ソチオリンピック(Sochi Olympic)とは、2014年冬にロシアのソチで行われた第22回冬季オリンピック(XXII Olympic Winter Games)である。
概要
冬季オリンピック | |
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ソチオリンピック | |
正式名称 | |
第22回オリンピック競技大会 | |
XXII Olympic Winter Games | |
基本情報 | |
開催国 | ロシア |
開催都市 | ソチ |
開会式 | 2014年2月7日 |
閉会式 | 2014年2月23日 |
競技種目数 | 7競技98種目 |
参加国・地域 | 88 |
オリンピックテンプレートボックス |
2007年7月4日の第119次IOC総会で、開催地をソチ(ロシア)、平昌(韓国)、ザルツブルク(オーストリア)の3都市から選ぶことになり、最終的にソチに決まった。ソ連崩壊後、始めての旧ソ連国でのオリンピックとなる。
当初は平昌が最有力とされており、第1回投票で平昌が1位、ソチが2位通過した。しかし、決戦投票ではソチが選ばれ、平昌は落選している。なお、平昌はその後2018年に平昌オリンピックが開催することが決まっている。
新採用の競技
- フィギュアスケート団体・・・男子、女子、ペア、アイスダンスの4種目で10カ国の代表が争う。
- スキージャンプ女子・・・バンクーバーオリンピックでは採用から漏れた競技が悲願の初採用。
- スキー・スノーボードスロープスタイル・・・2011-12シーズンからW杯でも採用、レールなどがあるコースを滑走する。
- スノーボード・パラレル回転・・・スキーの回転競技に準じたもの。
- バイアスロン男女混合リレー・・・クロスカントリーと射撃を組み合わせた競技。日本の出場枠は無し。
- リュージュ団体・・・男女一人乗り、二人乗りの4台でリレー。ゴール板に触れると次のスタートが開く。日本は出場せず。
大会前
開催が1年を切った段階で道路などのインフラ整備が半年以上遅れていたりと、開催都市恒例のドタバタが起きていた。プーチン大統領が担当大臣を解任したり、メドベージェフ首相も「恥ずかしい」と怒りをあらわにし、オリンピックに向けて突貫工事で期日通り完成させた企業には報酬を与え、間に合わなかった企業は処分する方針も打ち出した。なお、競技施設は順調に建設され、大会はつつがなく進行した。
大会中の出来事
開会式に先駆けてスノーボード・男女スロープスタイル、フリースタイルスキー・女子モーグル、フィギュアスケート団体・男子SP、ペアSPが行われて開幕。
開会式のセレモニーでは五輪マークのオブジェが1つ灯らずに四輪になるアクシデントが発生。日本選手団の1つ後ろ、最後に入場したロシア選手団のところで流れたBGMがかつてFLASH黄金時代で一世を風靡した「ナス嫌だゴニャ」(t.A.T.uの『Нас не догонят』)だったことから往時を知るネットユーザーの間で多少盛り上がる。
→閉会式にて四輪ネタが演出に盛り込まれる。再びの四輪か…と思いきや右上の輪が開いて見事な五輪へ!
採点競技の多い冬季五輪には付きものではあるが、このソチ大会でも採点をめぐる議論は噴出した。フリースタイルスキー女子モーグルでは4位に終わった上村愛子の方がメダル圏内に入った選手よりもいい滑走だったのではないかという意見が続出。フィギュアスケートでは海外紙でアメリカとロシアとの審判団同士で裏取引があったとも報じられた。
期間中のソチでは比較的暖かい陽気が続いたこともあり、多くの種目が雪や氷のコンディションが良くない中での競技実施となり、転倒や棄権する選手も続出した。この暖冬の原因として、松岡修造がソチを訪問しているためではないかと話題になった。一方で、期間中の日本は記録的大雪に見舞われた(→平成26年豪雪)。
日本選手団は、前回バンクーバーオリンピックでメダル0に終わった雪上競技組が奮闘。日本のメダル第1号となったのはスノーボード・男子ハーフパイプで、スノーボード競技としては初のメダル獲得となり、終わってみればスノーボードで男女合わせて3つのメダルを獲得。フリースタイルスキーのハーフパイプと共に歴史の新しい種目でメダルを獲得する一方で、ノルディック複合では20年ぶりのメダル獲得、スキージャンプでは41歳の葛西紀明が個人と団体の両方でメダルを獲得するなど復活劇も印象的であった。一方で、氷上競技は苦戦を強いられ、スピードスケート陣はメダル獲得ならず、フィギュアスケートも男子で羽生結弦が男子で初めて金メダルを獲得して気を吐いたが、女子は3大会ぶりに表彰台を逃す結果となった。
