ミスター味っ子とは、1986年40号から1990年4・5合併号まで週刊少年マガジンで連載されていた寺沢大介によるグルメ漫画、および、それを原作として1987年2月から1989年7月までテレビ東京系列で放送されたテレビアニメである。続編に2005年から2012年までイブニングで連載されていた『ミスター味っ子II』もあるが、本項では第1作を中心に説明する。
第1作の概要(1986~1990)
味吉陽一(主人公)は町の定食屋の少年料理人である。ある日、定食屋に料理好きの親父とその付き添い人がやってくる。飯を頼んだ後に付き添い人が料理人が子供と知って「子供の作った飯は食えない」と罵倒、しかし、味吉陽一は「美味いものを作ってやる」と言って料理を始める。途中経過を見ただけでは付き添い人が「明らかに失敗作」と言っていたが、届いた料理は特大のカツ丼で、しかも大変美味い物であった。そのカツ丼に心打たれた親父は一枚の名刺を味吉陽一に渡す。そこには、「味皇料理会 村田源二郎」と書かれていた。後にこの親父が料理界の天皇である味皇と知る。そして、味皇料理会を初め多くの料理人達と料理勝負で戦ってゆく料理漫画である。
が
アニメ版は、何を間違ったのか格闘料理アニメである。基本的に、包丁は機関銃のよう。彼らの切る白菜、ネギ、キャベツなどは華麗に宙を舞い、食材には「くん」「さん」「ちゃん」付けで語りかけ、料理の修行の名目でスポ根漫画もびっくりのトンデモトレーニングを平気で行う。そんな彼らの料理をひとたび口にした者は、あやしい薬でも入ってるのかと思うほどの全身を使ったすさまじいオーバーアクションで美味しさを表現する。例を挙げると、
1.口から怪光線が出る
2.何も無いところに桜が咲く
3.ハンバーガーを食べると車いすで、頭文字D張りのドリフト走行を行う
4.海からいきなりやってくる。
5.大坂城を破壊
こんな感じ。「本当に料理アニメなのか?」と目を疑うほどである。これは善くも悪くも「原作クラッシャー」の異名を持つ事で知られる今川泰宏監督の得意とする手法によるところが大きいが、その原作からの超越ぶりが最もいい意味で効果的に作用したものといえる。当時もこういったぶっとんだ演出はとても好評だった(マジです)。元々25話くらいで終わらせるつもりだったのが約100話の長寿シリーズとなったほど。
2012年5月には、味皇の過剰なグルメリアクションがテレビ朝日系の深夜番組「マツコ&有吉の怒り新党」内の一コーナー「新・3大○○調査会」において採り上げられ、放送された(3大リアクションとして採用されたのは、上記例2・3・5のリアクション)。その際に、原作者がアニメの影響を受けて、漫画にも味皇のオーバーリアクションを描いてしまい、危うくギャグ漫画と化してしまうところだった、というエピソードが明かされていた。
OPとED、どちらも神曲でこれが好評に拍車をかけている。ルネッサ~ンス♪
また、あまり知られていない事ではあるが、嘉門達夫が挿入歌の一部で作詞作曲を担当、声優としてゲストで参加している。(第28話:激闘!大阪城・カレー丼春の陣 / アナウンサー役)
第2作の概要(2005~2012)
前作では幾多の料理勝負を繰り広げ、「天才少年料理人」「ミスター味っ子」と謳われた味吉陽一。その後、八重と結婚し一人息子陽太が生まれていた陽一だが、置手紙1枚を残して失踪し海外放浪の旅に出ていた。その陽一が7年ぶりに「日之出食堂」に戻ってくるところから物語は始まる。
『味っ子II』でも料理対決をする事がある。前作の初中期では対戦相手の料理の欠陥などの粗探しが目立っていたが、今作では、サービスの良さなど味以外の要素で勝敗が決する事がある。
「喰いタン」との並行連載であったが、ドラマ化した影響もあってか「喰いタン」の方が人気があるらしい。
途中、長期休載していた時期もあったが、2012年4号を以って完結した。コミックス全13巻。
関連動画
下記動画は、味皇料理会の検閲が入って削除される場合があります。
ニコニコでは、作中に出てくる料理を実際に再現した動画も幾つかあげられている。
関連項目
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