/成田)と区別するためである。
概要
1931年に滑走路一本のみの東京飛行場として開港。戦後、一時的にアメリカ軍の管理下に置かれたが、1952年に日本へ返還された。 その後、旅客数の増加に合わせてターミナルの移転・拡張・増設が幾度と行われている。
首都・東京の玄関口として機能していることから、年間の離着陸回数は28万回、年間利用者数は6,000万人超で、一日平均17~18万人が利用している計算となり、日本国内の空港の中でもずば抜けて利用者数が多い空港である。
実は世界の空港の中でも4番目に旅客数が多い(羽田より忙しいのは、アメリカのアトランタ空港、中国の北京首都国際空港、イギリスのロンドン・ヒースロー空港のみ)。
ピーク時には、実に、2~3分に一本という通勤ラッシュ時間帯の電車並みの超過密ペースで離着陸が行われており、展望デッキからは離陸の順番待ちをする航空機の列や、間髪入れずに着陸してくる航空機を見ることが出来る。
ちなみに、この2~3分という時間は、旅客機の離陸後に空港に発生する気流の乱れが収まるために必要な最低限の時間である。つまり、羽田の運営体制は、空港の運営における過密スケジュールの極限にあるといえる。
しかしその中にあってもなお、新規路線、特に国際線の就航希望が多い。
このため発着枠拡大に向けて空港の再拡張事業が進行中である。特に成田に比べて圧倒的にアクセスの便がいいためか国際化を希望する声は多く、前原誠司国交大臣(当時)が羽田のハブ化を発案した際は、経団連が率先して支持したり、大前研一が「近年まれに見る名案」と評価したりした。
が、現在の大前氏は「新千歳の方が良かったんじゃね?」と主張したりしている。
再拡張事業の一環としてD滑走路(第4滑走路)及び新管制塔・新国際線ターミナルが2010年10月21日より供用された。また、同年10月31日より国際線定期便が就航開始となる。
ちなみに羽田空港そのものは国土交通省の所管する国有の空港であるが、ターミナルビルは日本空港ビルディングの運営する「民間」の建物となる。
そのため、羽田空港を利用する場合、航空料金に一律100円が施設利用料として徴収されている。
主要施設
滑走路
- A滑走路(16R/34L)・・・3000m×60m
- B滑走路(04/22) ・・・2500m×60m、横風用
- C滑走路(16L/34R)・・・3000m×60m。国際線対応のため3350mへの延伸計画がある。
- D滑走路(05/23) ・・・2500m×60m。2010年10月21日供用開始。多摩川河口の水流等、環境などへの配慮のため世界で初となる「人工島と鋼管杭打ちによる桟橋の複合構造」を持つ滑走路でもある。
旅客ターミナルビル
東京国際空港は大規模空港であるため3つのターミナルビルを有している。
なお、1931年開港だが、戦後すぐと1993年に建て替えられているため、一番古い建物で1993年の第1旅客ターミナルビルである。
- 第1旅客ターミナルビル
国内線のうちJAL・JTA・SKY・SFJが利用。地上6階、地下1階建て。
1993年の供用開始から20年以上が経過しており、第2ターミナルよりも見劣りする面が多い事から、大規模な改修工事が行われている(JALのカウンター再編、ラウンジ拡張など)。
最寄駅:羽田空港第1ターミナル駅(東京モノレール)、羽田空港第1・第2ターミナル駅(京急電鉄) - 第2旅客ターミナルビル
国内線のうちANA・ADO・SNA・SFJ、国際線のANAのうち一部便が利用。地上5階、地下1階建て。
2004年供用開始。2010年10月13日に拡張工事が完了しチェックインロビーが2倍の広さとなった他、到着便用の手荷物受取所も一箇所増えた。また更なる拡張として、後述の暫定国際線ターミナルの跡地を利用して、南ウイングが拡大された。
2020年3月29日からは国際線の発着が開始されることに伴い、さらに南側への改築が行われている。
最寄駅:羽田空港第2ターミナル駅(東京モノレール)、羽田空港第1・第2ターミナル駅(京急電鉄) - 第3旅客ターミナルビル
国際線の全航空会社が利用。羽田再拡張事業の一環として「国際線旅客ターミナルビル」として建設された。地上5階建て。
2010年10月21日に供用開始。内部にはプラネタリウムがあったり、昔の江戸の町並みを意識したマーケットプレイスを設けるなど、観光施設としても力を入れている。
2020年3月29日より第2ターミナルからも国際線の発着が開始するため、2020年3月14日に「国際線ターミナル」から「第3ターミナル」に名称が変更された。
最寄駅:羽田空港第3ターミナル駅(東京モノレール・京急電鉄) - 貴賓室
国内外の要人などが利用する建物で第2ターミナル側にある。VIP専用だけあって内装は非常に贅沢な造りとなっているらしい。他のビルとは完全に隔離されており、制限区域立ち入り許可証を使ってエプロン内を移動しないと行くことはできない。