競技結果(日本)
メダル獲得数 | 金 | 1個 | 銀 | 4個 | 銅 | 3個 | 合計 | 8個 |
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入賞(8位)以上を記載。メダル獲得数8は地元開催の長野五輪(10個)に続き2位。
スキー | スケート |
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スキージャンプ男子ノーマルヒル
スキージャンプ男子ラージヒルスキージャンプ男子団体スキージャンプ女子ノーマルヒルノルディック複合男子個人ノーマルヒルノルディック複合男子団体ラージヒルフリースタイルスキー女子モーグル
フリースタイルスキー女子ハーフパイプ |
スピードスケート男子500mスピードスケート女子500m
スピードスケート女子チームパシュートフィギュアスケート団体フィギュアスケート男子シングルフィギュアスケート女子シングルショートトラック女子3000mリレー |
スノーボード | その他 |
スノーボード男子スロープスタイル
スノーボード男子ハーフパイプスノーボード女子ハーフパイプ
スノーボード女子パラレル大回転 |
カーリング女子アイスホッケー女子 |
国別メダル獲得数
※順位は獲得金メダルの多い順(同一なら銀・銅メダルの個数の順)に表記。
国名 | 金 | 銀 | 銅 | 計 | 国名 | 金 | 銀 | 銅 | 計 | |||
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1 | ロシア | 13 | 11 | 9 | 33 | 7 | ドイツ | 6 | 3 | 2 | 11 | |
2 | ノルウェー | 11 | 5 | 10 | 26 | 8 | ベラルーシ | 5 | 0 | 1 | 6 | |
3 | カナダ | 10 | 10 | 5 | 25 | 9 | オーストリア | 4 | 8 | 5 | 17 | |
4 | アメリカ | 9 | 7 | 12 | 28 | 10 | フランス | 4 | 4 | 7 | 15 | |
5 | オランダ | 8 | 7 | 9 | 24 | ~ | ||||||
6 | スイス | 8 | 6 | 5 | 19 | 17 | 日本 | 1 | 4 | 3 | 8 |
各国の話題
いろいろな記録がでました!
- スピードスケート男女12種目36個のうちオランダが23個を獲得し4種目で表彰台を独占した。
- リュージュ男子一人乗りにて、デムチェンコ選手(露)が42歳74日で冬季五輪個人種目での史上最年長メダリストとなる。
- スノーボードパラレル大回転では、ロシアのワイルド選手(金)とザワルジナ選手(銅)が夫婦揃って同じ種目でのメダルを獲得した。
- アイスホッケー女子ではカナダが4連覇。
- ショートトラック男子のビクトル・アン選手(露)が3個の金メダルを獲得、同種目の金メダル最多獲得記録を6に伸ばす。
- バイアスロンのビョルンダーレン選手(ノルウェー)が冬季五輪史上最多の通算13個目のメダルを獲得。金メダル獲得数も最多タイの8個。
- 女子滑降では、マゼ選手(スロベニア)とギザン選手(スイス)が100分の1秒まで同じタイムで同着1位となり、1競技で2人の金メダリストが誕生した。
ちょっといい話
- 男子クロスカントリー準決勝にて、ガファロフ選手(ロシア)がカーブを曲がり切れずに転倒し板を破損。この時、ライバルチーム・カナダのコーチが自チームの板を差し出し、ガファロフ選手はその板で見事完走を果たした。地元選手が関係したこともあり、現地では「今大会一番の美談」と絶賛された。
日本で人気のあの選手
- フィギュアスケートに出場したユリア・リプニツカヤ選手(15)は、その天使な外見と勝ち気な発言から開幕後、一躍日本のネットユーザの間で人気がフィーバーする。一部では「リプニツカヤ兄貴」などとも呼ばれているらしい。
男子スキークロスでの神実況
2/20、男子スキーワロススキークロス準々決勝にてまさかの展開からの神実況が話題となる。
詳しくは ↓ ↓ ↓ の動画を見ればいいと思うよ。
関連動画
大会前
大会中
関連項目
2010 冬 | 2012 夏 | 2014 冬 | 2016 夏 | 2018 冬 |
バンクーバー | ロンドン | ソチ | リオデジャネイロ | 平昌 |
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