バーガーキング(Burger King)とは、アメリカフロリダ州マイアミ発祥のハンバーガーチェーン店である。
概要
マクドナルドに次ぐ、世界第2位の規模を誇る巨大ハンバーガーチェーン。
1954年にフロリダ州マイアミで1号店を開業。
以後業容を拡大し、2024年末時点では、世界100カ国で約19,000店舗が運営されている。
日本では、2024年時点で約230店舗が営業中。これは日本のハンバーガーチェーンでは第5位で、ロッテリアとほぼ肩を並べる規模である。
直火焼きの100%ビーフパティと新鮮な野菜を特長とする大型本格バーガー「ワッパー」が看板商品。
ワッパー(Whopper)とは「とてつもなく大きいもの」という意味の英単語で、その名の通り、サイズが大きいのが特徴である。どれぐらい大きいかは、関連動画を見てもらうのが良いんじゃないかな。
「大きすぎて食べられない」という方のためには、より小さいサイズの「ワッパーJr.」という商品もあるので、こちらもご利用ください。
日本でのバーガーキングの歴史
上述のように世界2位の巨大ハンバーガーチェーンなのだが、何故か日本での店舗展開はなかなか上手くいかず、運営会社もコロコロと変わっている。
以下に日本でのバーガーキングの苦難の歴史をざっと振り返ってみたい。
第1期:西武商事・JT運営期(1993年〜2001年)
西武鉄道子会社の西武商事がアメリカのバーガーキング本社とフランチャイズ契約を結び、1993年9月に西武池袋線入間市駅の駅ビルに1号店を開業したのが、日本におけるバーガーキングの始まりである。
当初は西武鉄道沿線やプリンスホテル等の西武グループ関連での店舗展開を考えていたようなのだが、アメリカ側との調整がうまくいかず、96年にはJTが設立した「バーガーキングジャパン株式会社」にチェーン運営が移ることになる(それ以前に開業していた店舗に関しては、引き続き西武商事が運営)。
「4〜5年以内に100店舗の店舗展開を目指す」とブチ上げたものの、実際はそううまくはいかずに、2001年3月末までに全25店舗は営業終了。西武商事が運営していた店舗はファーストキッチンに、JT運営店舗はロッテリアへと売却され、一旦バーガーキングは日本から姿を消した。
第2期:ロッテ・韓国ロッテリア運営期(2007年 - 2019年)
ロッテが出資する「株式会社バーガーキング・ジャパン」がフランチャイズ契約を締結し、2007年6月に新宿アイランドタワー内に1号店を開店。6年ぶりに日本にバーガーキングが再上陸した。開店初日にはかつてのファンらが長蛇の列をなし、その様子がメディアで取り上げられたりした。
その後運営主体がロッテからロッテリア(韓国法人)に変わり運営を続けたが、2019年5月に全22店舗を閉店。またかよ。
バーガーキングジャパンの全株式も、後述するアフィニティ・エクイティ・パートナーズに売却された。
第3期:アフィニティ・エクイティ・パートナーズ運営期(2017年 - )
2017年6月に香港の投資ファンド「アフィニティ・エクイティ・パートナーズ」がバーガーキングアジアパシフィック株式会社とフランチャイズ契約を締結。アフィニティ社は、日本におけるバーガーキング事業の運営会社として「BKジャパンホールディングス」を設立して店舗展開を行うこととした。
そして2018年12月に千葉県に津田沼駅南口店をオープン。以後積極的な店舗展開を行い、2022年末時点では150店舗を数える規模にまで成長している。
…のだが、2022年1月、アフィニティ・エクイティ・パートナーズは、日本・韓国両国でのバーガーキング事業を売却すると発表した。おお、もう…
…のはずだったのだが、どこに売却したのか、今後どうなるのか…という続報がない。どうやら2022年11月に売却プロセスを停止し、2024年現在も保有したままのようである。売却発表の翌月にロシアによるウクライナ侵攻が発生したことなどで予定が狂ったのかもしれない。
いずれにせよ、バーガーキングは2024年現在も好調を維持している。2024年10月には230ある店舗を2028年末までに600まで増加させ、マクドナルド、モスバーガーに次ぐ地位を確立するつもりらしい。
マクドナルドとの戦い