なお貴賓室利用の際は、航空機は専用の駐機スポットV1、V2に駐機する。 - 暫定国際線ターミナル(2010年閉鎖・解体済)
再国際化決定と、増築工事の開始に伴って建造された。現在の第2ターミナルの南側に位置していた。
あくまでも「暫定」の為、拡張工事が度々行われたが非常に狭く、面積でいうと第1ターミナルの南北ウィング一つ分、またはそれ以下。そもそも駐機スポットが2つしかない。1998年に供用開始。
後述の新国際線ターミナルの開業に合わせ、2010年10月20日の最終便を持って閉館。完全に取り壊され、跡地には第2ターミナルの増築部分が建造された。
アクセス
羽田空港への鉄道交通は、東京モノレール羽田空港線と京浜急行電鉄(京急)空港線の2路線が現在存在する。
東京モノレールは東京オリンピックに合わせて1964年に開業し(旧ターミナルに乗り入れ)、1993年の(現)国内線第1ターミナル開設、2004年の第2ターミナル開設、2010年の国際線ターミナル(現・第3ターミナル)開設により路線の延伸やルートの改変が行われている。
京急は1956年の段階で空港島の目前まで線路が来ていたが、空港島内に乗り入れたのは1993年、空港旅客ターミナルに直結したのは1998年である。
京急のターミナル乗り入れ以来、両者は競合関係にあり、東京モノレールでは「空港快速」「区間快速」、京急では「エアポート快特」「快特」等の優等列車を設定して都心への所要時間短縮を共に打ち出している。今後、JR東日本が貨物線を一部活用して空港ターミナルに乗り入れる計画(羽田空港アクセス線)、東急が京急に接続して空港アクセスを図る計画(蒲蒲線)などがある。
- 東京モノレール・・・羽田空港第3ターミナル駅・羽田空港第1ターミナル駅・羽田空港第2ターミナル駅
- 京浜急行空港線・・・羽田空港第3ターミナル駅・羽田空港第1・第2ターミナル駅
- バス・・・近隣地域からの路線バス、主要駅・施設からのリムジンバスが設定されている
- 船舶・・・国際線ターミナル近くに2011年に船着場が開設されており、横浜・台場への定期便が発着している
東京中心部へは鉄道の利便性が高く、主要駅方面にリムジンバスの設定もあるが、その本数は必ずしも多くはない。一方、横浜方面へは京急が直通しているものの、未だバスの人気も根強い。横浜駅近くの横浜シティ・エア・ターミナル(YCAT)から羽田空港へは京急バスが日中でも10分間隔で運行されている。
また京急本線から空港線が分岐する京急蒲田駅は空港と同じ大田区にあるが、JR・東急の蒲田駅から京急蒲田駅までは現状800mほど離れていることから、空港線と平行するルートで蒲田駅発着のバスも設定されている。2010年には「蒲95系統」として大鳥居のみ停車の直行路線も追加設定された。
京急空港線に加算運賃があるため、蒲田から空港へは鉄道よりもバスの運賃の方が安くなっている。
成田国際空港へはリムジンバスによる移動が多く、所要65~85分、日中15~20分間隔での運行となっている。
なお2010年の京成成田スカイアクセス線開業後、鉄道によるルートも改善されており、日中は「アクセス特急」が所要90~100分程度、40分間隔で結んでいる。両空港間の運賃はバスよりも鉄道のほうが安い。
羽田空港あれこれ
- 羽田空港敷地内には海上保安庁羽田航空基地や特殊救難基地があり、当該基地所属機は羽田空港から離陸する。なおこの基地にはYS-11が所属しているため、羽田空港は国内の民間便から完全に引退したYS-11が見れる数少ない「民間空港」である。ちなみに離島からの急患搬送などで、稀に海自のUS-1Aも飛来する。
- 第2ターミナルのPBB(旅客搭乗橋)の一部は稼動範囲が広く、時間帯によっては航空機の右側に接続して左右両側からの搭乗を行う事がある。
- 羽田空港の島全体が大田区に属する。元は東京23区の中で最も広いのは世田谷区だったが、羽田の沖合拡張が続いた結果、大田区の面積が世田谷区を抜いてしまった。
地名としての「大田区羽田空港」
羽田空港(東京国際空港)およびその周辺は「東京都大田区羽田空港(一丁目~三丁目)」という住所である。
施設名である空港の名前がそのまま町名となっており、同様の事例は名古屋駅周辺の「名古屋市中村区名駅」などに見られる。
地域は東京都の南東端、大田区の海沿いであり、同区の中では蒲田地区に分類される。歴史的には東京府荏原郡羽田村から東京都蒲田区を経て大田区となった。羽田の地域には「羽田」や「羽田旭町」など由来を羽田村に同じくする町がある。空港は長いこと羽田穴守町に所在してきたが、1967年に空港周辺を「羽田空港一丁目」として分離した。
学区は小学校は大田区立羽田小学校、中学校は大田区立羽田中学校である。
関連項目
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