世界第2位の規模を誇るバーガーキングだが、数字の面ではあらゆる要素でマクドナルドの後塵を拝している。世界での店舗数でほとんどダブルスコアをつけられ、日本に絞れば10倍近い差をあけられている。本拠地アメリカでの売り上げはバーガーキング110億ドルに対してマクドナルドは530億ドルと5倍弱の差があり、世界第2位と言いながらも、1位が圧倒的すぎるのが現状である。
そのためか、バーガーキングはマクドナルドを目の敵にしており、時折明らかにマクドナルドを意識した…というよりも煽ってるとしか思えない広告を打ち出していたりする。[1]
・「ピエロよりもキングのために働こう」という求人広告を出す。
・映画『ジョーカー』の聖地巡礼による混雑で困っている近隣住民に向け「わかります、ピエロってウザいですよね」というメッセージとともに無料配達キャンペーンを行う。
・隣り合うマクドナルドの真上に「本物のハンバーガー、左へ20歩」と書かれた馬鹿でかい看板を出す。
・「今年の広告で映ったワッパーの全てで裏にビッグマックが隠れていました(つまりビッグマックは小さい)」とCMを打つ。
こういった狂犬のような広告姿勢はあまり他企業を煽る文化のない日本でも遺憾なく発揮されている。
大きな話題になったのは2020年にマクドナルド秋葉原昭和通り店が閉店を発表したときの一件。22年間のご愛顧ありがとうございましたと店先に掲示したマクドナルドに対し、目と鼻の先にあるバーガーキングもメッセージポスターを掲示した。
私たちの2件隣のマクドナルドさんが今日で最終日を迎えます。
たがいに良きライバルとして、アキバを愛する仲間として
ちかくにいたからこそ、私たちも頑張ることができました。マクドナルドさん
のいないこれからを思うと寂しさでいっぱいです。どうかみなさん、
勝手なお願いですが、今日は彼のところに行ってください。ずっと背中を追い続けた
チャレンジャーの私たちから、スマイルを込めて、お疲れさまでした。
一見ライバルの閉店を惜しんでいるように見えるが、先頭の文字を縦読みすると「私たちの勝チ」となり、込められたスマイルが実はとても邪悪な笑みだったことが明らかになった。この広告は日本だけでなく海外でも話題になったらしく、アジア最大の国際広告賞ADFESTで特別賞を受賞した。
ちなみにマクドナルド秋葉原昭和通り店は入居するビルの建て替えのために閉店しただけで、2年後に2階から4階まで全部マックという大型店舗として鮮やかに復活した。バーガーキング側はマック復活日に合わせてまたもメッセージポスターを掲載。全体としてはワッパーについての普通の広告なのだが、タイトルは「私たちの価値」。そして今度は最後の文字を縦読みすると「店のデカさよりだいじなこと。」となりやっぱり煽ってる広告を出したのだった。
ただ、挑戦者側とはいえライバル会社を公然と煽り倒す姿勢は日本の文化としては馴染まず、あまりいい気にならない人も多く賛否両論となっていた。そのためか最近では真面目な広告を多く打つようになっている。2024年の初頭には「バーガーキングを増やそう」と称して一般の顧客から空き物件を募り、その物件が本当にバーガーキングになれば10万円を贈呈、出店されなくてもクーポンを配るキャンペーンを行った。これには78,000件超の物件が集まり、実際に12の店舗が開店することになった。
もちろん世界的にも、こういった煽り広告ばかり出しているわけではない。例えばアルゼンチンではマクドナルドがビッグマックの1日の売り上げ全てを慈善団体に寄付すると発表した日、バーガーキングはその日はワッパーの提供を国中で停止し、ビッグマックの購入を公然と促した。ポーランドでもマックのポテトの売上の一部が寄付されるチャリティーデイに合わせて、ポテトを買ったレシートを見せるとワッパーを無料で贈呈するイベントを打ち出している。コロナ禍のイギリスでは「バーガーキングだけでなくマクドナルドやあらゆる飲食店で注文して飲食業界をサポートしてほしい」と声明を出した。煽りはリスペクトなしに成立してはいけない。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
- *ちなみにマック側もドイツで、「マクドナルドのセットを買うとすぐ周りの子供に持っていかれることに悩む少年が、バーガーキングの袋に隠すと誰も近寄らず美味しく食べられた」という煽りCMを打ったことがある。
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